土曜日, 9月 28, 2013

ベートーヴェン 交響曲全集 名盤5点

Scoprire Beethoven-I Capolavori


バーンスタイン


   バーンスタイン(下記)のところで、トスカニーニ(新盤)、カラヤン(70年代)、ベーム(&ウィーン・フィル)についてふれたので、ここではそれ以外について。

 フルトヴェングラーはリマスター盤を入手して、音が格段に良くなっていることに驚いたが、いまはこうしたドイツ精神主義の権化といった演奏にはちょっと敬遠したい重さを感じてしまう。いずれまた、ここに回帰することもあるかも知れないが、最近はむしろ対極ともいえるトスカニーニ旧盤の快刀乱麻の歯切れの良さに惹かれている。

Wilhelm Furtwangler: The Great EMI Recordings [Box set, CD, Import]

フルトヴェングラー

Complete Symphonies & Selected Overtures [Import]

トスカニーニ

古き名盤ついでに、初期カラヤンのベートーヴェンの清新溌剌さも特筆ものである。その一方、名盤の誉れ高きライナー(5番、7番)にはあまりの凝縮感に若干、息苦しさを感じてしまうこともある。

Herbert von Karajan: Recordings 1938-60 Collection [Import, from US, Box set]

カラヤン

【カラヤン ベートーヴェン 第5番「運命」 1948年】 


【ライナーのベートーヴェン】
http://shokkou3.blogspot.jp/2011/09/blog-post_03.html

5番、7番のカップリングといえば、カルロス・クライバーにふれないわけにはいかないだろう。背筋にゾクゾクとくるようなスリリングさでは群をぬくが、いくども聴いていると、その「凄さ」の背後にいささかの「けれんみ」を感じないわけでもない。

【ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》&7番 カルロス・クライバー】


5番、7番の谷間の6番では、もちろんワルターなどもあるけれど、オーマンディの鷹揚ながらも周到な解釈とその美音に酔う1枚も見落とせない。同様に、2番、7番でのセルの潔癖な演奏もとても気にいっている。

【ベートーヴェン:交響曲第5番・第6番 オーマンディ】

【セル(2) / ベートーヴェン第2&第7交響曲】
http://freizeit-jiyuu.blogspot.jp/2006/06/blog-post_115106324787553846.html

5番、6番の組み合わせで、ウィーン・フィルを振ったイッセルシュテットも秀でた演奏。この包容力あるテイストはなかなか再現できない妙技だろう。交響曲全集そのものがながらく推薦盤として定評があった。

【ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」&6番「田園」イッセルシュテット】

イッセルシュテット

こうやって書いてくるとどんどんと際限なく拡散してしまう。あたりまえだが世に名盤は数多いし、あくまでも相対的なものだ。また、時々の自分の視聴体験や加齢によっても大きな影響をうける。よって、気に入った番数をいろんな演奏で聴いてみて、これが一番合うなと思ったら、全集で揃えるというのがやはり定石ということかも知れない。

さて、いまの小生の場合は、トスカニーニ(新盤)を第一とするが、録音の古さが気になるなら、この路線をかなり忠実に踏襲していると思われるバーンスタイン/ニューヨーク・フィルがコスト・パーフォーマンスからも良いと思う。しかし、馥郁たるウィーン的な響きで味わいたければ、ウィーン・フィルを振ったイッセルシュテットかベームがお奨めと思う。

金曜日, 9月 27, 2013

バーンスタイン ベートーヴェン 交響曲全集


Leonard Bernstein-Beethoven Symphonies
 
最近、ベートーヴェンの全集がこれでもかといった勢いでマーケットにでている。交響曲に関しても、3000円位を基準に前後で実に多様な選択肢が用意されており、今日リスナーはまことに贅沢な悩みをかかえていると言えよう。

 

交響曲に関して小生は、一貫してトスカニーニの新盤を座右の友としている。
 
【Beethoven: The 9 Symphonies [Box set, CD, Import]】 http://www.amazon.co.jp/Beethoven-The-Symphonies-Ludwig-van/dp/B0000CNTLU/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1380347425&sr=1-1&keywords=%E3%83%88%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%8B+%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3 

