「1874年の第1稿に基づく演奏は、1975年にクルト・ヴェスが「世界初録音」して以来、現在までに少なくとも7種類はリリースされています。 ロぺス=コボス盤は国内盤でも入手できますが、この演奏は第4楽章のリズム処理に問題があってあまりおすすめは出来ません。できれば譜面通りに演奏しているインバル盤かギーレン盤を、輸入レコード屋さんで探した方が良いでしょう。 最近出たデイヴィス盤も、精度という点では不満が残ります」。
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本演奏も異色だが、第1稿の「変形」版として、ロジェストヴェンスキーの4番も聴く(別ブログ「織工/名指揮者」を参照)。その演奏の特質について、以下、『ウィキペディア(Wikipedia)』の4番の楽曲解説から引用。
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「ロジェストヴェンスキー指揮ソビエト国立文化省交響楽団によるブルックナー交響曲全集で使用されていることで名が知られるようになった楽譜である(1984年録音)。
CDの解説書によると、これは出版されている楽譜ではなく、1900年1月28日のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会のために、マーラーが当時の出版譜(第3稿、初版)に手を加えたものであり、残されたパート譜からロジェストヴェンスキーがスコアに編纂して上記録音に使用したものであるとのことである。このマーラー版の最大の特徴は、第4楽章に極端なカットがなされていることである」。
CDの解説書によると、これは出版されている楽譜ではなく、1900年1月28日のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会のために、マーラーが当時の出版譜(第3稿、初版)に手を加えたものであり、残されたパート譜からロジェストヴェンスキーがスコアに編纂して上記録音に使用したものであるとのことである。このマーラー版の最大の特徴は、第4楽章に極端なカットがなされていることである」。
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さて、3番、4番とインバルを久しぶりに聴いて、第1稿をオリジナル重視の観点から高く評価することには個人的にはいささかの疑問を禁じ得ない。もちろんブルックナー・ファンとして、埋もれたメロディがいわば「原石」として随所に発見できる喜びはある。また、後の整序された演奏にくらべてブルックナーの創作の苦しみを感じる部分もあり、タイム・スリップしてそれを追体験できる醍醐味もある。
しかし、ブルックナー本人がその後の研究を重ねて、苦心惨憺のうえ改訂した作品はやはり完成度の点では高いと思う。ハースやノヴァークらの地道な改訂の努力もあって、後の版のほうがはるかにスッキリと聞こえる。
どの版をとるかどうかにもよるが、全般に改訂実施後の作品にくらべて、初稿においては、メロディの洗練不足、不要なまでのくり返し、変調の際の不自然さなどがどうしても気になってしまう。交響曲としてのまとまりからは、少なくとも初稿のほうが良いと感じる部分はほとんどないように思われる。
その一方、この4番の第3楽章のように結果的に抹殺されてしまった(ボツになった)音楽はなんとも「勿体ない」と思う。せめて、この第3楽章だけ独立に改訂4番の前に「序曲」として演奏してもそう違和感はないのではないかと勝手に思う次第である。
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