火曜日, 2月 01, 2022

眠れる森の美女 名盤5点 The Sleeping Beauty

 


モントゥー

Milestones of Monteux,Pierre  から「眠れる森の美女」ハイライト(ロンドン響、1956年6月 キングズウェイ・ホール)を聴く。

こよなくバレエ音楽を得意としたモントゥー。一方、チャイコフスキーの後期交響曲も十八番の演目であった。

本盤は、1921年11月、ディアギレフ率いるバレエ・リュスによって、ロンドンでお披露目され、その後有名になった本曲の出自をよく知る大指揮者による、いわば“本場”演奏である。

全体として、明確、かつ“シン”の通った音楽で、抒情性よりもシンフォニックな構造美をくっきりと描いてみせる。華麗なるバレエを見なくとも、瞑目して音楽だけ聴いて、十分楽しませる堂々たる演奏スタイルとでもいえようか。
それを可能としているのは、オーケストラの能力の完全発現にある。個々の楽器が、目くるめく登場し存分に活躍する。もちろん、アンサンブルも巧い。音の厳しい“錬磨”ではなく、音の伸び伸びとした“跳躍”こそモントゥー流の極意ではないかと思う。そしてその音楽は、生気に満ち、おそらく演奏者にとって実に心地よく、ゆえにリスナーにとってもとても楽しいのである。


👉 モントゥー、バレエ・リュスの伝統を継承した名演 (amazon.co.jp)

バレエ音楽の泰斗、晩年は大きな抱擁感ある演奏 (amazon.co.jp)


ピエール・モントゥー/Tchaikovsky: The Sleeping Beauty Highlights; Stravinsky: L'Oiseau de Feu Suite (tower.jp)

織工Ⅲ 拾遺集 モントゥー 選集 (fc2.com)


プレヴィン

アンドレ・プレヴィン/Tchaikovsky: Sleeping Beauty<限定盤> (tower.jp)

織工Ⅲ: プレヴィン André George Previn (shokkou3.blogspot.com)


アンセルメ

エルネスト・アンセルメ/Tchaikovsky: The Great Ballets (tower.jp)

織工Ⅲ 拾遺集 アンセルメ (fc2.com)


ヤルヴィ

ネーメ・ヤルヴィ/チャイコフスキー: バレエ音楽全集 (tower.jp)

パーヴォ・ヤルヴィ/チャイコフスキー: 交響曲全集、管弦楽作品集 (tower.jp)


カラヤン

3大バレエ組曲(白鳥の湖、くるみ割り人形、眠りの森の美女)。カラヤンはフィルハーモニー(1952年)、ウィーン・フィル(本盤、1961、1965年)、ベルリン・フィル(1966、1971年)の3種ほかの録音を残している。基本的にどれも見事にシンフォニックで一貫した解釈だが、快速&ダイナミズム感の強いフィルハーモニー盤、完璧な音響空間に身をおきたければベルリン・フィル盤といった感じか。小生は従来からこのウィーン・フィル盤こそ、上記カラヤンの3種中のベストとともに、3組曲での最右翼の名盤ではないかと思っている(全曲、組曲ともアンセルメも秀逸)。

 カラヤンは若き日からチャイコフスキーを得意(特に「悲愴」)としており、ベルリン・フィルとの交響曲全集はいまも燦然と輝く。「大曲」勝負の交響曲にくらべて、カラヤンはここでは、堂々たるシンフォニックな構えとともに、ときに洒脱で切なく、ときに軽妙でウイッティな表情も自在に表現してみせる。そして、ウィーン・フィルの音は瑞々しく柔らかく、その一方、強音部では躍動的で美しい。その抜群の融合がエクセレンスな名演を生んだ。本盤に限らずこの時代のカラヤン/ウィーン・フィルの音源はどれも秀逸( 
Legendary Decca Recordings を参照)。


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織工Ⅲ: 1960年代 カラヤン / ウィーン・フィル 名演 (shokkou3.blogspot.com)

5つのシンデレラ物語  Cinderella


👉 織工Ⅲ: 名盤5点 シリーズ (shokkou3.blogspot.com)

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