土曜日, 3月 31, 2012

ハチャトゥリアン ヴァイオリン協奏曲

Mayu Kishima


20120401日(日)06:00-07:55 BSプレミアムを見る。

ロッシーニ:歌劇「どろぼうかささぎ」序曲

ハチャトゥリヤン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調

チャイコフスキー:交響曲 第4番 ヘ短調 作品36

指揮/高関健

ヴァイオリン/木嶋真優

管弦楽/東京フィルハーモニー交響楽団

 木嶋真優は、2011921日・22日にはプラハにてプラハ交響楽団とこのハチャトゥリアンを演奏。 



土曜日, 3月 24, 2012

ギレリス

バッハ:フランス組曲第5番,ショスタコーヴィチ:ソナタ第2番&リスト:ロ短調ソナタ

   ぼくがギレリスをライヴで聴いたのは、リストのロ短調のソナタ他であった。



今日、ひがな聴いていたのは以下(の一部)である。


 1972422日、東京でギレリスのソロ・ライヴを聴いた。リストのロ短調ソナタが演目のメインだったが、集中力を高めるため、鍵盤を前にしての長い沈黙・長考の時間があり聴衆も緊張感をもって相対したことを思いだす。

 その一方、コンサート・マナーはとても気さくな印象で当時、ソ連からのピアニストとして人気を二分したいささか「高踏的」なリヒテルと好対照だった。しかし、その演奏の並外れた熟度というか、一曲毎に籠められる崇高な音楽性では両者は文字通りの双璧だった。
 ギレリスのもっとも活動的だった時代のライヴ録音が、いまは廉価で提供されるようになった。以下のリストを参考されたいが、セル/クリーヴランドのバック、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集(セル晩期の見事なサウンド)、録音は古いが抜群のセンスを誇ったクリュイタンス/パリ管のラフマニノフ(第3番)、サン=サーンス(第2番)の協奏曲が聴けるだけでも元は十分にとれる。

 
 特にベートーヴェンはギレリス得意の演目でありライヴでの音源は貴重、また、クリュイタンス/パリ管の十八番の2曲も自信に満ちた競演で楽しめる。惜しむらくは音のクリアさの不足だが、往時のギレリスの実力を知るうえでは必須の記録である。

http://www.amazon.co.jp/Icon-25th-Anniversary-Death-Emil-Gilels/dp/B003D0ZNXS/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1332557260&sr=1-1

【収録情報】

CD1 ベートーヴェン:
1. ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
2. ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
 クリーヴランド管弦楽団、ジョージ・セル指揮
 1968429,30日、51,4日、セヴェランス・ホール、クリーヴランド録音
CD2
1. ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
2. ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
 クリーヴランド管弦楽団、ジョージ・セル指揮
 1968429,30日、51,4日、セヴェランス・ホール、クリーヴランド録音
CD3
1. ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』
 クリーヴランド管弦楽団、ジョージ・セル指揮
 1968429,30日、51,4日、セヴェランス・ホール、クリーヴランド録音
2. 創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO80
3. ヴラニツキーのバレエ「森のおとめ』のロシア舞曲の主題による12の変奏曲イ長調 WoO71
4. 創作主題(トルコ行進曲)による6つの変奏曲 ニ長調 Op.76
 1968429,30日、51,4日、セヴェランス・ホール、クリーヴランド録音
CD4 ベートーヴェン:
1. ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
2. ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』
 フィルハーモニア管弦楽団、レオポルト・ルートヴィヒ指揮
 1957426,27,30日、51日、アビー・ロード第1スタジオ、ロンドン録音
CD5
1. ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
2. ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
 パリ音楽院管弦楽団、アンドレ・ヴァンデルノート指揮
 195761,2日(第2番)、19,20日(第1番)、サル・ワグラム、パリ録音
CD6 
1. ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
 パリ音楽院管弦楽団、アンドレ・クリュイタンス指揮
 195439,10日、シャンゼリゼ劇場、パリ録音
2. モーツァルト:ピアノ・ソナタ第16番変ロ長調 K570
 1954312日、シャンゼリゼ劇場、パリ録音
CD7
1. ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 Op.30
2. サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番ト短調 Op.22
パリ音楽院管弦楽団、アンドレ・クリュイタンス指揮
 1955613日、1954311日、シャンゼリゼ劇場、パリ録音
 3. ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op.87より第5番ニ長調、第24番ニ短調
 19551019,20日、ニューヨーク録音
 CD8
チャイコフスキー:
1. ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23
2. ピアノ協奏曲第2番ト長調 Op.44(シロティ編)
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、ロリン・マゼール指揮
 19721011-17日、アビー・ロード第1スタジオ、ロンドン録音
 CD9
1. ピアノ協奏曲第3番変ホ長調 Op.75
 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、ロリン・マゼール指揮
 19721011-17日、アビー・ロード第1スタジオ、ロンドン録音
 2. ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 Op.35
3. ショスタコーヴィチ:24の前奏曲とフーガ Op.87より第1番ハ長調
 1955101920日、ニューヨーク録音

