最近、注目している指揮者は、ハーディングである。大手エアラインでも通用するパイロットの資格ももっているマルチ・タレントであり、芸域の広さでも群を抜く。なによりも、せせこましいクラシック音楽界を、自ら打破し自由に飛び回っているかのような姿が格好いい。
ハーディング 注目5点 Daniel Harding (shokkou3.blogspot.com)
ネルソンスの柔らかな感性も多くの人を惹きつけるものをもっている。主戦場ショスタコーヴィチで一歩先行している印象だ。
ボストン交響楽団とネルソンス Andris Nelsons (shokkou3.blogspot.com)
セガンも米国を拠点にエネルギッシュに活躍している。バーンスタインを強く意識しているようだが、伸びしろの大きさを感じさせる。
フィラデルフィア管弦楽団とセガン Yannick Nézet-Séguin (shokkou3.blogspot.com)
ドゥダメルも注目株。ネルソンス、セガンにくらべて強い個性が見えにくいが、なんでもそつなくこなす力量は高い潜在力の表れかも知れない。
ロサンジェルス・フィルとドゥダメル Gustavo Adolfo Dudamel Ramírez (shokkou3.blogspot.com)
ペトレンコは、ベルリン・フィルのシェフになって名を轟かせた。多くのレコーディングをして世界的に有名になる道もあれば、1回1回のオペラやコンサートで聴衆を鷲づかみにして、その評価によってスターダムにのる道もある。前者であればいまは多くの音源から知ることができるが、後者はライヴに接しないとその実力はわからない。”ペトレンコ現象”は、残念ながらいまの日本では感知しにくい面もあったのだろう。さて、今後の展開は・・・。
ロシアのウクライナ侵略とベルリン・フィル (shokkou3.blogspot.com)
マーラー 5人の有力指揮者 (shokkou3.blogspot.com)
日本人指揮者にも注目したい。”小澤、岩城、若杉時代ふたたび!”を心から期待したい。いまの時代では、指揮者コンクール優勝は必要条件の一部であっても、世界を目指すうえではそれ以上ではないようだ。最近の日本の指揮者は、コンクールで優勝するといつのまにか国内オケのビルダーを中心に収まるケースが多いように思うが、プレイヤー同様、二部か三部リーグの監督に満足しそこに安住しているように思えてならない。たとえば、競争の厳しき米国のメジャーオケで揉まれ、そのシェフを勝ち取るところまで行かないと世界に冠たるとは言えまい。小澤征爾の再来といったエピソードをもった新星の出現をこの目でしかと見てみたいと思う。