フランスものといえば、ぼくがクラシックを聴きはじめた頃は、やはりミュンシュだった。パリ管に帰還したミュンシュへの世界からの期待はとても大きかった。しかし、思いがけなくも高齢に過労が重なってか急逝してしまった。その一方で、アンセルメ/スイス・ロマンド管弦楽団も別格の評価をえていた。こちらは、フランスものも得手ながらロシアものの第一人者であった。
それ以前には、クリュイタンスがいた。いかにもフランスの紳士といった風情でファンも多かった。この人は実は凄腕で、べートーヴェンでもワーグナーでも歴史的な名盤を残している。
その少しあとにマルティノンが注目される。現代音楽への造詣もふかく、1970年、都民劇場でニールセンの「不滅」を聴いて瞠目した。
【以下は引用】
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マルティノン/ニールセン『不滅』『ヘリオス』、他
交響曲第4番は、シカゴ響時代のマルティノンが遺した当時決定盤と称された名盤。常に創作を続けていた彼の指揮には、どこか哲学的とも言える知性が感じられた。それぞれ哲学的な副題を持つこの曲は、シカゴ響の万能のヴィルトゥオジティを生かして、表現者としての彼の本質を表現した名演。交響曲第2番は、荒々しい北の海のように強力に押しまくるテンションの非常に高い演奏です。
ニールセン
・交響曲第2番『4つの気質』
シカゴ交響楽団
モートン・グールド(指揮)
録音:1966年[ステレオ]
・交響曲第4番『不滅』
・序曲『ヘリオス』
シカゴ交響楽団
ジャン・マルティノン(指揮)
録音:1966年[ステレオ]
・『霧が晴れる』
ジェイムズ・ゴールウェイ(fl)
シオネッド・ウィリアムズ(hp)
録音:1986年[デジタル]
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マルティノン/ラヴェル:管弦楽曲集(3CD)
フランス系名指揮者と、名オケによるラヴェルの決定盤(EMI)
ラヴェル
・ボレロ
・夢幻劇の序曲『シェエラザード』
・スペイン狂詩曲
・古風なメヌエット
・ラ・ヴァルス
・バレエ音楽『マ・メール・ロワ』
・クープランの墓
・亡き王女のためのパヴァーヌ
・道化師の朝の歌
・海原の小船
・・バレエ音楽『ダフニスとクロエ』
・高雅にして感傷的なワルツ
パリ・オペラ国立劇場合唱団(コーラス・マスター:ジャン・ラフォルジ)
パリ管弦楽団
ジャン・マルティノン(指揮)
録音:1974年(ステレオ)
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マルティノン/ドビュッシー管弦楽曲全集(4CD)
1973-1974年にステレオ録音された定番名演の集成ボックス・セット。フランスのオーケストラならではの明るく美しい色彩の世界を堪能できる素晴らしい内容。EMIから音源提供を受けたBRILLIANTレーベルからのリリースです。
演奏は、世界的に賞賛をあつめた名高いもので、この指揮者が残した録音の中でもひときわ高く評価されています。色彩設定と音響造型にみせる鋭敏なセンスといい、あらゆるフレーズに注入された絶妙なニュアンスといい、その目ざましい魅力はいまだに失われていません。『牧神の午後への前奏曲』や『海』などの有名作品はもちろん、『レントより遅く』管弦楽版、ラヴェル編曲『スティリア風タランテラ』をも含む全集(トータルで287分44秒も収録)として、資料的価値も高いものですし、『ピアノと管弦楽のための幻想曲』では名手チッコリーニがソロを務めていることも見逃せません。
残響を効果的に収めた録音も非常に雰囲気豊か。名エンジニア、ポール・ヴァヴァスュールならではのあでやかなサウンド造りが秀逸です。
ドビュッシー:管弦楽曲全集(287分44秒収録)
CD-1:
・交響詩『海』~ 3つの交響的素描
・夜想曲
・牧神の午後への前奏曲
・民謡を主題とした『スコットランド風行進曲』
・英雄的子守歌
・劇付随音楽『リア王』~ ファンファーレ
・劇付随音楽『リア王』~ リア王の眠り
CD-2:
・バレエ音楽『遊戯』
・管弦楽のための『映像』
「ジーグ」
「イベリア」
「春のロンド」
・交響組曲『春』
CD-3:
・組曲『こどもの領分』[カプレ編]
・小組曲[ビュッセル編]
・神聖な舞曲と世俗的な舞曲(ハープと弦楽合奏のための舞曲)
・バレエ音楽『おもちゃ箱』
CD-4:
・ピアノと管弦楽のための幻想曲
・レントより遅く
・クラリネットと管弦楽のための狂詩曲第1番
・アルト・サキソフォンと管弦楽のための狂詩曲
・バレエ音楽『カンマ』
・スティリア風タランテラ[ラヴェル編]
フランス国立放送管弦楽団
アラン・マリオン(fl)
マリー=クレール・ジャメ(hp)
アルド・チッコリーニ(p)
ギイ・ダンカン(cl)
ジャン=マリー・ロンデクス(sax)
ジャン・マルティノン(指揮)
録音:1973-1974年[ステレオ]
録音会場:パリ、サル・ワグラム
録音エンジニア:ポール・ヴァヴァスュール