ブラームス:ピアノ協奏曲第1&2番、他

続いて座右のブラームスを聴く。

 ブラームスは4曲の交響曲を世に出したが、ピアノ協奏曲2曲はいわば「ピアノ独奏」付交響曲とでもいうべき壮大な構築を誇る。特に第1番は交響曲以上に激しいパッションが第1楽章から示されブラームス作品のなかでも異色の劇的要素に富む。また第2番の終楽章は、それまでのパセティックな重い色調が一変し、明朗な感情が思いがけなくも素直に語られるような意外性がある。それゆえ、両曲演奏には、高度な技術性が要求されることはもちろんだが、その特質を際立たせ、これぞという納得感のある作品に仕上げることは至難であると思う。

ギレリスもヨッフムも超一流のアーティストだが、ともに派手さを嫌う理性的なタイプ(例えば、リヒテルとギレリス、カラヤンとヨッフムを比較すれば如実だろう)。しかし、この2曲での両者の<競演>は、達意のプロ同士が、己の力を賭したぶつかりあいにより、ときに激烈な感情表出を、ときに天国的至福感を見事に描ききったという点において、予測を超えた最高の仕事をなしえたといった風情がある。そしてベルリン・フィルが両者を繋ぐ最良のパートナーであったことには疑う余地がない。

かつてドイツ駐在中、毎日持ち歩いて、この2曲を聴いていたが飽きるということがなかった。これぞブラームスの本意ではないかという勝手な連想をしていた。1972年の録音だが、いまでもこの三者の組み合わせを超える音源に出会ったことがない。


http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9-%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC1-2%E7%95%AA%E3%80%81%E4%BB%96-%E3%82%AE%E3%83%AC%E3%83%AA%E3%82%B9-%E3%82%A8%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/B002GQ74OG/ref=cm_cr-mr-title
(かつて書いたもの)

 198687年にかけて、ドイツで暫しの生活を送ったときに、ハンブルクに2週間近く滞在しました。もちろんブラームスゆかりの地であることは十分意識しつつ、カセットを数本、旅の鞄に入れました。それが、このギレリス+ヨッフム/ベルリン・フィルのブラームスピアノ協奏曲の1番と2番でした。列車の窓から11月の北ドイツの晩秋の風景を眺めながら聴くブラームスは格別でした。地元の教会ではドイツ・レクイエムをホルスト・シュタインで聴きました。残響にドームが戦慄き、震えるなかでの経験は、これがブラームス詣での最大の成果だなと感動したことを思い出します。
 さて、この1番のコンチェルトですが、第2楽章を聴いて下さい。研ぎ澄まされた感覚と静かな深い思索がここに息づきます。ベルリン・フィルの分厚い音質もブラームスの感興を自然に、徐々に熱を込めて伝えてくれます。他演奏との比較でも、低弦の豊かな響きにみる「重心の安定性」とギレリスの心を込め、粒の揃った、しかも迫力ある表現力の融合は抜群で、大変な名演を生みました。

http://freizeit-jiyuu.blogspot.jp/2006/06/blog-post_13.html

(参考)ライナーとの名盤もあります。

【ギレリスについて】(引用)

