◇スターン
アイザック・スターン/モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集 (tower.jp)
アイザック・スターン(1920-2001年)は、日本通で知られ、集大成のコロンビアSONY音源はCD70枚を越える米国の大家。本集は30才台のモノラル旧録音が中心なのでダンピング価格になっている。
ハイフェッツという強大な存在のまえに、ともすれば埋もれがちだが、ライヴの名手で常に均質で安定した手堅い演奏には定評があった。
本集では、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲、協奏交響曲、シューベルトの弦楽五重奏曲D.956におけるカザルスとの共演などに注目したい。
<収録情報>
【モーツァルト】ヴァイオリン協奏曲第1番K.207、第2番K.211 セル/クリーヴランド管(1961)
・協奏交響曲K.364 プリムローズ(Vla)カザルス/ペルピニャン音楽祭管(1951ライヴ)ほか
◇オイストラフ
ダヴィド・オイストラフ/モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集(全5曲) 他 (tower.jp)
◇パールマン
イツァーク・パールマン/Mozart: Violin Concertos No.1-No.5, Adagio K..261, etc (tower.jp)
◇ムター
アンネ=ゾフィー・ムター/モーツァルト: ヴァイオリン協奏曲全集 (tower.jp)
◇ユリア・フィッシャー
1983年ミュンヘンで生まれのユリア・フィッシャーの2005〜2007年(22〜24才)の録音。恐ろしく弓さばきが軽やかで自然体の演奏。その一方、全体から受ける印象は、これが新進ヴァイオリストの演奏かと疑うほどバランスのとれた見事な出来映えである。巷間言われているように、「天才」肌なんだろうなとリスナーは実感するだろう。ただ「巧い」だけではない。フィッシャーはこのアルバムで、現代的モーツァルト演奏への新たな試みを意欲的に行っているようにも思う。それは、ヴィオラとの協奏交響曲や2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネなどで特に感じるが、管弦楽、室内楽といったジャンルを全く意識させない共演者との融合感、一体化があることだ。ともすれば、協奏を「競奏(競争)」的に捉える古い録音ばかりを普段聴いている小生には実に新鮮に感じる演奏スタイルである。オランダ室内管弦楽団はそうした点で良きパートナーだろうが、できればもう一歩、サウンドの洗練された名門オケのバックで聴きたいという我儘もある。
(収録情報)
CD1:協奏曲第1番変ロ長調 K.207、第2番ニ長調 K.211、第5番イ長調 K.219『トルコ風』
CD2:第3番ト長調 K.216、第4番ニ長調 K.218、ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K.261、ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド 変ロ長調 K.269
CD3:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調 K.364、ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド ハ長調 K.373、2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ ハ長調 K.190
【演奏】ヤコフ・クライツベルク(指揮)オランダ室内管弦楽団、ゴルダン・ニコリッチ(ヴァイオリン&ヴィオラ)、ピーテル=ヤン・ベルダー(チェンバロ)/レコーディング風景DVD付
織工Ⅲ: ユリア・フィッシャー (shokkou3.blogspot.com)
👉 織工Ⅲ: 名盤5点 シリーズ (shokkou3.blogspot.com)
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