トスカニーニ ヴェルディ レクイエム 渾身の一撃 (amazon.co.jp)
トスカニーニによるヴェルディ「レクイエム」の録音は5種類あるようだが、一般的なのは1950年盤 ヴェルディ:レクイエム&テ・デウム であろう。本演奏は録音状況ははるかに劣る1940年盤である。
しかし、この籠りに籠もって、それが放出される寸前のエネルギーの圧力はなんとも凄い。それを解き放つような「渾身の一撃」をここに加えるといった激しき演奏で、また、マイク・セッティングのためだろうが、独唱が前面にですぎるぐらいに強調される。さらに、その表現ぶりはオペラばりに抑揚がついており濃厚な詠唱である。テンポは可変的だが、全体はキリリと引き締まっており、最後の一音の「追い込み」まで一切の弛緩がない。美しきメロディが蠱惑的に現世をたたえる一方で、神の世界への敬虔な架け橋のような神々しき響きも折々に交差する。聴きおわる頃には録音の悪い痩せた音は気にならなくなり、純正な音楽空間をそこに意識させるような神聖な気持ちに導いてくれる。
・ヴェルディ:「レクィエム」「テ・デウム」
ジンカ・ミラノフ (ソプラノ)
ブルーナ・カスターニャ (メゾ・ソプラノ)
ユッシ・ビョルリング (テノール)
ニコラ・モスコーナ (バス)
ウェストミンスター合唱団
NBC交響楽団
録音時期:1940年11月23日
録音場所:ニューヨーク、カーネギー・ホール
録音方式:モノラル(ライヴ)
織工Ⅲ 拾遺集 トスカニーニの名演12 ヴェルディ:レクイエム (fc2.com)
◇カラヤン
ヴェルディ:レクイエム、カラヤンの初録音盤 (amazon.co.jp)
カラヤンは、ヴエルディ:レクイエムを晩年まで好んで取り上げたが、これはウィーン・フィルとの記念すべき1949年第1回ライヴ盤。規範たる1940年のトスカニーニ盤 ヴェルディレクイエム を彷彿とさせる裂帛の演奏。
カラヤンは、怒りの日では、切り立った崖のようなスペクタクルな交響美を見事に表現している。その一方、詠嘆的なソプラノのヒルデ・ザデク、バスのボリス・クリストフの独唱パートは実に深き詠唱。そのコントラストの妙味が聴きもの。録音は古いが、カラヤンの本曲”原型”を知るうえでも興味深い音源である。
<収録情報>
・ヴェルディ:レクイエム
ヒルデ・ザデク(S)
マルガレーテ・クローゼ(C)
ヘルゲ・ロスヴァンゲ(T)
ボリス・クリストフ(B)
ウィーン楽友協会合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1949年8月14日、ザルツブルク 祝祭歌劇場[ライヴ]
ヘルベルト・フォン・カラヤン/ヴェルディ: レクイエム (tower.jp)
ヘルベルト・フォン・カラヤン/ヴェルディ: レクイエム (tower.jp)
ヘルベルト・フォン・カラヤン/ヴェルディ: レクイエム (tower.jp)
ヘルベルト・フォン・カラヤン/ヴェルディ:レクイエム (tower.jp)
ヘルベルト・フォン・カラヤン/ヴェルディ: レクイエム (tower.jp)
ヘルベルト・フォン・カラヤン/ヴェルディ:レクイエム (tower.jp)
織工Ⅲ: カラヤン ヴェルディ「レクイエム」 (shokkou3.blogspot.com)
◇ムーティ
ムーティの録音も数多いが、以下は1979年盤について。
・ヴェルディ:レクイエム
レナータ・スコット
アグネス・バルツァについて
ヴェリアーノ・ルケッティ
エフゲニー・ネステレンコ
アンブロジアン合唱団
フィルハーモニア管弦楽団
録音時期:1979年6月
録音場所:ロンドン、キングズウェイ・ホール
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
リッカルド・ムーティ/Verdi: Requiem, Quattro Pezzi Sacri (tower.jp)
リッカルド・ムーティ/ヴェルディ: レクイエム (tower.jp)
リッカルド・ムーティ/ヴェルディ: レクィエム (tower.jp)
リッカルド・ムーティ/ヴェルディ:レクイエム (tower.jp)
織工Ⅲ 拾遺集 ムーティ ヴェルディ Muti Verdi (fc2.com)
◇ショルティ
ジョン・サザーランド(S)
マリリン・ホーン(Ms)
ルチアーノ・パヴァロッティ(T)
マルッティ・タルヴェラ(Bs)
ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1967年10月 ウィーン
イングリット・ビョーナー(Sp)
ヴァルデマール・クメント(Tn)
ミュンヘン・バッハ合唱団
ミュンヘン・フィル
録音:1969年2月28日 ミュンヘンドイツ博物館コングレスザール (ライヴ)
◇メトロポリタン歌劇場 9.11コンサート ヴェルディ レクイエム【5.1サラウンド】(午前0時54分~2時29分30秒) <曲目> レクイエム ヴェルディ 作曲 【出演】 ソプラノ:アイリーン・ペレス メゾ・ソプラノ:ミシェル・デ・ヤング テノール:マシュー・ポレンザーニ バス・バリトン:エリック・オーウェンズ 合唱:メトロポリタン歌劇場合唱団 管弦楽:メトロポリタン歌劇場管弦楽団 指揮:ヤニック・ネゼ・セガン
収録:2021年9月11日 メトロポリタン歌劇場(ニューヨーク)
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