全60枚を大きく3つに分類すると、《主要演目》別には、ベートーヴェンとブラームスの全7ピアノ協奏曲集、チャイコフスキーの後期3交響曲集、さまざまな歌劇集などが特徴的。
一方、ロッシーニの序曲集、ワーグナーの管弦楽集をふくめて、《演奏家》別にはライナー/シカゴ響、ミュンシュ/ボストン響が主力。ピアノでは、ルービンシュタイン、バイロン・ジャニス、クライバーン、ゲイリー・グラフマンらが幅広い演目を取り上げている。
さらに《その他》では、コープランド集やジュリアン・ブリームによるイギリス、リュート音楽集など渋いが魅力的な音源も入っている。
さて、先行して第1集(下記)が販売されており、本集はそれを補完する位置づけにあると思われる。録音はこの時代としては定評のあるものだが、ややグラマラスな音質には好悪がわかれるかも知れない。全体としての質量からは第1集は文句なく★4以上だろうが、本集は「決定打」といえる演奏が少なく★3.5以上といったところが妥当かも知れない。
(収録情報/録音年)
《主要演目別》
【ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集](第1~5番) ルービンシュタイン(P)、クリップス/シンフォニー・オブ・ジ・エア(1956年)
【ブラームス:ピアノ協奏曲集】
・第1番ニ短調 グラフマン(P)、ミュンシュ/ボストン響(1958年)
・第2番変ロ長調 リヒテル(P)、ラインスドルフ/シカゴ響(1960年)
【チャイコフスキー:後期交響曲集 ほか】
・第4番へ短調 モントゥー/ボストン響(1959年)
・第5番ホ短調 モントゥー/ボストン響(1958年)
・第6番ロ短調 『悲愴』 ライナー/シカゴ響(1956年)
・バレエ『くるみ割り人形』抜粋 ライナー/シカゴ響(1959年)
【歌劇集、宗教曲】
◆J.S.バッハ:ミサ曲ロ短調 BWV.232 ロバート・ショウ(指揮)ロバート・ショウ合唱団&管弦楽団(1960年)
◆ロッシーニ:歌劇『セビリャの理髪師』全曲 ロバータ・ピータース(Sp)チェーザレ・ヴァレッティ(T)マーガレット・ロッジェロ(Ms)ロバート・メリル(Br)ジョルジョ・トッツィ(Bs)フェルナンド・コレナ(Bs)他、ラインスドルフ/メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団(1958年)
◆ドニゼッティ:歌劇『ランメルモールのルチア』全曲 ロバータ・ピータース(Sp)ジャン・ピアース(T)フィリップ・マエロ(Br)ジョルジョ・トッツィ(Bs)他、ラインスドルフ/ローマ歌劇場管弦楽団&合唱団(1958年)
◆ベルリオーズ:劇的交響曲『ロメオとジュリエット』 ロザリンド・エリアス(Ms)チェーザレ・ヴァレッティ(T)ジョルジョ・トッツィ(Bs)、ミュンシュ/ボストン響、ニュー・イングランド音楽院合唱団(1961年)
◆ヴェルディ:歌劇『オテロ』全曲 レオニー・リザネック(Sp)、ミリアム・ピラッツィーニ(Ms)ジョン・ヴィッカース(T)ティト・ゴッビ(Br)ロバート・カーンズ(Br)フェルッチョ・マッツォーリ(Bs)他、セラフィン/ローマ歌劇場管弦楽団&合唱団(1960年)
◆ヴェルディ:レクイエム ビルギット・ニルソン(Sp)リリー・チューカシアン(A)カルロ・ベルゴンツィ(T) エツィオ・フラジェッロ(Bs)、ラインスドルフ/ボストン響、 ボストン・プロ・ムジカ合唱団(1964~1965年)
◆プッチーニ:歌劇トスカ』全曲 ジンカ・ミラノフ(Sp)ユッシ・ビヨルリンク(T)レナード・ワーレン(Br)レオナルド・モンレアーレ(Bs)他、ラインスドルフ/ローマ歌劇場管弦楽団&合唱団(1957年)
【ロッシーニ:序曲集】
・『セビリャの理髪師』『どろぼうかささぎ』『チェネレントラ』『ブルスキーノ氏』『ウィリアム・テル』『絹のはしご』各序曲 ライナー/シカゴ響(1958~1959年)
【ワーグナー:管弦楽集】
・『ニュルンベルクのマイスタージンガー』~第1幕への前奏曲、第3幕への前奏曲、徒弟たちの踊り、マイスタージンガーたちの行進
・『神々の黄昏』~夜明けとジークフリートのラインへの旅、ジークフリートの葬送行進曲(1959~1960年)
【ベートーヴェン ソナタなど】
・ピアノ・ソナタ第7番、第23番『熱情』 ホロヴィッツ(P)(1959年)
・ヴァイオリン・ソナタ第5番『春』、第9番『クロイツェル』 シェリング(Vn)、ルービンシュタイン(P)(1958年)
・ベートーヴェン:セレナード ニ長調 Op.8 ハイフェッツ(Vn)ピアティゴルスキー(Vc)プリムローズ(Va)(1960年)