ギレリス[1916-1985]はウクライナのオデッサ出身、オデッサ音楽院在学中の31年に彼を聴いたルービンシュタインが「彼がアメリカに来るなら、私は荷物をまとめて逃げ出す」と絶賛したエピソードが残されるほどの天才。1936年ウィーン国際コンクールで2位、1938年ブリュッセルのエリザベス女王国際フェスで1位と輝かしいコンクール歴を持ち、47年の西側デビュー以来国際的なキャリアを築きましたが、ツアーは少なく彼のコンサート登場はイベントとして騒がれ続けました。リヒテルと並ぶロシアの2大ピアニストの一人。心臓麻痺で急死。


火曜日, 3月 20, 2012

チョン・キョンファ~庄司紗矢香~クレーメル

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

 先週末からずっとヴァイオリンを聴いている。CD棚からチョン・キョンファをひっぱりだしてきて久しぶりに聴いたのが「火付け」となって、次に庄司紗矢香を聴く。どうしてチョン・キョンファのあとに庄司紗矢香なのか・・・?自分でもよくわからないが、以下の感想をしるす。


 若き日のチョン・キョンファ、これは鮮烈なデビューだった。のめり込むような音楽への専心はそれだけで人を惹きつけるものがあった。庄司紗矢香の演奏を聴いていると、ふとその頃のチョン・キョンファのことが脳裏をよぎる。硬質な、すさまじいパワーのチョン・キョンファに対して、庄司紗矢香はより柔軟でパワーも「標準的」(けっして「足りない」わけではない)かも知れない。しかし、チョン・キョンファと庄司紗矢香、両者の音楽への専心ぶり、持って生まれた天才的な感性には共通点があるのではないか。そしてなにより、その自信に満ちた音楽への向き合い方には若手ということを忘れさせる一種の威厳すらある。

 さて、指揮者チョン・ミュンフンに、姉チョン・キョンファと庄司紗矢香との比較演奏論を聞いてみたい気もするが、このバックはよく独奏者の個性をだそうと併走していて好感度である。チャイコフスキー、メンデルスゾーンともに佳演だが、前者のほうが自由度が高く演奏が伸び伸びとしている印象がある。この自信に満ちた疾走感に浸りつつ、いずれをチョン・キョンファに比類する、あるいは超える大物に育ってほしいと感じた。飛び切りの有望株と評価したい一枚。200510月、パリでの録音。

そして次にクレーメルを聴く。

Bach: Violin Concertos

 1980年代はじめ、ソ連から西側に亡命したクレーメルの活動には目をみはるものがあった。ベートーヴェン&ベルクのヴァイオリン協奏曲集などはいかにも芸域の広いクレーメルらしいカップリングだったが、それに前後してこのバッハのヴァイオリン協奏曲集(1982年)も収録された。
特に注目したいのは、「二つのヴァイオリンのための協奏曲」で、2つのソロともクレーメルが弾き合成している。相性のよいアカデミーSTを自ら指揮して完璧な一体感をめざしている。清流のような透明度のたかい音色、振幅はこまかいながら全体に快速なテンポ設定。デジタル時代のはしりにふさわしいクールで現代的な響きはいま聴いても心地よい(但し、もっと豊潤、素朴な響きが好みの向きにはイムジチ合奏団などが良いかも知れないが)。
併録のホリガーとのヴァイオリンとオーボエのための協奏曲(BWV.1053、カメラータ・ベルン、1996年録音)も名手ホリガーの技量は聴きもの。この価格では最上の組み合わせだろう。


 そろそろ休みも終わりで仕事モードに戻らなくちゃならないが、最後にいま聴いているのが下記。ベルクはなんとも名演だ、と思う。





(参考)これも別の魅力のあるイ・ムジチ盤のバッハ

日曜日, 3月 18, 2012

チョン・キョンファ

Bruch: Violin Concerto No.1 Scottish Fantasy


ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番は、テンシュテット/ロンドン・フィル(録音:1990年)との名盤があり、本演奏は遡って18年前収録の旧盤。バックは、ケンペ/ロイヤル・フィルだが、このコンビでは、かのR.シュトラウス「アルプス交響曲」などの歴史的な秀演もあり実力は十分。

