昔むかし、学校に音楽室というのがあり、だいたい大作曲家の肖像画がかかっていた。バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン・・・といったところが定番だったと思う。
クラシック音楽を聴き始めた頃、ヴィヴァルディがこの流れに棹さした。
バッハだけではなく、モーツァルト以前にヘンデルやハイドンもいたことは音楽史で習う。でも、ヴィヴァルディはちょっと意外な登場で『四季』がにわかに躍り出てきた印象だった。ところが、その後のバロック・ブーム、古楽器演奏の台頭などで『四季』だけでない、実はヴィヴァルディは凄いオペラ作曲家であり、さらに遡るとモンテヴェルディらがいる、と知ることになる。
オペラについても、昔むかしは、一般にモーツァルト以前はあまり顧みられなかった。19~20世紀オペラの紹介が中心であった。
ところが、バロック・オペラ(1600年以降)の世界が広がるとその光景は一変する。モーツァルト以前、イタリアやフランス、そしてイギリスにも多くのオペラ作曲家が犇めいていたことが、どんどん世に紹介されることになった。音楽史では、いわゆる古典派以前、そしてドイツ・オーストリア音楽以前のイタリア、フランスといったラテン系の輝き・・・。いまや、それは外せない前提になっていると思う。
この半世紀で、明らかに初学者向けの(西洋)音楽史はかわったと思う。そしてこれから先も変化を続けていくことだろう。
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