《演奏家別》
【ライナー/シカゴ響(&合唱団) 演奏集】
・R.シュトラウス:ブルレスケ ニ短調(1957年)
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番 バイロン・ジャニス(P)(1957年)
・ホヴァネス:交響曲第2番『神秘の山』(1958年)
・ストラヴィンスキー:バレエ妖精の口づけ』よりディヴェルティメント(1958年)
・プロコフィエフ:アレクサンドル・ネフスキー(1959年)
・ベートーヴェン:交響曲第1番、第9番『合唱』 フィリス・カーティン(S)フローレンス・コプレフ(A)ジョン・マッカラム(T)ドナルド・グラム(B)(1961年)
【ミュンシュ/ボストン響 演奏集】
・マーラー:『さすらう若人の歌』、『亡き子をしのぶ歌』 モーリーン・フォレスター(コントラルト)(1958年)
・ドヴォルザーク:交響曲第8番(1961年)
・ドビュッシー:『牧神の午後への前奏曲』、交響組曲『春』、『夜想曲』より「雲」「祭り」(1962年)
【フィードラー/ボストン・ポップス 集】
・サン=サーンス:動物の謝肉祭』, ブリテン:青少年のための管弦楽の入門』
・プロコフィエフ:3つのオレンジへの恋』組曲, ショパン:レ・シルフィード』(1962年)
【ラインスドルフ/ボストン響】
・マーラー:交響曲第1番ニ長調『巨人』(1962年)
【ルービンシュタイン(P)集】
・ショパン:夜想曲集(全19曲)(1965年)
・グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調
・シューマン:ロマンス 嬰ヘ長調 Op.28-2
・ヴィラ=ロボス:『道化人形』
・リスト:忘れられたワルツ第1番
・プロコフィエフ:『3つのオレンジへの恋』より『行進曲』
・ファリャ:『火祭りの踊り』
ウォーレンステイン/RCAビクター交響楽団(1961年)
【バイロン・ジャニス(P)集】
・ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』
・リスト:超絶技巧練習曲第10番ヘ短調
・ヴェルディの『リゴレット』による演奏会用パラフレーズ』、他(1958年)
【ヴァン・クライバーン(P)集】
・ショパン:ポロネーズ第6番Op.53『英雄』、夜想曲第17番Op.62-1、幻想曲Op.49、練習曲第23番Op.25-11「木枯らし」、第3番Op.10-3「別れの曲」、バラード第3番Op.47、ワルツ第7番Op.64-2、スケルツォ第3番Op.39(1961年)
【ゲイリー・グラフマン(P)集】
・リスト:愛の夢 第3番 Op.62-3、3つの演奏会用練習曲集第3番変ニ長調『ため息』、ハンガリー狂詩曲第11番イ短調、巡礼の年第2年『イタリア』より第2番、『物思いに沈む人』、コンソレーション第3番変ニ長調、パガニーニによる大練習曲集 S.141(1959~1960年)
【エミール・ギレリス(P)】
・シューベルト:ピアノ・ソナタ ニ長調 Op.53(1966年)
【ハイフェッツ(Vn)ピアティゴルスキー(Vc)プリムローズ(Va)集】
・バッハ:シンフォニア第4番、第9番、第3番ニ長調、ベートーヴェン:弦楽三重奏曲ニ長調 作品9-2、シューベルト:弦楽三重奏曲第2番変ロ長調 D.581、コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏 Op.7(1960年)
《その他》
・ハチャトゥリアン:組曲『仮面舞踏会』、カバレフスキー:組曲『道化師』 コンドラシン/RCAビクター交響楽団(1958年)
・コープランド:『アパラチアの春』、歌劇『入札地』より管弦楽組曲 アーロン・コープランド/ボストン響(1959年)
・ビゼー:歌劇『カルメン』(M・グールドによる管弦楽版)モートン・グールド(指揮)管弦楽団(1960年9
・ジュリアーニ:ギター協奏曲、アーノルド:ギター協奏曲 Op.67 ジュリアン・ブリーム(G)メロス・アンサンブル(1959年)
・イギリス・リュート音楽の黄金時代集 ジュリアン・ブリーム(リュート)(1959~60年)
(参考:第1集)
http://www.amazon.co.jp/Living-Stereo-60-CD-Collection/dp/B009J3K4MI/ref=pd_bxgy_m_img_y
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