 チョン・キョンファは1948年生まれ、この録音時点では24才になったばかりの「才媛」ということになるが、巨匠ケンペの重厚なバックを楯として、存分の力量をこれにぶつけているような迫力ある演奏。第1番の第3楽章の切り立った岩のような鋭く厳しい運行は大いなる驚き。女流ヴァイオリニストといった「属性」はここでは捨象する必要があろう。それは、スコットランド幻想曲の第4楽章も同様で若手とは思えない堂々たるマエストーソ(威厳)性がある。録音はさすがに古くなったが、この価格なら推奨にたる佳演である。


Mendelssohn: Violin Concerto Symphony No. 4 Italia

 あまたの名演が鎬を削るヴァイオリン協奏曲Op.64。小生、ハイフェッツがいまも座右の1枚ながら、チョン・キョンファ盤はその迫力と抜群の切れで1980年代でもっとも注目される成果(録音:19817月)と思う。バックは、デュトワ/モントリオール交響楽団。その実力はストラヴィンスキー「火の鳥」の驚異的演奏で実証済み。


 本盤に限らずチョン・キョンファの協奏曲には凡庸な演奏がない。どれも均一な出来で作品の奥行きが深く感じられる。メンデルスゾーンでも情感豊かながらセンチメンタルな弱さとは無縁。カデンツアの弓さばきなど見事としたいいようがない。この価格でチョン・キョンファの名演を入手できるのはお奨め。併録は、交響曲第4番「イタリア」と「フィンガルの洞窟」(ドホナーニ/ウィーン・フィル、録音時期:1978年)。


(参考)

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 チョン・キョンファ、テンシュテット&コンセルトヘボウ管、他


【以下はHMVからの引用】

チョン・キョンファ、テンシュテット/ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲



2曲ともチョン・キョンファ2度目の録音。ベートーヴェンは独特の歌いまわしと起伏の大きなつくり、強めのアクセントなど、感情移入の激しいチョン・キョンファならではの演奏。濃厚なロマンティシズムに覆われたブルッフとともに素晴らしい快演です。レコード芸術特選(EMI)



【収録情報】

・ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品61

・ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26

 チョン・キョンファ(ヴァイオリン)

 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(ベートーヴェン)

 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(ブルッフ)

 クラウス・テンシュテット(指揮)



 1989年ライヴ録音(ベートーヴェン)、1990年録音(ブルッフ)


【以下はHMVからの引用】
HMV レビュー
スタンダード・コレクション
R.シュトラウス、レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ
チョン・キョンファ、ツィマーマン

色彩感に富んだ和声が新鮮な印象を与えるR.シュトラウス、ブラームスを思わせるような重厚で情熱的なレスピーギ。あまり演奏される機会が多くない近代の2曲のヴァイオリン・ソナタを収めたアルバムです。
 チョン・キョンファとツィマーマンがヨーロッパ各都市で頻繁にデュオ・コンサートを行っていたころの録音で、シャープでクリアーな響きを本領とするふたりのアンサンブルが作品の真価を十二分に明らかにしています。(ユニバーサルミュージック)

【収録情報】
・リヒャルト・シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 作品18
・レスピーギ:ヴァイオリン・ソナタ ロ短調

 チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
 クリスティアン・ツィマーマン(ピアノ)

 録音時期:19887
 録音場所:ビーレフェルト、ルドルフ=エトガー=ハレ大ホール
 録音方式:デジタル(セッション)

ヴァイオリン・ソナタ全集 チョン・キョンファ(vn)フランクル(p)

【以下はHMVからの引用】
チョン・キョンファ/ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ全曲
ブラームスの深い内容とチョンの真実の音色が合体した名演です。それまでブラームスの録音にだけは絶対に手をつけなかったチョンが、満を持して発表したのがこのヴァイオリン・ソナタ。甘さや媚びを音色面でも排除し、情緒を強調せず、常に凛とした姿勢で臨む彼女の姿勢はヴィルトゥオーゾそのものです。レコード芸術特選盤。(EMI)

