音楽は生活とともにあり、それは日常的なものである。
楽しければ思わず鼻歌がでるし、葬儀ではときに厳粛な哀歌が唱される。
かつて、王侯、貴族、領主らの楽しみの音楽は、食事ととともに娯楽の典型であった。そこでは、料理を担当する料理長と同じく、宮廷楽長もシェフであった。
しかし、特定の権力者のための音楽は、次第に市民のものとなっていった。歌劇場やコンサートホールはいまもいささか敷居が高いけれど、誰でもが入れる時代がきて久しい。
音楽はデジタル化とともにさらに生活に入り込み、どこかに行って聴く必要はなくなった。ラジオ、テレビの時代からいまやパソコン、携帯電話、その他のモバイルでいつでも、どこでも楽しめる時代になった。その点でウォークマンの登場は時代の革新児であったろう。
自宅で聴く音楽も変わってきた。知人がプレゼントしてくれたワイヤレススピーカーEWAをセットしてみて驚く。こんな小さな代物が堂々のオーケストラの音を奏でる。
食事はもちろん、音楽も人生の糧。人によって濃淡はあっても誰しもが一生のお付き合い。なれば、美味しいものを食べたいように、自分にとって最良な音楽を味わいたい。
奢侈ではなく、豪華でもなく、さりげないけれど身近で自分だけに寄り添ってくれる音楽。それが自由に選べることの有り難さ。戦争や災害、飢餓や貧困でそれができない人への思いから、平和への強い希求心も生まれてくる。
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