雨の土曜日、気分転換をしたくて久しぶりに本CDを手にとる。チョン・キョンファに注目したのは、テンシュテット指揮で、ベートーヴェンとブルッフのヴァイオリン協奏曲の名演を聴いて以来である。本盤は、この2曲の録音の直前、1988年の収録で彼女が40歳頃の作品である。
いわゆる小曲集だが、どの演奏もピンとはった緊張感があり、音は幾分くすんで深い味わいがある。軽く、明るくといったバック・ミュージック的ではなく、小品といえども立派な演奏曲として襟を正して聴くべきといった風情がある。
クライスラーの3曲(美しきロスマリン、ウィーン奇想曲、中国の太鼓)が典型だが、曲の本来もつ魅力があますところなく前面にでてくるような弓さばき。
今日にいたるまで、最高位の名作といえるだろう。
(参考)他の女流ヴァイオリニストの小品集の演奏を添付してみよう。
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