ルービンシュタインのピアノ協奏曲集、今年の正月はこれを取り出して順に聴いていて楽しめた。以下の13名の作曲家による主要作品を幅広くカヴァーしており、この価格でいわば「ピアノ協奏曲大全」といった集約度。ルービンシュタインのオールマイティぶりをいかんなく示している。
バックの陣容は、往時、非常な人気を誇った大家だけに、指揮者、管弦楽団の質も第一級で、相性がよかったといわれるウォーレンスタインのほかオーマンディ、ライナー、ラインスドルフらが投入されている。ただし、オーマンディ、ライナーと比較すると、ウォーレンスタインの演奏は、とても頑張ってルービンシュタインを盛り立てているが、ときに安普請の風景画を見ているような感なくもない。
いまとなっては古い音源(ただしルービンシュタインにおいては複数録音のうち新録)だが、ベートーヴェンの協奏曲全集はバレンボイム指揮で話題となったもの。バレンボイムは自身、クレンペラーの指揮でピアニストとして全集を録音しているが、処をかえて、老練な大家と気鋭の指揮者としての再録となった。
演奏は、いまも聴き継がれる得意のショパン、チャイコフスキー、ラフマニノフはもちろんだが、シューマン、ブラームスなどドイツものも堂々たる構えで、かつ大らかにして、独特の気品と情感がある。以下、下記のブログ(ルービンシュタイン1~5)を参照されたい。
(収録情報)
◆モーツァルト
・ピアノ協奏曲 第17番、第20番、21番、第23番、*第24番
(演奏)ウォーレンスタイン/RCAビクター交響楽団(1961年)
*クリップス/RCAビクター交響楽団(1958年)
◆ベートーヴェン
・ピアノ協奏曲全集(第1番~第5番)
(演奏)バレンボイム/ロンドン・フィル(1975年)
◆シューマン
・ピアノ協奏曲
(演奏)ジュリーニ/シカゴ交響楽団(1967年)
◆ブラームス
・ピアノ協奏曲第1番
(演奏)ラインスドルフ/ボストン交響楽団(1964年)
・同第2番
(演奏)オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1971年)
◆ショパン
・ピアノ協奏曲第1番
(演奏)スクロヴァチェフスキ/ロンドン新交響楽団(1961年)
・同第2番
(演奏)ウォーレンスタイン/シンフォニー・オブ・ジ・エア(1958年)
・ポーランド民謡による大幻想曲
(演奏)オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1968年)
・アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
(演奏)ウォーレンスタイン/シンフォニー・オブ・ジ・エア(1958年)
◆リスト
・ピアノ協奏曲第1番
(演奏)ウォーレンスタイン/RCAビクター交響楽団(1956年)
◆グリーグ
・ピアノ協奏曲
(演奏)ウォーレンスタイン/RCAビクター交響楽団(1961年)
◆チャイコフスキー
・ピアノ協奏曲第1番
(演奏)ラインスドルフ/ボストン交響楽団(1963年)
◆ラフマニノフ
・ピアノ協奏曲第2番
(演奏)オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1971年)
・パガニーニの主題による狂詩曲
(演奏)ライナー/シカゴ交響楽団(1956年)
◆サン=サーンス
・ピアノ協奏曲第2番
(演奏)オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1969年)
◆フランク
・交響的変奏曲
(演奏)ウォーレンスタイン/シンフォニー・オブ・ジ・エア(1958年)
◆ファリャ
・スペインの庭の夜
(演奏)オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団(1969年)
→ サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番、ファリャ:スペインの庭の夜
◆シマノフスキ
・協奏交響曲
(演奏)ウォーレンスタイン/ロサンジェルス・フィル(1952年)
http://www.amazon.co.jp/Arthur-Rubinstein-Concertos-Classical-Masters/dp/B00EC0VWEM/ref=cm_cr-mr-title
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