http://www.amazon.co.jp/The-Hungarian-Masters-Georg-Solti/dp/B004J4RQFK/ref=cm_cr-mr-img
今日は一日中、上記のショルティ/ロンドン・フィルによるバルトーク、コダーイ集を聴いていた。収録されている各曲は以下のとおり。
◆バルトーク:舞踏組曲(1952年録音)
1923年ブダペスト市制50周年記念のために作曲された祝祭的作品。ストラヴィンスキーを連想させるような鋭いリズムの打ち降しとどこか懐かしい素朴なフォークロアの見事な融合をショルティは生き生きと活写している。
◆バルトーク:弦楽器
打楽器とチェレスタのための音楽(1955年録音)
第1楽章の半音階的な主題は不気味な、底知れぬ不安をかきたて、第2楽章のピアノの特色のある打鍵と弦の跳ねるような追尾(バルトーク・ピッツィカート)はとても躍動的。第3楽章の拍子木による幕開けの後は第1楽章の不安が再来しサイコ・ストーリーのバックにぴったりの曲が展開され、終楽章は民族的なメロディと強いリズミックな音感が綾を成し壮大なクライマックスにいたる。ショルティの演奏は以上の過程を整然かつ濃厚に描いており秀でたもの。
http://www.amazon.co.jp/Kodaly-Z-Strings-Percussion-Celesta/dp/B005LE5PJG/ref=cm_cr-mr-title
◆コダーイ:組曲『ハーリ・ヤーノシュ』(1955年録音)
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◆コダーイ:組曲『ハーリ・ヤーノシュ』(1955年録音)
「プレリュード」の音楽的冗談<くしゃみ>の絶妙な表現、聴かせどころ第2曲「ウィーンの音楽時計」の無類の楽しさ、第4曲「戦争とナポレオンの敗北」にみる大胆なウイッティさ、第3曲「歌」、第5曲「間奏曲」でのやるせない民謡への郷愁、終曲「皇帝と廷臣たちの入場」の最高潮への誘導、ショルティの演奏は完璧という言葉を連想させるにたる周到な出来映え。
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◆コダーイ:ガランタ舞曲(1952年録音)
1933年ブダペスト・フィル創立80周年記念のため作品された曲。ジプシーのメロディが多用され、哀愁もあるがエネルギーにも満ちた、かつ管弦楽の能力を最大限引き出すようなこの曲をショルティは自信をもって堂々と仕上げている。
◆コダーイ:ハンガリー民謡『孔雀』による変奏曲(1954年録音)
第2次世界大戦が勃発した1939年に、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団創立50周年記念のために作曲された曲。『孔雀』は正確には「孔雀は飛んだ」という民謡で、マジャール人のオスマン帝国支配下での自由への情熱を意味し、当時のファシズムに対しての抵抗がこめられていた。ショルティは晩年、世界平和への音楽での貢献を企図するが、そのいわば<表象>ともなった曲で、この頃から重要な「持ち駒」であった。切れ味のよい色彩感に富む演奏である。
◆コダーイ:ハンガリーの詩篇<英語歌唱>(1954年録音)
ウィリアム・マカルパイン(テノール)、ロンドン・フィルハーモニー合唱団1923年ブダペスト市制50周年記念のために作曲された曲。16世紀の詩篇(ハンガリー語訳)がベースで、ハンガリー革命後の反動にあたって、革命派だったコダーイの思いをこの詩篇の歌詞によって表現しているといわれる。ショルティは、ここでも同国人の気概をもって集中力ある名演に仕上げている。
なお、ヤーノシュ・クルカ/北西ドイツ・フィルによるリスト集<ハンガリー狂詩曲第6番『ペシュトの謝肉祭』、レーナウの『ファウスト』による2つのエピソード(夜の行列/村の居酒屋での踊り)、交響詩『フン族の戦い』>(1982年録音)がCD1に所収されている。
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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3
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なお、ショルティのハンガリーものでは最近の録音集にも注目。以下はHMVからの引用。
【HMV レビュー】
ショルティ・コンダクツ・バルトーク(7CD)
―ショルティ誕生100年記念 ショルティ&デッカ専属契約50周年
68ページ・ブックレット(トラックリスト&歌詞&レアな写真入り)―
オーケストラの機能性と各楽器、各楽器群の音色の魅力を最大限に引き出した『管弦楽のための協奏曲』、民族色が強く打ち出された『舞踊組曲』、大胆な不協和音が全体を支配する『中国の不思議な役人』。バルトークとコダーイの色彩感豊かな作品は、ショルティによって徹底的に整理され完璧なオーケストレーション・バランスで演奏されています。
アシュケナージ, チョン・キョンファとの協奏曲や、1950年代のロンドン・フィルとの初期バルトーク録音も収録。(ユニバーサルIMS)
(収録情報)
【CD1-CD5】
バルトーク:
1. 管弦楽のための協奏曲
Sz.116
2. 舞踏組曲 Sz.77
3. 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 Sz.106
4. 組曲『中国の不思議な役人』
Op.19, Sz.73
5. ディヴェルティメント
Sz.113
6. ハンガリーの風景
Sz.97
7. ルーマニア民俗舞曲
Sz.68
8. カンタータ・プロファーナ『魔法にかけられた鹿』 Sz.94
9. ピアノ協奏曲第1番 Sz.83
10. ピアノ協奏曲第2番 Sz.95
11. ピアノ協奏曲第3番 Sz.119
12. ヴァイオリン協奏曲第1番 Sz.36
13. ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112
14. 歌劇『青ひげ公の城』全曲
Op.11, Sz.48
シカゴ交響楽団(1-7,12)
ブダペスト祝祭管弦楽団(8)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(9-11,13,14)
ヴラディーミル・アシュケナージ(ピアノ:9-11)
チョン・キョンファ(ヴァイオリン:12,13)
コロシュ・コヴァーチュ(バス/青ひげ:14)
シルヴィア・シャシュ(ソプラノ/ユディット:14)
録音時期:1976~1997年
録音方式:ステレオ(ステレオ&デジタル)
【CD6-CD7】
・バルトーク:舞踏組曲 Sz.77
・バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 Sz.106
・バルトーク:ハンガリー詩篇 Op.13
・コダーイ:ガランタ舞曲
・コダーイ:孔雀の主題による変奏曲
・コダーイ:『ハーリ・ヤーノシュ』組曲
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音時期:1952~1955年
録音方式:モノラル(セッション)
・ヴァイネル:チョンゴルとティンデ Op.10
・ヴァイネル:小オーケストラのためのセレナーデ Op.3
ブダペスト祝祭管弦楽団
録音時期:1993年、1997年
録音方式:ステレオ(デジタル)
http://www.hmv.co.jp/artist_%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF-1881-1945_000000000018574/item_%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%EF%BC%8F%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%80%E3%82%AF%E3%83%84%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF%EF%BC%88%EF%BC%97%EF%BC%A3%EF%BC%A4%EF%BC%89_5117867
(参考)HMV
レビュー
20世紀の音楽シリーズ ショルティ/バルトーク:管弦楽のための協奏曲、弦チェレ
ショルティの、バルトーク傑作の本質に鋭く迫った名盤
オーケストラの各パートを独奏楽器として起用した、華麗な演奏効果を持つ『管弦楽のための協奏曲』。民族的要素を抽象的に昇華させ、古典的な均斉感を漂わせる『弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽』。民族色が強く打ち出された『舞踊組曲』。ショルティがバルトークの傑作の本質に鋭く迫った名盤です。
『管弦楽のための協奏曲』は、1981年度レコード・アカデミー賞受賞作品です。(ユニバーサルIMS)
【収録情報】
バルトーク:
1. 管弦楽のための協奏曲
2. 舞踏組曲
3. 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽
シカゴ交響楽団
サー・ゲオルク・ショルティ(指揮)
録音時期:1980年1月(1)、1981年1月(2)、1989年(3)
録音場所:シカゴ、オーケストラ・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
生誕100年記念 ショルティ名盤50 第1回発売
ハーリ・ヤーノシュ/ハンガリーの管弦楽曲集
ショルティが自らの故郷であるハンガリーの作品をライヴ録音したアルバム。ヴェイネル、バルトーク、コダーイはいずれもショルティが直接指導を受けた祖国の偉大な音楽家たちです。(UNIVERSAL MUSIC)
【収録情報】
・リスト:メフィスト・ワルツ第1番 S110-2(レーナウの『ファウスト』による2つのエピソードより 第2曲:村の居酒屋での踊り)
・リスト:ハンガリー狂詩曲第2番 S359-4
・バルトーク:5つのハンガリーのスケッチ Sz97
・ヴェイネル:『チョンゴルと悪魔』 Op.10~序奏とスケルツォ
・バルトーク:ルーマニア民族舞曲 Sz68
・コダーイ:組曲『ハーリ・ヤーノシュ』 Op.35a
シカゴ交響楽団
サー・ゲオルク・ショルティ(指揮)
録音時期:1993年11月
録音場所:シカゴ、オーケストラ・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
ルビジウム・クロック・カッティング
生誕100年記念 ショルティ名盤50 第1回発売 バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽、中国の不思議な役人、他
バルトークを得意としたショルティならではの鬼気迫る『中国の不思議な役人』。カップリングの2曲ではシカゴ響の精緻な演奏が光ります。(UNIVERSAL MUSIC)
【収録情報】
バルトーク:
1. 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 Sz106
2. ディヴェルティメント
Sz113
3. 組曲『中国の不思議な役人』
Op.19, Sz73
シカゴ交響楽団
サー・ゲオルク・ショルティ(指揮)
録音時期:1989年(1)、1990年1月(2)、2月(3)
録音場所:シカゴ、オーケストラ・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
ルビジウム・クロック・カッティング
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3
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