土曜日, 6月 23, 2018

名盤探訪 アルゲリッチ&アバド ショパン&リスト:ピアノ協奏曲第1番

ショパン&リスト:ピアノ協奏曲第1番
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ショパン第1楽章の長いオケだけのイントロ部分、アバドの才覚が見事に光る。曲想の全体像を明確に示し、醸す高貴なる雰囲気で十分にお膳立てし、そしてアルゲリッチが華麗に登場する。この冒頭部分だけで名演の予感は十分である。

1968年2月の録音。新進気鋭の若きピアニストと指揮者による「新風」を吹きこむ1枚という触れ込みは、約半世紀の間しっかりと聴き継がれ、いまもトップの名盤の座にある。アルゲリッチは1965年ショパン国際コンクールに弱冠24歳で優勝、その3年後の収録ながら、いま聴いても感動はかわらない。第2楽章の濃やかな表現ぶりには直観的にして女性的、豊かな感性が満ちている。終楽章、高音部の速く、力強く、美しいパッセージ処理には感嘆を禁じ得ない。

リストも圧倒的な迫力。技巧的には悪魔的難曲とも言われるが、アルゲリッチはこれをサラリと弾きこなしている印象で、その底知れぬ力量に驚かされる。

➡ Martha Argerich Collection 2: The Concerto Recordings も参照


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