金曜日, 3月 21, 2014

ミトロプーロス Dimitris Mitropoulos


鬼才ミトロプーロスを聴く

ミトロプーロスは196064才でスカラ座にてリハーサル中客死する。もしあと10年存命していればステレオ音源が多く残され、今日の評価は格段に高くなっていただろう。死の3年前、ニューヨーク・フィル(NY)の首席の座を新鋭バーンスタインに譲り、古巣の欧州で円熟期の活躍が期待されていたからである。

NY以前の12年間、君臨したミネアポリス交響楽団との録音が本集の中心だが、自身のピアノ&指揮にくわえて、NY時代のルービンシュタイン、スターンらとの協奏曲集も収録されている。

193947年に録音されたミネアポリス響との成果(下記ショーソンからラフマニノフ)をみると現代(同時代)音楽への積極的アプローチが光る。作曲家、ピア二スト、指揮者の恵まれた才能をもった彼にとって、バーンスタインはすべてを継承できる逸材であり、NYでは若きバーンスタインがその後、出藍の誉れぶりを発揮した。

 小生は、かつてミトロプーロスのマーラーの5を聴いて、その斬新な音づくりに驚愕したが、協奏曲でもミケランジェリとのシューマン:ピアノ協奏曲など素晴らしい演奏がある。

 録音は古いが、この価格で鬼才ミトロプーロス10枚を集中的に聴くことができるのは実に有難い。
 

(収録情報)

【ミトロプーロス ピアノ&指揮】

バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番 NBC響 194512

プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 フィラデルフィア・ロビン・フッド・デル管弦楽団 1946726

クシェネク:ピアノ協奏曲第3番(194812月)

【ルービンシュタイン(p)

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ニューヨーク・フィル 1951

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ニューヨーク・フィル 1952

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(19471116日)

【スターン(vn)】

ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 ニューヨーク・フィル 195134

ベルク:ヴァイオリン協奏曲(19451230日)

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ショーソン:交響曲変ホ長調(1939年)

フランク:交響曲ニ短調(194018日)

メンデルスゾーン:カプリッチョ・ブリランテ グロードン(p)、(1940110日)

マーラー:交響曲第1番『巨人』(1940114日)

プロコフィエフ:交響曲第1番『古典』(1940127日)

ラヴェル:クープランの墓(1941126日)

メンデルスゾーン:交響曲第3番『スコットランド』(1941126日)

ボロディン:交響曲第2番(1941127日)

バッハ:幻想曲とフーガ BWV 542194246日)

グラズノフ:ギリシャの3つの主題による序曲第1番(194246日)

ラロ:『イスの王様』より序曲(194532日)

ラフマニノフ:交響詩『死の島』(194532日)

ミヨー:屋根の上の牡牛(194532日)

マスネ:アルザスの風景(1946311日)

チャイコフスキー:交響曲第2番『ウクライナ』(1946310&11日)

シューマン:交響曲第3番『ライン』(1947120日)

ラフマニノフ:交響曲第2番(194711&20日)

ショパン(ロガール=レヴィツキ):ショピニアーナ(英雄ポロネーズ、ほか)

<追記>
 
 

ミトロプーロスの芸術 第1集(4CD)

 

ミトロプーロスの芸術 第2集(4CD)


 

ミトロプーロス・コンダクツ・マーラー ライヴ録音集(6CD)














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