日曜日, 2月 26, 2012

チェコ・フィルの「新世界から」


オーケストラ: Czech Philharmonic Orchestra, チェコ・フィル

指揮: Jiri Belohlavek, イルジー・ビェロフラーヴェク

作曲: Antonin Dvorak, ドヴォルザーク

CD (2002/5/23)
         
演奏: チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮: アシュケナージ(ウラディーミル)
作曲: ドヴォルザーク
CD (2008/6/25)


演奏: チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮: 小林研一郎
作曲: ドヴォルザーク
CD (2008/9/24)


演奏: チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮: マーツァル(ズデニェク)
作曲: ドヴォルザーク, ブラームス
CD (2011/2/23)

演奏: チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮: クーベリック(ラファエル)
作曲: ドヴォルザーク, モーツァルト
CD (2002/6/21)




演奏: チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

指揮: アンチェル(カレル)

作曲: ドヴォルザーク

CD (2003/3/26)




演奏: チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

指揮: ノイマン(ヴァーツラフ), コシュラー(ズデニェク)

作曲: ドヴォルザーク

CD (2003/7/23)

久しぶりにCDラックから取り出して聴く。チェコ・フィルという楽団は、この曲に関する限り、他の追随を許さぬ絶対の自信をもっていると感じる。本盤以前、チェコ・フィルでは、カレル・アンチェルの名盤があり、また、その後クーベリックの熱き演奏にも心は躍った。本盤が世にでた直後、アンチェル盤の盛名はなお高かったが、いまや本盤の評価は揺らがぬものとなっている。
1974628日東京(都民劇場)で、この組み合わせによって、「モルダウ」、「タラス・ブリーバ」そして本曲を聴いた。陶酔の時間といってよい見事な演奏だった。

ノイマンの指揮の「先生」は、同じヴァツラフの名をもつターリッヒであり、ノイマンはチェコ・フィルでヴィオラ奏者になる一方、結成直後のスメタナ弦楽四重奏団にも加わった。しかも、その3年後、クーベリック急病で指揮を代演。その成功によってチェコ・フィルの首席指揮者に抜擢される。弱冠28才であった。その20年後の1968年に再び、同団の首席指揮者に就任するが、それ以前はコンビチュニーの後任としてゲヴァントハウスの楽長を務めていたのだから、その力量は同時代でも群を抜いていたことがわかる。
ノイマンの特質は、全体に安定したテンポのもと、弱音部の弦楽器の清澄な美しさにあり、かつ木管楽器との得も言われぬ融合感にある。過度なダイナミズムを抑制しつつ、柔軟でシルキーな音色は形容しがたい深い美音である。この特質は、マーラーの交響曲全集でも、出色のブルックナー交響曲1番でも共通する。
ノイマンは、同団出身の名ヴィオラ奏者であり、同団の良さを熟知している。本曲に関する「最強」の組み合わせであり、同団の美点をあますところなく表出している。30年前の録音ながら、いまだ第一等の位置にあると思う。

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