木曜日, 7月 28, 2022

月曜日, 7月 25, 2022

ブロムシュテット ドキュメンタリー  Herbert Blomstedt









深夜に以下の再放送をみた。ドキュメンタリーがとくに面白かった。

特集 ブロムシュテット - クラシック音楽館 - NHK

御年95才ながら矍鑠(かくしゃく)としている。音楽を語っているときは青年のような純粋さと熱情を垣間見せる。ブロムシュテットを見て「年令とはなんなのだろう」と素朴な感想をもつのは老若男女を問わないのではないか。

大指揮者ニキシュは、芸術的には偉大な指導者であったが団員とはフランクな付き合いで敬慕された。その後任のフルトヴェングラーは感情の起伏が大きく、はじめ団員はとまとったが、次第に愛されるようになった。フルトヴェングラーとトスカニーニはお互い仲が悪く反目していたが、トスカニーニはより現代的なスタイルの指揮者であった。ワルターは人間に対して透徹とした理解をもっていた。ベームのレーグナー(モーツァルト変奏曲)を聴いて本当に感動した。カラヤンの発言エピソード(「ベルリンで仕事に就かなかったらここに来ていただろう」)が東独で働くきっかけになったこと。78才で常任を辞した心境。マズア、シャイーについての高い評価。自身については才能に乏しく必死で努力したとの一貫した謙虚な姿勢。聖トマス教会のパイプオルガンを独習し、バッハを系統的に演奏した経験、ロ短調ミサ(合唱18部、独唱9部)の質量の圧倒的な高さなどバッハへの畏敬の念。ブルックナー音楽への若き日からの深い理解と愛(第4番、第6番を口ずさむ)、その一方、マーラーについては当初は通俗的と見ていた時期があること(第1番の演奏風景)。マーラー・ブームの到来に対しては、あえてブルックナーを取り上げてバランスを取りたかったとの思いがけない発言。

17年前に先立たれた愛妻家の墓前での寂しそうな顔、還暦をこえた二人の娘さん(医師)の音楽的な才能を高く評価する家族愛。あいかわらずの菜食主義者の食卓。自然のなかでの芸術的な直観の大切さ。非常な読書家と膨大なライヴラリー。弛まぬ読譜の努力。団員を大切にする非常なる気配り。日常での笑顔と指揮台での真剣な表情のコントラスト。そして精錬にして清浄なる響きの秘密。凜として立ち、衰えぬ正確な指揮ぶり。

(参考1)

ブロムシュテットのブルックナー (shokkou3.blogspot.com)

ブルックナー ライプチッヒとドレスデンの響き Bruckner Leipzig Dresden (shokkou3.blogspot.com)

ブルックナー ゲヴァントハウスの響き (shokkou3.blogspot.com)

ブルックナー シュターツカペレ・ドレスデンの響き (shokkou3.blogspot.com)

(参考2)

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第1&2番 ~アルゲリッチで聴く 名盤5点  Martha Argerich (shokkou3.blogspot.com)

アルゲリッチとは、あまり相性が良さそうには見えなかった。というよりも78才のアルゲリッチが、もっと93才のブロムシュテットをリスペクトすべきではないか、などと思いながら見てしまったが、あまり彼女の体調(ないし気分)がすぐれなかったのかも知れない。アンコールのシューマン(子供の情景)を隣で立って聴いているブロムシュテットの姿には、ちょっと申し訳ないような、気の毒な気がした。


 

日曜日, 7月 17, 2022

偉大な指揮者たち Great Conductors


 










まず、30名の名指揮者を集めたBOXに注目。これはいまでもコスパ抜群であると思う。

廉価盤ボックスの優れもの (amazon.co.jp)


本集で取り上げている30名は以下のとおりである。

①~⑩

● エルネスト・アンセルメ

【ストラヴィンスキー】

アンセルメの芸術  もの狂い一歩手前の危ない平衡感覚 (amazon.co.jp)

アンセルメ、偉大な足跡 (amazon.co.jp)

アンセルメ (shokkou3.blogspot.com)

●ジョン・バルビローリ

【エルガー】

バルビローリ 初演オケによる見事な交響曲第1番 (amazon.co.jp)

バルビローリのシベリウス 歴史的秀演 (amazon.co.jp)

大家バルビローリの全貌 (amazon.co.jp)

