ベームのブルックナーはウィーン・フィルとのコンビで、正規録音として3,4,7,8番、ライヴでもバイエルン放送響盤など聴くことができる。以下はいずれも1936年の録音。当時、ベームは40才、ドレスデン(ザクセン)国立歌劇場の総監督であり本盤はその時代の成果のひとつ。録音の古さは致し方なくはじめの印象は蚊のなくようなレベル。しかし、演奏そのものに集中するとなかなか味のある佳演であることがわかる。
4番については、1973年11月収録のウィーン・フィル盤 と同じくテンポの安定した荘厳な装いと良く制御されたオーケストラの緊張感ある臨場を看取できる。
5番について、後年の演奏や他番にくらべると、第2、3楽章などでテンポをやや可変的にとり、厳しいオーケストラ統制を緩めていると感じる部分もあるが、基本はかわらず全体構成はいかにもべームらしく堅固。かつ弦と管のバランスがよく強奏でも乱れはない。終楽章も充実しており、1970年代前後のライヴ盤があれば是非良い録音で聴いてみたいと思うだろう。
両番とも演奏は立派だが、ブルックナー&ベーム・ファン向けの歴史的音源。
(参考)ウィーン・フィル盤
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