先週末からずっとヴァイオリンを聴いている。CD棚からチョン・キョンファをひっぱりだしてきて久しぶりに聴いたのが「火付け」となって、次に庄司紗矢香を聴く。どうしてチョン・キョンファのあとに庄司紗矢香なのか・・・?自分でもよくわからないが、以下の感想をしるす。
若き日のチョン・キョンファ、これは鮮烈なデビューだった。のめり込むような音楽への専心はそれだけで人を惹きつけるものがあった。庄司紗矢香の演奏を聴いていると、ふとその頃のチョン・キョンファのことが脳裏をよぎる。硬質な、すさまじいパワーのチョン・キョンファに対して、庄司紗矢香はより柔軟でパワーも「標準的」(けっして「足りない」わけではない)かも知れない。しかし、チョン・キョンファと庄司紗矢香、両者の音楽への専心ぶり、持って生まれた天才的な感性には共通点があるのではないか。そしてなにより、その自信に満ちた音楽への向き合い方には若手ということを忘れさせる一種の威厳すらある。
さて、指揮者チョン・ミュンフンに、姉チョン・キョンファと庄司紗矢香との比較演奏論を聞いてみたい気もするが、このバックはよく独奏者の個性をだそうと併走していて好感度である。チャイコフスキー、メンデルスゾーンともに佳演だが、前者のほうが自由度が高く演奏が伸び伸びとしている印象がある。この自信に満ちた疾走感に浸りつつ、いずれをチョン・キョンファに比類する、あるいは超える大物に育ってほしいと感じた。飛び切りの有望株と評価したい一枚。2005年10月、パリでの録音。
そして次にクレーメルを聴く。
特に注目したいのは、「二つのヴァイオリンのための協奏曲」で、2つのソロともクレーメルが弾き合成している。相性のよいアカデミーSTを自ら指揮して完璧な一体感をめざしている。清流のような透明度のたかい音色、振幅はこまかいながら全体に快速なテンポ設定。デジタル時代のはしりにふさわしいクールで現代的な響きはいま聴いても心地よい(但し、もっと豊潤、素朴な響きが好みの向きにはイムジチ合奏団などが良いかも知れないが)。
併録のホリガーとのヴァイオリンとオーボエのための協奏曲(BWV.1053、カメラータ・ベルン、1996年録音)も名手ホリガーの技量は聴きもの。この価格では最上の組み合わせだろう。
そろそろ休みも終わりで仕事モードに戻らなくちゃならないが、最後にいま聴いているのが下記。ベルクはなんとも名演だ、と思う。
(参考)これも別の魅力のあるイ・ムジチ盤のバッハ
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