日曜日, 4月 10, 2022

東京 春の音楽祭 2022 マーラー:交響曲第3番を聴く  









難曲のマーラーの第3シンフォニー、都響はとても良い演奏であったと思うし、清水華澄さんの独唱も落ち着いていて、表情豊かで好感をもった。合唱の巧さはいつもどおり。その響きには統一感と潤いがある。合唱指揮者のご苦労にもエールを贈りたい。

都響は”ふだん”のN響よりも、はるかに緊張感と意欲をもった臨場で、ソディの明解な曲づくりとよく呼応し、勝負どころの第1楽章の吹奏楽の目いっぱいの競演も無難にこなしていた。

全6楽章のメリハリの付け方の巧さは、オペラ指揮者として十分な経験をふんだソディならではと思わせた。第1楽章:打楽器と吹奏楽のお披露目、第2楽章:弦楽器によるメローディアスな艶やかさの表出、第3楽章:両者の特質をいかした管弦楽の融合感、第4楽章:声楽(メゾ・ソプラノ)を加えたさらなる音楽的な結合、第5楽章:以上に合唱を付加したマーラーの独自世界への展開、終楽章:のちの第9番の終楽章を連想させる爛熟した交響楽への昇華への試み…といった解釈を感じながら聴き終えた。ソディという逸材を知ることができた貴重な機会となった。

ソディ&都響、是非ディスクを世に問うてほしい。米国動向との比較において、日本でもこうした取り組みが行われていることに心から敬意を表したい。

(参考1)

Amazon | メシアン: トゥーランガリラ交響曲 | アレクサンダー・ソディ, マンハイム国立劇場管弦楽団 

(参考2)

織工Ⅲ: アメリカ 5大オケ 名盤探訪 総括 (shokkou3.blogspot.com)


(参考3)

織工Ⅲ: 東京 春の音楽祭 2022 ローエングリンを聴く   Wagner: Lohengrin (shokkou3.blogspot.com)

織工Ⅲ: もうすぐ 東京・春・音楽祭 -東京のオペラの森 2015- (shokkou3.blogspot.com)

織工Ⅲ: 東京春の音楽祭 マイスタージンガー (shokkou3.blogspot.com)

織工Ⅲ: 上野でタンホイザーを聴く 東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2012- (shokkou3.blogspot.com)


【以下は引用】

 マーラー:交響曲 第3番

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