ブラームス:
・ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調作品78『雨の歌』
・ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調作品100
・ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調作品108
 チョン・キョンファ(ヴァイオリン)
 ペーター・フランクル(ピアノ)
 録音:1995年(デジタル)


ヴァイオリン・ソナタ、ほか チョン・キョンファ(vn)、ルプー(p)

【以下はHMVからの引用】
Cesar Franck (1822 - 1890)  
Sonata for Violin and Piano in A  
1. Allegretto ben moderato  [5:57]
2. Allegro- Quasi lento- Tempo 1 (Allegro)  [8:13]
3. Recitativo - Fantasia (Ben moderato - Largamente - Molto vivace)  [7:05]
4. Allegretto poco mosso  [6:24]
  
Claude Debussy (1862 - 1918)  
Sonata for Violin and Piano in G minor  
1. Allegro vivo  [4:43]
Kyung Wha Chung, Radu Lupu  
  
2. Intermede (Fantasque et leger)  [4:08]
Radu Lupu, Kyung Wha Chung  
  
3. Finale (Tres anime)  [4:15]
Kyung Wha Chung, Radu Lupu  
  
  
Maurice Ravel (1875 - 1937)  
Introduction and Allegro (1905)  [10:28]
  
Claude Debussy (1862 - 1918)  
Sonata for Flute, Viola, and Harp  
1. Pastorale  [5:57]
2. Interlude  [5:03]
3. Finale  [4:22]
Osian Ellis, Melos Ensemble 

土曜日, 3月 17, 2012

女流ヴァイオリニストの小品集

ツィゴイネルワイゼン(ヴァイオリン名曲集)


 雨の土曜日、気分転換をしたくて久しぶりに本CDを手にとる。チョン・キョンファに注目したのは、テンシュテット指揮で、ベートーヴェンとブルッフのヴァイオリン協奏曲の名演を聴いて以来である。本盤は、この2曲の録音の直前、1988年の収録で彼女が40歳頃の作品である。

 いわゆる小曲集だが、どの演奏もピンとはった緊張感があり、音は幾分くすんで深い味わいがある。軽く、明るくといったバック・ミュージック的ではなく、小品といえども立派な演奏曲として襟を正して聴くべきといった風情がある。

クライスラーの3曲(美しきロスマリン、ウィーン奇想曲、中国の太鼓)が典型だが、曲の本来もつ魅力があますところなく前面にでてくるような弓さばき。

今日にいたるまで、最高位の名作といえるだろう。

(参考)他の女流ヴァイオリニストの小品集の演奏を添付してみよう。






ツィゴイネルワイゼン

チゴイネルワイゼン


ツィゴイネルワイゼン~ラ・カン

ウィーン奇想曲 ヴァイオリン小品集

アナスタシア・ベスト~ヴァイオリン名曲集

白鳥(ヴァイオリン名曲集)

アンコール! ヴァイオリン愛奏曲集


金曜日, 3月 16, 2012

カルミナ・ブラーナ ティーレマン




 「カルミナ・ブラーナ」は世俗的なエネルギー、欲望を開放するような力強さが身上。この曲を世に広く知らしめたヨッフム盤(1967年)が有名だが、このティーレマン盤は、20年余をへた1998年にヨッフム盤と同じベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団を振って話題になったもの。ヨッフム盤での独唱は、ヤノヴィッツ、シュトルツェ、F.ディースカウと当時の最強のメンバーを結集したが、本盤では、クリスティアーネ・エルツェ(ソプラノ)、デイヴィッド・キューブラー(テノール、サイモン・キーンリーサイド(バリトン)という手堅い布陣。
 ティーレマンは、当時まだ39才。ベルリン生まれでドイツ楽壇の期待を一身に背負ったキャリア形成の途上ながら、ぶ厚い合唱をビシッと統制し、見事な構成力を示している。本曲は演奏会式オペラのような特色があるが、ドイツオペラを得意とするティーレマンには相性がよいのだろう。終曲O Fortuna (おお、運命の女神よ)を聴き終えたあとの感動は「ティーレマン、恐れ入り」といった感じ。

http://www.amazon.co.jp/Orff-Carmina-Burana-Christian-Thielemann/dp/B005JS7V3C/ref=sr_1_48?s=music&ie=UTF8&qid=1331943102&sr=1-48