 

しかし、自分が親しんできたのは、フルトヴェングラーを別格とすれば、やはりカラヤン/ベルリン・フィルであり、ベーム/ウィーン・フィルであった。
 
【Symphony Edition [Box set, Import]】
 
 
【Collectors Edition: Symphonies Nos. 1-9/5 Overture [Box set, CD, Collector's Edition, Import]
 
 この組み合わせでベートーヴェンを、カラヤンは1970年に大阪で、ベームは1975年に東京でいずれもライヴで聞くことができた。さて、196070年代の3大巨匠といえば、これにバーンスタイン/ニューヨーク・フィルが加わっていた。バーンスタインも1970年の来日ライヴに接することができたが、演目はマーラーの9番だった。

 

 さて、そのバーンスタインの交響曲全集を以下のボックス・セットで入手した。
 
【Scoprire Beethoven-I Capolavori [Import]】

 

これはコストパーフォーマンスからみて「掘り出し物」といってよい充実したラインナップで、協奏曲集も弦楽四重奏曲集もピアノ・ソナタ集もいずれも大いに楽しめるが、改めてバーンスタインを聴いて、やはり3大巨匠の名にふさわしいと今更ながらに思った。
 

 カラヤンには、多くのリスナーを説き伏せるような「カラヤン流儀」といったものがあり、ベームにはメトロノームを内在したような堂々としたテンポ設定で、リスナーはじっくりと安心して身を委ねられるような安定感がある。 
 対して、バーンスタインのベートーヴェンの特色は、ダイナミックながらすっきりとした解釈にあり、意外にも過不足なく標準的な印象もある。しかし、全体を通じて解釈の一貫性があり、どの曲を聴いても爽やかな聴後感があるのはやはり只者ではない。けれんみなく素直な解釈によって、ベートーヴェンの素材をもっとも生(き)のままに味わうことができるように思う。良い意味で機能主義的なニューヨーク・フィルもいい。ここには、ベルリン・フィルにみるドイツ本流の、とかウィーン・フィルにみる伝統の誇り高きといったブランドイメージはなく、かわってベートーヴェンという名の偉大なコスモポリタニズムを感じさせる。これこそ、意図してバーンスタインが念頭においていたことであり、かつそのお手本は、トスカニーニにあり!ということかも知れない。
 
【Leonard Bernstein-Beethoven Symphonies [Box set, CD, Import]】

日曜日, 9月 22, 2013

クナッパーツブッシュ ブルックナー




ハンス・クナッパーツブッシュ・RIASコンプリート・レコーディングス(1950-1952)
KNAPPERTSBUSCH, Hans: RIAS Recordings (Complete)

アントン・ブルックナー - Anton Bruckner (1824-1896)

交響曲第9番 ニ短調 WAB 109 (1903年版/F. ロウ校訂版)  55:46
Symphony No. 9 in D Minor, WAB 109 (1903 edition, ed. F. Lowe)
この作品のURL
http://ml.naxos.jp/work/793619
»  I. Feierlich, misterioso 22:31                 
»  II. Scherzo: Bewegt, lebhaft 11:13           
»  III. Adagio: Langsam feierlich 22:02   

アントン・ブルックナー - Anton Bruckner (1824-1896)

交響曲第9番 ニ短調 WAB 109 57:18
Symphony No. 9 in D Minor, WAB 109 (original 1894 version, ed. L. Nowak)
この作品のURL
http://ml.naxos.jp/work/1120219
»  I. Feierlich, misterioso 22:33                   
»  II. Scherzo: Bewegt, lebhaft 11:20              
»  III. Adagio: Langsam feierlich 23:25                            
 

アントン・ブルックナー - Anton Bruckner (1824-1896)

