Strauss - Complete Orchestral Works
R. Strauss | 2019
ケンペのR.シュトラウスに関心をもったのは、近くの名曲喫茶で偶然、アルプス交響曲を聴いたのがきっかけである。「いい演奏だな」と感じ「誰の演奏かな」と思案しいくつか候補をしばし考えてプレイヤーの近く、CDの置いてあるところに足をはこんで確認した。ケンペ/ロイヤル・フィル(本盤とは異なるが)だった。想定はまったくはずれており、その分、印象に強くのこった。
本集は、ケンペ/シュターツカペレ・ドレスデンによるR.シュトラウスの管弦楽曲、協奏曲集である。収録は1970年6月から1976年1月の6年をかけて、ドレスデン、聖ルカ教会で数次にわたって行われた(*1~7は録音順に並べてみた)。かつては限定版で高かったが廉価版となり入手しやすくなった。
R.シュトラウスの曲はコンサートでは、トップバッターでも前半のエンドでも、後半のメインでも、どこでも使える“品揃えの良さ”が下記のリストから確認できる。短尺でも長竿でも対応可能。古典的な装いの曲から現代音楽の先駆けまで作風も多彩であり、標題からみてわかるとおり、他の演目と合わせやすい幅の広さと多様性をもっている。しかも、オーケストレーションが巧く、楽器の妙技を際だたせることも可能。こうした特質から多くの指揮者が重宝している。録音は古くなったが、ケンペの演奏はR.シュトラウスのこうした良さを構えることなく十全に表現しており推奨できる。
<収録情報>
・交響詩『ドン・ファン』 Op.20 *1
・交響詩『死と変容』 Op.24 *1,
・交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』 Op.28 *1,
・歌劇『サロメ』 Op.54~7つのヴェールの踊り*1
・組曲『町人貴族』 Op.60 *1
・歌劇『カプリッチョ』Op.85~月光の音楽 *1,
・交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』 Op.30 *2 ,
・アルプス交響曲 Op.64 *2
・バレエ音楽『泡立ちクリーム』 Op.70~ワルツ *2
・交響詩『英雄の生涯』 Op.40 *3
・家庭交響曲 Op.53 *3
・メタモルフォーゼン(23の独奏弦楽器のための) *4 ,
・交響詩『マクベス』 Op.23 *4
・歌劇『ばらの騎士』Op.59~ワルツ *4
・交響詩『ドン・キホーテ』 Op.35 *4 ,
・フランソワ・クープランのハープシコード曲による舞踏組曲 *4
・交響的幻想曲『イタリアから』 Op.16 *5 ,
・交響的断章『ヨゼフ伝説』 Op.63 *5
・ヴァイオリン協奏曲 ニ短調Op.8 *6
・ホルン協奏曲 第1番、第2番 変ホ長調 *6
・オーボエ協奏曲 ニ長調 *6
・デュエット・コンチェルティーノ(クラリネット、ファゴット、弦楽とハープのための) *6
・ブルレスケ ニ短調 *6
・家庭交響曲余禄Op.73 *7
・パンアテネの行列Op.74 *7
【演奏】
ポール・トルトゥリエ(Vc)、ペーター・ダム(Hr)、マンフレート・クレメント(Ob)、マックス・ロスタル(Va)、マンフレート・ヴァイス(Cl)、ヴォルフガング・リープシャー(Fg)、マルコム・フレイジャー(Pf)、ペーター・レーゼル(Pf)
【録音時点】
*1:1970年6月、 *2:1971年9月、*3:1972年3月、*4:1973年1,4,6月、*5:1974年3月、*6:1975年4月、*7:1976年1月
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