(参考1)ティーレマンについて

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%9E%E3%83%B3

(参考2)歴史的名演 ヨッフム盤について


http://www.hmv.co.jp/product/detail/486070

木曜日, 3月 15, 2012

バーンスタイン 廉価盤


「火の鳥」の録音は、19571月とやや古いが「春の祭典」は、19724月の収録(いずれもステレオ録音)。古くからのファンにとっては、本盤は、ストラヴィンスキーの代表的演奏だった。バーンスタインの解釈は、自身の作曲家としての感性がストラヴィンスキーに共鳴しているように、リズミックで色彩的な音楽を巧みに浮き彫りにしていると感じる。特に録音の古い「火の鳥」のほうが白熱度が高くいまだに斬新な印象をとどめている。




【以下は引用】
HMV レビュー
バーンスタイン&NYP/『新世界より』

この『新世界より』は、ニューヨーク・フィル時代のバーンスタインの最高傑作との呼び声高い有名な演奏。速い部分での推進力に富む颯爽としたテンポとダイナミックな表現、遅い部分での深い叙情とが織り成すコントラストがとにかく強烈で、まさに激しく躍動する新世界をイメージすることができる一方で、民俗旋律に込められた情の深さからは、美しい自然の情景に魅せられた作曲者の心情を窺うこともできるという稀有な演奏です。

・ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調作品95『新世界より』
 1962416日、マンハッタン・センター(ステレオ)
・ドヴォルザーク:序曲『謝肉祭』作品92
 196521日、マンハッタン・センター(ステレオ)
・ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第1番ハ長調 作品46-1
 1963107日、マンハッタン・センター(ステレオ)
・ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第3番変イ長調 作品46-3
 1963107日、マンハッタン・センター(ステレオ)
 ニューヨーク・フィルハーモニック
 レナード・バーンスタイン(指揮)


HMV レビュー
【収録情報】
・マーラー:交響曲第7番ホ短調『夜の歌』
 ニューヨーク・フィルハーモニック
 レナード・バーンスタイン(指揮)
 録音時期:1965121415
 録音場所:フィルハーモニック・ホール
 録音方式:ステレオ(セッション)







金曜日, 3月 09, 2012

マルティノン  Jean Martinon



 フランスものといえば、ぼくがクラシックを聴きはじめた頃は、やはりミュンシュだった。パリ管に帰還したミュンシュへの世界からの期待はとても大きかった。しかし、思いがけなくも高齢に過労が重なってか急逝してしまった。その一方で、アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団も別格の評価をえていた。こちらは、フランスものも得手ながらロシアものの第一人者であった。
それ以前には、クリュイタンスがいた。いかにもフランスの紳士といった風情でファンも多かった。この人は実は凄腕で、べートーヴェンでもワーグナーでも歴史的な名盤を残している。
その少しあとにマルティノンが注目される。現代音楽への造詣もふかく、1970年、都民劇場でニールセンの「不滅」を聴いて瞠目した。

 
【以下は引用】

HMV レビュー

マルティノン/ニールセン『不滅』『ヘリオス』、他

交響曲第4番は、シカゴ響時代のマルティノンが遺した当時決定盤と称された名盤。常に創作を続けていた彼の指揮には、どこか哲学的とも言える知性が感じられた。それぞれ哲学的な副題を持つこの曲は、シカゴ響の万能のヴィルトゥオジティを生かして、表現者としての彼の本質を表現した名演。交響曲第2番は、荒々しい北の海のように強力に押しまくるテンションの非常に高い演奏です。

ニールセン

・交響曲第2番『4つの気質』

 シカゴ交響楽団

 モートン・グールド(指揮)

 録音:1966年[ステレオ]


・交響曲第4番『不滅』

・序曲『ヘリオス』

 シカゴ交響楽団

 ジャン・マルティノン(指揮)