交響曲第8番 ハ短調 WAB 108 (1892版) 78:38
Symphony No. 8 in C Minor, WAB 108 (1892 version)
この作品のURL
http://ml.naxos.jp/work/1120209
»  I. Allegro moderato 15:05           
»  II. Scherzo: Allegro moderato - Langsam 14:03 
»  III. Adagio: Feierlich langsam, doch nicht schleppend 26:55
»  IV. Finale: Feierlich, nicht schnell 22:35 
Orchestral Music - BRUCKNER, A. / WAGNER, R. (Hans Knappertsbusch conducts) (Knappertsbusch) (1944-1959)

アントン・ブルックナー - Anton Bruckner (1824-1896)               

 交響曲第3番 ニ短調 WAB 103 (1890年版) 45:07
Symphony No. 3 in D Minor, WAB 103 (1890 version, ed. T. Raettig)
    録音: 11 October 1954, Munich
    この作品のURL
    http://ml.naxos.jp/work/2142035
    »  I. Massig bewegt 18:00
    »  II. Adagio, (etwas bewegt) quasi andante 12:29
    »  III. Scherzo: Ziemlich schnell 00:59
    »  IV. Finale: Allegro 13:03
    »  Applause 00:36
     
     BRUCKNER, A.: Symphony No. 3 (1889 version) (Vienna Philharmonic, Knappertsbusch) (1954)
    アントン・ブルックナー - Anton Bruckner (1824-1896)               

     交響曲第3番 ニ短調 WAB 103 (1890年T. Raettig版) 53:32
    Symphony No. 3 in D Minor, WAB 103 (1890 version, ed. T. Raettig)
      録音: April 1954, Vienna
      この作品のURL
      http://ml.naxos.jp/work/778523
      »  I. Gemassigt, mehr bewegt, misterioso 19:02
      »  II. Adagio. Bewegt, quasi andante 14:01
      »  III. Scherzo: Ziemlich schnell 07:17
      »  IV. Finale: Allegro     13:12      
       
      BRUCKNER, A.: Symphonies Nos. 4 and 7 (Knappertsbusch: Maestro energico) (1944, 1949)
          アントン・ブルックナー - Anton Bruckner (1824-1896)                 
      交響曲第4番 変ホ長調 WAB 104 「ロマンティック」(1888年版) 59:49
      Symphony No. 4 in E-Flat Major, WAB 104, "Romantic" (1888 version, rev. F. Loewe, ed. A. Gutmann)
        録音: 08 September 1944
        この作品のURL
        http://ml.naxos.jp/work/2630544
        »  I. Ruhig Bewegt - Allegro molto moderato 17:57  
        »  II. Andante quasi allegretto 15:03
        »  III. Scherzo: Bewegt 09:22
        »  IV. Finale: Bewegt, doch nicht zu schnell 17:27
        BRUCKNER, A.: Symphony No. 5 / BRAHMS, J.: Tragic Overture (Knappertsbusch) (1959, 1963)

        アントン・ブルックナー - Anton Bruckner (1824-1896)               

         交響曲第5番 変ロ長調 WAB 105 62:41
        Symphony No. 5 in B-Flat Major, WAB 105
          録音: 19 March 1959
          この作品のURL
          http://ml.naxos.jp/work/3019536
          »  I. Adagio - Allegro 19:13
          »  II. Adagio 14:07
          »  III. Scherzo: Molto vivace 10:47
          »  IV. Finale: Adagio - Allegro moderato 18:34


          アントン・ブルックナー - Anton Bruckner (1824-1896)              

           交響曲第7番 ホ長調 WAB 107 (1885年版) 62:17
          Symphony No. 7 in E Major, WAB 107 (modified 1885 version, ed. A. Gutmann)
            録音: 30 August 1949, Salzburg Festival, Austria
            この作品のURL
            http://ml.naxos.jp/work/2142088
            »  I. Allegro moderato 19:59
            »  II. Adagio. Sehr feierlich und sehr langsam 19:59
            »  III. Scherzo: Sehr schnell 09:37
            »  IV. Finale: Bewegt, doch nicht schnell 12:30
            »  Applause 00:12


            BEETHOVEN, L. van: Symphony No. 3, "Eroica" / Leonore Overture No. 3 / BRUCKNER, A.: Symphony No. 8 (Vienna Symphony, Knappertsbusch) (1961)

