土曜日, 3月 29, 2014

コンヴィチュニー ブルックナー交響曲集 Franz Konwitschny  




フランツ・コンヴィチュニー (190162) は、旧東ドイツで活躍した指揮者。いまは、息子の演出家ペーター・コンヴィチュニーのほうが有名だが、ことブルックナーの演奏に関する限り、父フランツの残した名演は語り継がれるものである。

コンヴィチュニーは、ブルノとライプチッヒの音楽院で学び、はじめはヴィオラ奏者となる。1927年に指揮者としてデビューしドイツ各地の歌劇場で活躍、49年にゲヴァントハウスの常任となり、195355年にはドレスデン国立歌劇場、55年からは東ベルリンの国立歌劇場の音楽監督も兼ねた東ドイツでもっとも著名な指揮者であったといえよう。61年に来日するも翌年他界した。

ブルックナーは本集ほか比較的多くの録音がある。以下はその代表盤たる8番について。

金管が山脈の高度はあるが緩やかな稜線をトレースするように朗々と鳴り響く。実に雄々しく鳴らせている。解釈はオーソドックスでテンポは安定しており、多くの同番を聴いてきた者からすれば「重量感がある見事な演奏」というのが大方の感想ではないだろうか。弦楽器は録音の関係もあるかも知れないが控えめな印象をぬぐえないけれど、アンサンブルはけっして悪くはない。聴けば聴くほどに納得できる手堅くも堂々とした演奏である。ブルックナー名指揮者の間違いなく一角を占める証左と言えよう。

 

<収録情報>

○第2番(1960年モノラル)ゲヴァントハウス管弦楽団[1877年稿ハース版]

→ほかにベルリン放送響(1951年モノラル)盤もある。

○第4番(1961年ステレオ)ウィーン交響楽団[原典版]

→ほかに、ゲヴァントハウス管弦楽団、チェコ・フィルの録音もある。

○第5番(1961年ステレオ)ゲヴァントハウス管弦楽団[ハース版]

○第7番(1961年疑似ステレオ)ゲヴァントハウス管弦楽団[ハース版]

○第8番(1959年モノラル)ベルリン放送響[ハース版]

○第9番(1962年モノラル)ゲヴァントハウス管弦楽団[原典版]
 


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