 録音:1966年[ステレオ]


・『霧が晴れる』

 ジェイムズ・ゴールウェイ(fl

 シオネッド・ウィリアムズ(hp

 録音:1986年[デジタル]




HMV レビュー

マルティノン/ラヴェル:管弦楽曲集(3CD)

フランス系名指揮者と、名オケによるラヴェルの決定盤(EMI)

ラヴェル

・ボレロ

・夢幻劇の序曲『シェエラザード』

・スペイン狂詩曲

・古風なメヌエット

・ラ・ヴァルス

・バレエ音楽『マ・メール・ロワ』

・クープランの墓

・亡き王女のためのパヴァーヌ

・道化師の朝の歌

・海原の小船

・・バレエ音楽『ダフニスとクロエ』

・高雅にして感傷的なワルツ

 パリ・オペラ国立劇場合唱団(コーラス・マスター:ジャン・ラフォルジ)

 パリ管弦楽団

 ジャン・マルティノン(指揮)

 録音:1974年(ステレオ)

HMV レビュー

マルティノン/ドビュッシー管弦楽曲全集(4CD

1973-1974年にステレオ録音された定番名演の集成ボックス・セット。フランスのオーケストラならではの明るく美しい色彩の世界を堪能できる素晴らしい内容。EMIから音源提供を受けたBRILLIANTレーベルからのリリースです。

 演奏は、世界的に賞賛をあつめた名高いもので、この指揮者が残した録音の中でもひときわ高く評価されています。色彩設定と音響造型にみせる鋭敏なセンスといい、あらゆるフレーズに注入された絶妙なニュアンスといい、その目ざましい魅力はいまだに失われていません。『牧神の午後への前奏曲』や『海』などの有名作品はもちろん、『レントより遅く』管弦楽版、ラヴェル編曲『スティリア風タランテラ』をも含む全集(トータルで28744秒も収録)として、資料的価値も高いものですし、『ピアノと管弦楽のための幻想曲』では名手チッコリーニがソロを務めていることも見逃せません。

 残響を効果的に収めた録音も非常に雰囲気豊か。名エンジニア、ポール・ヴァヴァスュールならではのあでやかなサウンド造りが秀逸です。

ドビュッシー:管弦楽曲全集(28744秒収録)

CD-1

・交響詩『海』~ 3つの交響的素描

・夜想曲

・牧神の午後への前奏曲

・民謡を主題とした『スコットランド風行進曲』

・英雄的子守歌

・劇付随音楽『リア王』~ ファンファーレ

・劇付随音楽『リア王』~ リア王の眠り

CD-2

・バレエ音楽『遊戯』

・管弦楽のための『映像』

 「ジーグ」

 「イベリア」

 「春のロンド」

・交響組曲『春』

CD-3

・組曲『こどもの領分』[カプレ編]

・小組曲[ビュッセル編]

・神聖な舞曲と世俗的な舞曲(ハープと弦楽合奏のための舞曲)

・バレエ音楽『おもちゃ箱』

CD-4

・ピアノと管弦楽のための幻想曲

・レントより遅く

・クラリネットと管弦楽のための狂詩曲第1

・アルト・サキソフォンと管弦楽のための狂詩曲

・バレエ音楽『カンマ』

・スティリア風タランテラ[ラヴェル編]

 フランス国立放送管弦楽団

 アラン・マリオン(fl

 マリー=クレール・ジャメ(hp

 アルド・チッコリーニ(p

 ギイ・ダンカン(cl

 ジャン=マリー・ロンデクス(sax

 ジャン・マルティノン(指揮)

 録音:1973-1974年[ステレオ]

 録音会場:パリ、サル・ワグラム

 録音エンジニア:ポール・ヴァヴァスュール



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ERATO ORIGINALS

マルティノン/ピエルネ:シダリーズと牧羊神、ハープ小協奏曲

【収録情報】

ピエルネ:

『シダリーズと牧羊神』第1組曲

・ハープとオーケストラのための小協奏曲

・牧歌風の主題によるディヴェルティスマン


 リリー・ラスキーヌ(ハープ)