            アントン・ブルックナー - Anton Bruckner (1824-1896)               

             交響曲第8番 ハ短調 WAB 108 (1890年版) 78:15
            Symphony No. 8 in C Minor, WAB 108 (1892 version)
              録音: 1961, Vienna, Austria
              この作品のURL
              http://ml.naxos.jp/work/2390603
              »  I. Allegro moderato 14:43
              »  II. Scherzo: Allegro moderato 14:08
              »  III. Adagio: Feierlich langsam, doch nicht schleppend 25:07
              »  IV. Finale: Feierlich, nicht schnell 24:17

              BRUCKNER, A.: Symphonies Nos. 8 (1892 version)  and 9 (1903 edition, ed. F. Lowe) (Knappertsbusch) (1950, 1961)

              アントン・ブルックナー - Anton Bruckner (1824-1896)              

               交響曲第8番 ハ短調 WAB 108 (1890年版) 81:24
              Symphony No. 8 in C Minor, WAB 108 (1892 version)
                録音: 29 October 1961
                この作品のURL
                http://ml.naxos.jp/work/2306893
                »  I. Allegro moderato 15:24
                »  II. Scherzo: Allegro moderato 14:42
                »  III. Adagio: Feierlich langsam, doch nicht schleppend 26:09
                »  IV. Finale: Feierlich, nicht schnell 25:09

                 
                 
                アントン・ブルックナー - Anton Bruckner (1824-1896)               

                 交響曲第8番 ハ短調 WAB 108 (1892年版) 77:07
                Symphony No. 8 in C Minor, WAB 108 (1892 version)
                  録音: 8 January 1951
                  この作品のURL
                  http://ml.naxos.jp/work/2142089
                  »  I. Allegro moderato 14:31
                  »  II. Scherzo: Allegro moderato 13:43
                  »  III. Adagio: Feierlich langsam, doch nicht schleppend 26:34
                  »  IV. Finale: Feierlich, nicht schnell 22:19

                  http://ml.naxos.jp/composer/27107
                   

                  ヨッフム ブルックナー 



                  以下はすべて引用。ヨッフムの2つの全集以外の録音を中心に。

                   

                  アントン・ブルックナー  (1824-1896)                                  

                  交響曲第3番 ニ短調 WAB 103 (1890年T. Raettig版) http://ml.naxos.jp/work/778610
                  Symphony No. 3 in D Minor, WAB 103 (1890 version, ed. T. Raettig)
                  »  I. Massig bewegt 20:17                        
                  »  II. Adagio (etwas beweg) quasi Andante 17:24  
                  »  III. Scherzo: Ziemlich schnell 06:59
                  »  IV. Finale: Allegro 10:57 
                     
                    HMV レビュー
                  ヨッフム気力体力充実のスウェーデン・ライヴ
                  ブルックナー『ロマンティック』!

                  ヨッフム&スウェーデン放送響の初ディスクです。1975年というと、座って指揮するようになった最晩年の枯淡と壮年期の馬力に満ちた動的アプローチの丁度中間期に当たります。しっとりとした味わいに加え、若き日の劇性をも兼ね備えた非の打ちどころのない演奏と申せましょう。ブルックナーの名作の中でも穏当に過ぎるとも見られるこの曲にはピッタリな表現方法とも言えましょう。勿論『ロマンティック』は巨匠の愛奏曲でしたが、ライヴとなるとコンセルトヘボウとの同年のものだけです。澄み切ったスウェーデン放送響の音色は、フランスともロシアともイギリスとも違いますが、どちらかというと機能美を誇るドイツの放送オーケストラに近い、明快さと機敏さに溢れた近代的なものと言えましょう。
                   英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付。(TOBU)

                  【収録情報】
                  ・ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調 WAB.104『ロマンティック』
                   第1楽章[17:56] 第2楽章[16:08] 第3楽章[10:24] 第4楽章[20:01]

                   スウェーデン放送交響楽団
                   オイゲン・ヨッフム(指揮)

                   録音時期:1975年2月23日
                   録音場所:ストックホルム・コンサートホール
                   録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
                  HMV レビュー

