アルル(フランス)の旅行記・ブログ by deracineさん (4travel.jp)
◇アンセルメ
アンセルメ、通俗色を脱した気高さ (amazon.co.jp)
ディアギレフによってバレエ音楽を鍛えられ、ストラヴィンスキーの先鋭的リズム感を同時代人として共有したアンセルメらしい演奏。瞑目すれば、まぶたに場面映像が浮かんでくるような想像力がはたらき、これに律動する強いリズムのアクセントが加わる。胸をつきだすようなカルメンとジプシーの哀切を感じさせるアルルの女、いまだに聴いていて演奏の妙技に感心し、通俗色を脱した気高さがある。録音は古い(1958年)がこの時代のデッカの技術はある程度、それをカヴァーしている。
織工Ⅲ: アンセルメ (shokkou3.blogspot.com)
◇マルケヴィッチ
マルケヴィッチ、明るい色調、柔らかなビゼー集 (amazon.co.jp)
ポール・パレー/パレーとマルケヴィッチのビゼー カルメン/アルルの女/美しきペルトの娘(組曲) (tower.jp)
◇ミュンシュ
シャルル・ミュンシュ/ビゼー:「カルメン」[アルルの女」組曲、他 (tower.jp)
織工Ⅲ: ミュンシュの謎 Charles Munch (shokkou3.blogspot.com)
◇クリュタンス
アンドレ・クリュイタンス/ビゼー: アルルの女 (tower.jp)
織工Ⅲ: クリュイタンス 気高く調和のとれた演奏スタイル (shokkou3.blogspot.com)
◇小澤征爾
小澤征爾、ビゼーにおける独自の情感表出力 (amazon.co.jp)
「アルルの女」第1組曲。「前奏曲」はリズミックにして抜群の切れ味ではじまり、「メヌエット」の軽やかな小気味良さ、「アダージェット」はゆるめのテンポで哀愁をたたえ情感たっぷり、「カリヨン」は明燦な太陽のもと楽しく、しかし表情にはちょっとセンチな影もさす。
「アルルの女」第2組曲。「パストラール」では管楽器の弦楽器への被せ方が実に巧い。「間奏曲」と「メヌエット」における個々の楽器の浮かび上がらせ方が自然で、楽員の自発性をもとに技量を存分に引き出している。フランス国立管の十八番を意識してのことだろう。
「ファランドール」ではテンポの上げ方とクレッシェンドのかけ方のバランスがピタリと一致している。緻密な運行である。
上記傾向は「カルメン組曲」でも全く同様。小澤征爾の棒がいかにこうした演目で秀でているかを示す代表盤だろう。バランス感覚が研ぎ澄まされ、ダイナミズムに過不足がなく、メロディの彫琢が程よい。そして最大の特色は、そこに溢れんばかりの情感が盛られていることである。3人の先生、ミュンシュ、バーンスタイン、そしてカラヤンの良いところをしっかり学びながら、小澤のコスモポリタリズムは、オーケストラの自主性をいかしたこの独自の情感表出力にあるように思う。小澤征爾49才の1985年1月の収録。
織工Ⅲ: カルメン ~フランスのオケで聴く 名盤5点 Bizet: Carmen (shokkou3.blogspot.com)
👉 織工Ⅲ: 名盤5点 シリーズ (shokkou3.blogspot.com)
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