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ERATO ORIGINALS
マルティノン/ピエルネ:シダリーズと牧羊神、ハープ小協奏曲
【収録情報】
ピエルネ:
『シダリーズと牧羊神』第1組曲
・ハープとオーケストラのための小協奏曲
・牧歌風の主題によるディヴェルティスマン
リリー・ラスキーヌ(ハープ)
フランス国立放送管弦楽団
ジャン・マルティノン(指揮)
録音時期:1970年
録音方式:ステレオ(セッション)
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ERATO ORIGINALS
マルティノン、アラン/サン=サーンス:『オルガン付き』
【収録情報】
サン=サーンス:
1. 交響曲第3番ハ短調 op.78『オルガン付き』
2. 交響詩『死の舞踏』 op.40
3. 交響詩『オンファールの糸車』 op.31
マリー=クレール・アラン(オルガン:1)
フランス国立放送管弦楽団
ジャン・マルティノン(指揮)
録音時期:1970年
録音方式:ステレオ(セッション)
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プーランク:オルガンのための協奏曲、田園コンセール
アラン、ヴェイロン=ラクロワ、マルティノン&フランス国立放送管
【収録情報】
プーランク:
・オルガン、弦楽、ティンパニのための協奏曲
・クラヴサンとオーケストラのための『田園コンセール』
マリ=クレール・アラン(オルガン)
ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(チェンバロ)
フランス国立放送管弦楽団
ジャン・マルティノン(指揮)
録音時期:1970年
録音方式:ステレオ
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マルティノン/フランク:交響曲
【収録情報】
フランク:
1. 交響曲ニ短調
2. ピアノと管弦楽のための交響的変奏曲
フィリップ・アントルモン(ピアノ:2)
フランス国立放送管弦楽団
ジャン・マルティノン(指揮)
録音時期:1969年
録音方式:ステレオ(セッション)
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マルティノン/ルーセル:『バッカスとアリアーヌ』組曲、くもの饗宴
【収録情報】
ルーセル:
・『バッカスとアリアーヌ』組曲第1番
・『バッカスとアリアーヌ』組曲第2番
・バレエ音楽『くもの饗宴』 op.17
フランス国立放送管弦楽団
ジャン・マルティノン(指揮)
録音時期:1969年、1971年
録音方式:ステレオ(セッション)
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マーラー・イヤーにまた嬉しいプレゼント
マルティノンの秘蔵音源
1973年フランス国立放送管とのマラ3ライヴ!
カップリングのベルク『ルル』にも注目。
マーラー・イヤーに続々とリリースされる中、スイス「Cascavelle」レーベルからも注目盤が登場! ジャン・マルティノン&フランス国立放送管によるマーラー第3交響曲です。
マルティノンによる第3交響曲の録音では、1967年当時音楽監督であったシカゴ交響楽団&レジーナ・レズニク(メゾ・ソプラノ)がありますが、このディスクの録音はその6年後にあたる1973年10月、こちらも当時音楽監督であったフランス国立放送管とのライヴ録音です。フランス指揮界における重鎮として活躍し、ドビュッシーやサン=サーンスなどフランスものの評価の高いマルティノンですが、非常に明快・明晰な演奏は大曲であるマーラーでも冴えており、かつ堂々たる演奏をしております。なお、マルティノンは1967年にグスタフ・マーラー国際交流協会(The International Association Gustav Mahler)よりメダルを授与されており(ラファエル・クーベリックやジョン・バルビローリも同賞を授与)、まさにお墨付きを得たマーラーと言えましょう。
また、カップリングのベルク:『ルル』は、71年11月フランス国立放響の音楽監督として最も充実し、マルティノンの音楽性の高さ、表現力の豊かさを聴くことのできる渾身のライヴです。(キングインターナショナル)
【収録情報】
1. マーラー:交響曲第3番ニ短調
2. ベルク:『ルル』組曲
ヒルデガード・ルトガース(メゾ・ソプラノ:1)
マリー・リンゼイ(ソプラノ:2)
フランス放送合唱団(合唱指揮:ジャン・ポール・クレダー)
フランス国立放送管弦楽団
ジャン・マルティノン(指揮)
録音時期:1971年11月3日(ベルク)、1973年10月3日(マーラー)
録音方式:ステレオ(ライヴ)
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