                  ヨッフムの『ロマンティック』大ステレオLive!
                  油ののりきっているヨッフムの劇的ライヴ演奏! 旧TAH440より。(キングインターナショナル)

                  【収録情報】
                  ・ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』
                   アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
                   オイゲン・ヨッフム(指揮)

                   録音時期:1975年1月16日
                   録音方式:ステレオ(ライヴ)
                   
                  ブルックナー:交響曲第5番

                  HMV レビュー

                   
                  オイゲン・ヨッフム至高の遺産
                  ブルックナー:交響曲第5番(コンセルトヘボウ、1986年)

                  初回限定盤

                  巨匠ヨッフム生誕110年&没後25年記念企画。
                  待望の復活、ヨッフム畢生の名演!アムステルダムにおけるラスト・コンサートの記録。
                  「オットーボイレンの修道院でライヴ録音されたフィリップス盤をもしのぐ感動的な名演」小石忠男
                  「ヨッフムのブルックナーの集大成と言っても過言ではなかろう」宇野功芳(キングレコード)

                  【収録情報】
                  ・ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調(ノーヴァク1878年版)

                   アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
                   オイゲン・ヨッフム(指揮)

                   録音時期:1986年12月4日
                   録音場所:アムステルダム、コンセルトヘボウ
                   録音方式:ステレオ(アナログ/ライヴ)
                   原盤:Tahra(現在廃盤)
                   
                   
                   ブラームス:交響曲第1番、ブルックナー:交響曲第7番、他 ヨッフム&フランス国立管弦楽団(2CD)

                  HMV レビュー

                  ヨッフム&フランス国立管ライヴ
                  ブラームス、ブルックナー、ワーグナー

                  晩年の演奏会はすべて成功だったと伝えられるヨッフムですが、フランスでのものも例外ではなく、このアルバムでも様々な意味で熟達した指揮ぶりが堪能できる点で、実に素晴らしい内容が示されていて貴重。

                   特にブラームスは凄い盛り上がりを見せる熱演となっており、終演後の聴衆の興奮もかなりのもの。ブルックナーではオーケストラの習熟度不足もあってか一部に瑕疵があったりするものの、それでもヨッフムの語り口のうまさは十分に感じられます。

                   フランス国立放送によって収録された正規音源を使用しているため、3曲共にたいへんクリアーなステレオ・サウンドとなっているのもありがたいところ。リリースするのはフランス国内の放送音源を一手に引き受けて管理するINAです。

                   なお、実際のコンサートでは、「前奏曲と愛の死」はブルックナーの前プロとして演奏されていました。

                  CD1
                  ・ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB107
                   録音:1980年2月8日(ステレオ)
                  CD2
                  ・ブラームス:交響曲第1番ハ短調 Op.68
                   録音:1982年5月14日(ステレオ)
                  ・ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』~「前奏曲と愛の死」
                   録音:1980年2月8日(ステレオ)

                   フランス国立管弦楽団
                   オイゲン・ヨッフム(指揮)
                   
                  ブルックナー:交響曲第7番、モーツァルト:交響曲第33番 (Jochum / Bruckner : Symphony No.7, Mozart : Symphony No.33) [2 SACD]
                   
                  オイゲン・ヨッフム (指揮)
                  アムステルダム・コンセルトヘボウ (ロイヤル・コンセルトヘボウ) 管弦楽団
                  録音:1986年9月17日/昭和女子音楽大学 人見記念講堂における実況録音


                   
                   

                  HMV レビュー

                  ブルックナー:交響曲第8番
                  オイゲン・ヨッフム指揮バンベルク交響楽団
                  ブルックナーのスペシャリストとして高名な大指揮者、オイゲン・ヨッフム晩年のライヴ録音のCD化。1982年9月15日、東京での公演を収録したもので、オーケストラは、ヨッフムと関係の深かったバンベルク交響楽団。その滋味豊かな音色は、ブルックナーの音楽にふさわしい性質のものと言え、アダージョなど素晴らしい聴きものとなっています。