●トーマス・ビーチャム

【ハイドン】

ビーチャム閣下、春風駘蕩たるハイドン (amazon.co.jp)

ビーチャム翁、最晩年のハイドン 大家の悟りの境地 (amazon.co.jp)

●レナード・バーンスタイン

【ドヴォルザーク】

新世界から ~若きバーンスタインの教則本的アルバム (amazon.co.jp)

 今日は バーンスタイン! (shokkou3.blogspot.com)

●カール・ベーム

【モーツァルト】

ベーム絶頂期の緊張感途切れぬ名演 (amazon.co.jp)

天与の感性がモーツァルトに共感 (amazon.co.jp)

●アンドレ・クリュイタンス

【ビゼー】  

大御所クリュイタンスの名タクト (amazon.co.jp)

クリュイタンス 気高く調和のとれた演奏スタイル (amazon.co.jp)

クリュイタンス  André Cluytens 

●アンタル・ドラティ

ドラティの偉業  (amazon.co.jp)

ハンガリアン・ファミリー 再考 (shokkou3.blogspot.com)

●フェレンツ・フリッチャイ

【デュカス】

魔法使いの弟子 ~フリッチャイの天賦の芸術的な魅力 (amazon.co.jp)

フリッチャイの初期モーツァルト、5時間付き合いました! (amazon.co.jp)

●ヴィルヘルム・フルトヴェングラー

【参考】主要レパートリーが聴ける廉価盤選集 (amazon.co.jp)

●ヘルベルト・フォン・カラヤン

【参考】 カラヤン/フィルハーモニア管の魅力 (amazon.co.jp)


⑪~⑳

●ルドルフ・ケンペ

【参考】円熟の境地をもっと示して欲しかった名指揮者 (amazon.co.jp)

●エーリヒ・クライバー 

【ベートーヴェン】

エーリッヒ・クライバーの「第九」、明るい基調と鷹揚さに魅力 (amazon.co.jp)

●オットー・クレンペラー

【ブルックナー】

クレンペラー 「戦闘」のごとき激しき4番 (amazon.co.jp)

クレンペラー流、シャープ&クリアな解釈 (amazon.co.jp)

●クレメンス・クラウス

【R.シュトラウス】

ドン・ファン、大胆なドライブ感 (amazon.co.jp)

●ラファエル・クーベリック

【参考】若きクーベリックを聴こう (amazon.co.jp)

●エーリヒ・ラインスドルフ

【参考】ワーグナー 管弦楽曲集3 ラインスドルフ、サバリッシュ、シューリヒト (livedoor.jp)

●ロリン・マゼール

【参考】マゼール Lorin Maazel (shokkou3.blogspot.com)

●イーゴリ・マルケヴィチ 

【ベルリオーズ】 

マルケヴィッチの威容 (amazon.co.jp)

マルケヴィッチ  Igor Markevitch 

●ディミトリ・ミトロプーロス 

【プロコフィエフ】 

「キージェ中尉」の名盤 (amazon.co.jp)

1960年に64歳で急逝したギリシアの鬼才、69枚セット (amazon.co.jp)

ミトロプーロス   Dimitris Mitropoulos 

●ピエール・モントゥー

【ストラヴィンスキー】 

 「ペトルーシュカ」の真髄にふれる (amazon.co.jp)

モントゥー  Pierre Monteux


㉑~㉚

● エフゲニー・ムラヴィンスキー

【参考】比類なき名盤 (amazon.co.jp)

● シャルル・ミュンシュ

【参考】ミュンシュ 豪放なれど見事なバランス感覚 (amazon.co.jp)

●ユージン・オーマンディ

【参考】「異能」の名匠、優れた足跡 (amazon.co.jp)

●フリッツ・ライナー

R.シュトラウスの第一人者、ライナーの傑作 (amazon.co.jp)

ライナー 「両シュトラウス」 最高クラスの名演 (amazon.co.jp)

●ヴォルフガング・サヴァリッシュ

ワーグナー指揮者、サヴァリッシュの名曲集 (amazon.co.jp)

サヴァリッシュ&バイエルン放送響&合唱団 3大曲ほかのライヴ (amazon.co.jp)

●ゲオルグ・ショルティ

【参考】ショルティ/シカゴ響 驚異的録音記録 (amazon.co.jp)

