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ベームの4番は、その求心力ある演奏によって、この曲のスタンダード盤とでもいって良いものです。テンポのコントロールが一定でどっしりとした安定感がある演奏です。
ベームはその著『回想のロンド』になかで、「ブルックナーのように孤独で独特な存在に対して、オーケストラ全体が目標を決めていることこそ決定的なことなのだ。もしも壇上のわれわれみなが納得してさえいれば、われわれは聴衆をも納得させずにはおかない」旨を語り、特にウィーン・フィルとの関係では、この点を強調しています。
ブルックナーにおいて3番、7番、8番とも、ウィーン・フィルとのコンビではこうした強固な意志を感じさせます。小生は3番、8番は他を圧する記録、本4番と7番はそれとの比較ではやや大人しい感もありますが、総体としては、いずれも同国オーストリア人の気概をもっての魂魄の名演と言えるでしょう。
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