 フランス国立放送管弦楽団

 ジャン・マルティノン(指揮)

 録音時期:1970

 録音方式:ステレオ(セッション)





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ERATO ORIGINALS

マルティノン、アラン/サン=サーンス:『オルガン付き』

【収録情報】

サン=サーンス:

1. 交響曲第3番ハ短調 op.78『オルガン付き』

2. 交響詩『死の舞踏』 op.40

3. 交響詩『オンファールの糸車』 op.31

 マリー=クレール・アラン(オルガン:1

 フランス国立放送管弦楽団

 ジャン・マルティノン(指揮)

 録音時期:1970

 録音方式:ステレオ(セッション)





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ERATO ORIGINALS

プーランク:オルガンのための協奏曲、田園コンセール

アラン、ヴェイロン=ラクロワ、マルティノン&フランス国立放送管

【収録情報】

プーランク:

・オルガン、弦楽、ティンパニのための協奏曲

・クラヴサンとオーケストラのための『田園コンセール』



 マリ=クレール・アラン(オルガン)

 ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(チェンバロ)

 フランス国立放送管弦楽団

 ジャン・マルティノン(指揮)

 録音時期:1970

 録音方式:ステレオ





HMV レビュー

ERATO ORIGINALS

マルティノン/フランク:交響曲

【収録情報】

フランク:

1. 交響曲ニ短調

2. ピアノと管弦楽のための交響的変奏曲



 フィリップ・アントルモン(ピアノ:2

 フランス国立放送管弦楽団

 ジャン・マルティノン(指揮)

 録音時期:1969

 録音方式:ステレオ(セッション)




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ERATO ORIGINALS

マルティノン/ルーセル:『バッカスとアリアーヌ』組曲、くもの饗宴

【収録情報】

ルーセル:

・『バッカスとアリアーヌ』組曲第1

・『バッカスとアリアーヌ』組曲第2

・バレエ音楽『くもの饗宴』 op.17



 フランス国立放送管弦楽団
 ジャン・マルティノン(指揮)

 録音時期:1969年、1971

 録音方式:ステレオ(セッション)





HMVレビュー
マーラー・イヤーにまた嬉しいプレゼント

マルティノンの秘蔵音源

1973年フランス国立放送管とのマラ3ライヴ!

カップリングのベルク『ルル』にも注目。

マーラー・イヤーに続々とリリースされる中、スイス「Cascavelle」レーベルからも注目盤が登場! ジャン・マルティノン&フランス国立放送管によるマーラー第3交響曲です。

 マルティノンによる第3交響曲の録音では、1967年当時音楽監督であったシカゴ交響楽団&レジーナ・レズニク(メゾ・ソプラノ)がありますが、このディスクの録音はその6年後にあたる197310月、こちらも当時音楽監督であったフランス国立放送管とのライヴ録音です。フランス指揮界における重鎮として活躍し、ドビュッシーやサン=サーンスなどフランスものの評価の高いマルティノンですが、非常に明快・明晰な演奏は大曲であるマーラーでも冴えており、かつ堂々たる演奏をしております。なお、マルティノンは1967年にグスタフ・マーラー国際交流協会(The International Association Gustav Mahler)よりメダルを授与されており(ラファエル・クーベリックやジョン・バルビローリも同賞を授与)、まさにお墨付きを得たマーラーと言えましょう。

 また、カップリングのベルク:『ルル』は、7111月フランス国立放響の音楽監督として最も充実し、マルティノンの音楽性の高さ、表現力の豊かさを聴くことのできる渾身のライヴです。(キングインターナショナル)

【収録情報】

1. マーラー:交響曲第3番ニ短調

2. ベルク:『ルル』組曲



 ヒルデガード・ルトガース(メゾ・ソプラノ:1

 マリー・リンゼイ(ソプラノ:2

 フランス放送合唱団(合唱指揮:ジャン・ポール・クレダー)

 フランス国立放送管弦楽団

 ジャン・マルティノン(指揮)

 録音時期:1971113日(ベルク)、1973103日(マーラー)

 録音方式:ステレオ(ライヴ)