                   特筆すべきはその音質。マスターテープの状態が良好だったことに加えて、入念過ぎるほどに入念なリマスターを施したおかげで、バンベルク交響楽団の真の実力がいかに優れたものだったかよく伝えてくれるのが嬉しいところです。迫力満点のティンパニや低弦など、当日のコンサートを実際に聴いた人間をも驚かせる仕上がりで、この作品に必須の重厚な感触が実に魅力的に再現されています。
                   
                   

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                  ヨッフム/ブルックナー:交響曲第8番、他(2CD)

                  ブルックナー8番とドヴォルザークのチェロ協奏曲のカップリング。

                   ヨッフムはブルックナーの8番を、この演奏の4ヶ月前にハンブルクでドイツ・グラモフォンのためにセッション録音していますが、当時の原典版はハース版しかなかったということで、どちらもハース版を使用しています。

                   興味深いのは、この二つの演奏が、ほぼ同じ時期のものであるにも関わらず、トータル・タイムが約4分も違っているという点。実演ならではの感興の盛り上がりがテンポを速めたのか、それとも解釈が変わったのかは定かではありませんが、気になるところではあります。

                   ヘッセン
                   14:11+13:55+28:50+21:32=78:28
                   ハンブルク
                   15:06+13:56+30:36+23:01=82:39

                  ヨッフムの8番にはほかに、1964年ベルリン・フィル(DG)、1976年ドレスデン・シュターツカペレ(EMI)、1982年バンベルク響(ALTUS)、1984年アムステルダム・コンセルトヘボウ(Tahra)がありますが、それらは新原典版刊行後の演奏のため、すべてノヴァーク版を使用しています。

                   組み合わせのドヴォルザークは、往年の名チェリスト、エンリコ・マイナルディとの共演。同じころにマイナルディはフリッツ・レーマン指揮ベルリン・フィルと、ドイツ・グラモフォンのためにこの作品をセッション録音していますが、今回登場する音源は、放送用ライヴ録音で、共演者は、ヨッフム指揮バイエルン放送響という顔ぶれ。

                   ヨッフムのドヴォルザーク録音は少なく、これまでベルリン・フィルを指揮したクーレンカンプとのヴァイオリン協奏曲(TELDEC)しか知られていなかったので、ヨッフムの意外なレパートリーを楽しめるという点からも今回のリリースは注目されるところです。

                  ・ブルックナー:交響曲第8番ハ短調(ハース版)
                   ヘッセン放送交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)
                   オイゲン・ヨッフム(指揮)
                   録音:1949年5月30日(ライヴ、モノラル) 

                  ☛ ヨッフム ブルックナー
                   http://shokkou3.blogspot.com/2019/01/blog-post.html  も参照

                  土曜日, 9月 21, 2013

                  べーム ブルックナー 4番、5番(1936年録音)

                  Symphonies No. 4 & 5



                   ベームのブルックナーはウィーン・フィルとのコンビで、正規録音として3,4,7,8番、ライヴでもバイエルン放送響盤など聴くことができる。以下はいずれも1936年の録音。当時、ベームは40才、ドレスデン(ザクセン)国立歌劇場の総監督であり本盤はその時代の成果のひとつ。録音の古さは致し方なくはじめの印象は蚊のなくようなレベル。しかし、演奏そのものに集中するとなかなか味のある佳演であることがわかる。

                  4番については、197311月収録のウィーン・フィル盤 と同じくテンポの安定した荘厳な装いと良く制御されたオーケストラの緊張感ある臨場を看取できる。

                  5番について、後年の演奏や他番にくらべると、第2、3楽章などでテンポをやや可変的にとり、厳しいオーケストラ統制を緩めていると感じる部分もあるが、基本はかわらず全体構成はいかにもべームらしく堅固。かつ弦と管のバランスがよく強奏でも乱れはない。終楽章も充実しており、1970年代前後のライヴ盤があれば是非良い録音で聴いてみたいと思うだろう。

                  両番とも演奏は立派だが、ブルックナー&ベーム・ファン向けの歴史的音源。


                  Bohm Conducts: Symphony 4 Romatic
                   
                  Symphony 5



                  (参考)ウィーン・フィル盤
                   

                   
                   

