金曜日, 1月 03, 2014

ルービンシュタイン 2 ラフマニノフ、チャイコフスキー




ルービンシュタインの協奏曲の名演から、いくつかを取り上げてみよう。まず、ラフマニノフの2番とチャイコフスキーの1番。いずれもながらく代表的な名演といわれてきたもの。 

◆ラフマニノフの2番:凛として、豊かな響きに包まれるこよなき快感(最上のフィラデルフィア・サウンド)。ルービンシュタインのテンポを緩めて無理のない運行には、メカニカルな技量を誇る行き方とは別の、汲めども尽きぬ表現力があふれているように感じる。感性は老いずの至芸である(録音:19711124日)。

◆チャイコフスキーの1番:爆発的な音量をもって圧倒するタイプの演奏でない。いかにも落ち着いた、一音一音にニュアンスを丹精にこめた演奏である。しかし、快活さやスリリングさもあますところなく表現しており、聴きすすむうちに、こうした上質なチャイコフスキー像に引き寄せられていくだろう。ただし、録音のせいかも知れないが、オーケストラの精度がいまひとつの印象(録音:196335日)。

(以下は引用)

1.チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 Op.23
2.ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op,18

アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
エーリヒ・ラインスドルフ指揮ボストン交響楽団(1)
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団(2)
録音:
1963年3月5日、ボストン、シンフォニーホール(1)
1971年11月24日、フィラデルフィア、アカデミー・オブ・ミュージック(2)
ステレオ録音
 

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