                  火曜日, 9月 17, 2013

                  べーム 注目5点

                  ブラームス:交響曲第2番/レーガー:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ
                  http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC2%E7%95%AA-%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88%E3%81%AE%E4%B8%BB%E9%A1%8C%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E5%A4%89%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E3%81%A8%E3%83%95%E3%83%BC%E3%82%AC-%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%A0-%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/B00DY9X02E/ref=sr_1_8?s=music&ie=UTF8&qid=1379433186&sr=1-8

                  R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
                  http://www.amazon.co.jp/R-%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%B9-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E8%A9%A9%E3%80%8C%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%A9%E3%83%88%E3%82%A5%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%81%AF%E3%81%8B%E3%81%8F%E8%AA%9E%E3%82%8A%E3%81%8D%E3%80%8D%E3%80%81%E3%80%8C%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%84%89%E5%BF%AB%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%9A%E3%82%89%E3%80%8D-%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%A0-%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/B00DY9X3P8/ref=sr_1_2?s=music&ie=UTF8&qid=1379433186&sr=1-2

                  シューベルト:交響曲第8番「未完成」&第9番「ザ・グレイト」
                  http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC8%E7%95%AA%E3%80%8C%E6%9C%AA%E5%AE%8C%E6%88%90%E3%80%8D-%E7%AC%AC9%E7%95%AA%E3%80%8C%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%88%E3%80%8D-%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%A0-%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/B00DY9X29A/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1379433320&sr=1-1

                  カール・ベーム指揮 ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
                  http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%A0%E6%8C%87%E6%8F%AE-%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC9%E7%95%AA%E3%80%8C%E5%90%88%E5%94%B1%E3%80%8D-%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%A0/dp/B00EZG6RSE/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1379433307&sr=1-1

                  OPERA - RICHARD STRAUSS: DER ROSENKAVALIER(3CD) リヒャルト・シュトラウス作曲 オペラ「ばらの騎士」
                  http://www.amazon.co.jp/OPERA-RICHARD-ROSENKAVALIER-%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%B9%E4%BD%9C%E6%9B%B2-%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%A9%E3%80%8C%E3%81%B0%E3%82%89%E3%81%AE%E9%A8%8E%E5%A3%AB%E3%80%8D/dp/B002DXU566/ref=sr_1_3?s=music&ie=UTF8&qid=1379433395&sr=1-3

                  土曜日, 9月 14, 2013

                  オペレッタの魅力 名盤5点  R. Strauss:Operettas





                  喜歌劇《こうもり》全3 Die Flerdermaus


                  アイゼンシュタイン: ニコライ・ゲッダ(T)
                  ロザリンデ: アンネリーゼ・ローテンベルガー(S)
                  アデーレ: レナーテ・ホルム (S)
                  オルロフスキー公: ブリギッテ・ファスベンダー(Ms)
                  アルフレート: アドルフ・ダッラポッツァ(T)
                  ファルケ氏: ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Br)
                  フランク: ヴァルター・ベリー(Br)
                  イーダ: ゼンタ・ヴェングラーフ(S)
                  フロッシュ: オットー・シェンク(語り)
                  ブリント: ユルゲン・フェースター(T)
                  イヴァン: ゲアト・W.ディーベリッツ(Br)

                  合唱: ウィーン・フォルクスオーパー合唱団
                  演奏: ウィーン交響楽団
                  指揮: ヴィリ・ボスコフスキー
                  録音: 197111月、12 シュヴェヒ・ホーフ (ウィーン


                  喜歌劇《ジプシー男爵》全3幕  Der Zigeunerbaron

                  ペーター・ホモナイ伯爵: ヘルマン・プライ(Br)
                  カルネロ伯爵: ヴォルフガング・アンハイサー(Br)
                  シャーンドル・バリンカイ: ニコライ・ゲッダ(T)
                  カールマーン・チュパーン: クルト・ベーメ(B)
                  アルゼナ: リタ・シュトライヒ(S)
                  ミラベッラ: ギーゼラ・リッツ(MS)
                  オットカル: イッリ・ブロクマイアー(T)
                  ツィプラ: ビゼルカ・ツヴェイッチ(B)
                  ザッフィ: グレイス・バンブリー(S)

                  合唱: バイエルン州立歌劇場合唱団
                  合唱指揮: ヴォルフガング・バウムガート
                  管弦楽: バイエルン州立歌劇場管弦楽団
                  指揮: フランツ・アレルス
                  録音: 196975-14 ビュルガーブラウ (ミュンヘン)


                  喜歌劇《ウィーン気質》全3  Wiener Blut

                  ヘルガ シュラム Spoken Vocals
                  Karin Stranig (Spoken Vocals
                  ニコライ ゲッダ (テノール)
                  クラウス ヒルト (バリトン)
                  アンネリーゼ ローテンベルガー(ソプラノ)
                  レナーテ ホルム (ソプラノ)
                  ハンス プッツ (バスバリトン)
                  ガブリエレ フックス (ソプラノ)
                  ハインツ ツェドニック (テノール)

                  合唱: ケルン歌劇場合唱団ほか
                  管弦楽: フィルハーモニア フンガリカ
                  指揮: ヴィリー ボスコフスキー
                  録音: 19762
                  会場: フェストシュピーレ



                  喜歌劇《ヴェネツィアの一夜》全3幕  Eine Nacht in Venedig

                  グイド: ニコライ・ゲッダ(T)
                  バルトロメオ・デラックワ: クリスティアン・オッペルベルク(Br)
                  ステーファノ・バルバルッチョ: フランツ・ヴァイス(語り)
                  ジョルジョ・テスタッチョ: テーオ・ニコライ(B)
                  バルバラ: マージョリー・ハイスターマン(S)
                  アグリコーラ: ギーゼラ・リッツ(MS)
                  コンスタンティア: アンネリーゼ・ローテンベルガー(S)
                  アンニーナ: リタ・シュトライヒ(S)
                  カラメッロ: チェーザレ・クルツィ(T)
                  パッパコーダ: ハンス・ギュンター・グリム(B)
                  チボレッタ: クリスティーネ・ゲルナー(S)
                  エンリーコ・ピゼッリ: ヘルマン・プライ(Br)

                  合唱: バイエルン放送合唱団
                  合唱指揮: ヴォルフガング・シューベルト
                  管弦楽: グラウンケ交響楽団
                  指揮: フランツ・アレルス
                  録音: 1968


                  喜歌劇《シンプリツィウス》全3幕  Simplicius

                  隠遁者: ミヒャエル・フォッレ (B)
                  シンプリツィウス: マルティン・ツィセット(T)
                  フリーセン将軍: ロルフ・ハウンシュタイン (B)
                  ヒルデガルト: エリザベス・マグナソン(S)
                  アルミン: ピョートル・ベチャワ(T)
                  メルキオール: オリヴァー・ヴィトマー (Br)
                  シャナップスロッテ: ルイーゼ・マルティニ (語り)

                  合唱:チューリッヒ歌劇場合唱団
                  管弦楽: チューリヒ歌劇場管弦楽団
                  指揮: フランツ ・ ウェルザー = メスト
                  録音: 1999 11 月、ライヴ/ チューリッヒ ・ オペラ ・ ハウス



                  http://www.omm.de/veranstaltungen/musiktheater/MS-simplicius-simplicissimus.html


                   ヨハン・シュトラウスのオペレッタ集。「こうもり」、「ジプシー男爵」、「ウィーン気質」、「ヴェネツィアの一夜」、「シンプリツィウス」の5演目が楽しめる。

                   歌手陣がすごい。小生はアンネリーゼ・ローテンベルガーのファンだが、3演目にでている。男声では、フィッシャー=ディースカウ、ヴァルター・ベリー、ニコライ・ゲッダ、ヘルマン・プライらの煌くような布陣。

                   指揮は、ヴィリ・ボスコフスキー、フランツ・アレルスが2演目ずつ、「シンプリツィウス」のみ比較的新しい録音でウェルザー = メストが振っている。