●レオポルド・ストコフスキー

【参考】「異端」の巨匠、秀でた業績を聴く (amazon.co.jp)

●ジョージ・セル

【参考】「快速、冷静、明燦」のセルの演奏に駄演なし (amazon.co.jp)

●アルトゥーロ・トスカニーニ

【ムソルグスキー】

トスカニーニの展覧会の絵、ライヴ盤(1951年) (amazon.co.jp)

●ブルーノ・ワルター

【マーラー】

ワルターのマーラー第1番、1950年ミュンヘン・ライヴ (amazon.co.jp)


このBOXに関連して、たとえばベートーヴェンとブラームスの交響曲全集では、クレンペラーとケンペとのカップリングなどもなかなか楽しめる。

覇気あるベートーヴェンと枯淡のブラームス (amazon.co.jp)


この拡張系ともいえる各2枚組の Great Conductors of the 20th Century というのもあり、上記を補完するうえでも幾組かはもっている。

Amazon.co.jp: Great Conductors of the 20th Century: ミュージックストア


次にライヴ盤について。下記はmembranからでている10枚組のBOXで、当時千円台であったから、1枚当り100円台というダンピング価格である。

実に楽しめるライブ盤集(ルガーノ、アスコーナ) (amazon.co.jp)


本集で取り上げている指揮者は以下のとおりである。

◇ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(上記参照)

◇ハンス・クナッパーツブッシュ

クナッパーツブッシュ ブラームス第2番(1956年ライヴ) (amazon.co.jp)

クナッパーツブッシュ、大家の風貌 (amazon.co.jp)

◇ジョージ・セル(上記参照)

◇トーマス・ビーチャム

ビーチャム 指揮者冥利の天衣無縫さ (amazon.co.jp)

◇カレル・アンチェル

【参考】チェコ・フィルの「新世界から」 (shokkou3.blogspot.com)

◇ジョン・バルビローリ

バルビローリ・ライヴ オーケストラ音楽の愉悦! (amazon.co.jp)

◇セルジウ・チェリビダッケ

チェリビダッケ、厳しいプロフェッショナリズム (amazon.co.jp)

◇ヴォルフガング・サヴァリッシュ

サヴァリッシュ 充実のルガーノ・ライヴ (amazon.co.jp)

◇ヘルマン・シェルヘン

シェルヘン 独特のスタイルの第5番 (amazon.co.jp)

◇ヴラディーミル・デルマン

いまでもたまに聴く。相当、音域の狭いライヴ録音であることは覚悟のうえだが、鑑賞にたえないといったレベルではない。1枚目のフルトヴェングラーなど、最近もコテコテのリマスターで、1枚5千円ちかくとるものも出回っているが、リマスター技術がよくてもこれはいかにも暴利だなあと思う。なお、協奏曲集については、以下も参照。

豪華な陣容 ルガーノ、アスコーナ他のライヴ集 (amazon.co.jp)



別の切り口からアプローチしてみよう。

 忘れられない名指揮者 (shokkou3.blogspot.com)

といった小生の勝手なセレクションだが、上記30名のラインナップ以外では、㉛オッテルロー、㉜フルネ、㉝マルティノン(→マルティノン  Jean Martinon)、㉞カイルベルト(→カイルベルトのオペラほか )、㉟シュミット=イッセルシュテット(→イッセルシュテット Hans Schmidt-Isserstedt)、㊱コンヴィチュニー(→コンヴィチュニー ブルックナー 5番、7番、8番 )、㊲ライトナー、㊳ケルテス、㊴クリップス、㊵ロジンスキー、㊶スタインバーグ、㊷ボールト、㊸アンチェルを取り上げた。さらに、

 早世 惜しまれた7名の指揮者 (shokkou3.blogspot.com)

といった観点からまとめてみたこともある。㊹カンテッリ、㊺シノーポリ、㊻ベイヌムにふれた。しかし、まだまだ奥は深い。㊼テンシュテット、㊽カルロス・クライバー、㊾ロスバウト、㊿ホルスト・シュタインなど枚挙にいとまがない。最近では、古き良きウィーンを追体験すべく、以下についても注目した。

【参考】 ウィーンの巨星 クレメンス・クラウス (shokkou3.blogspot.com)

以上については、一部は結構、集中的に聴いているが、なお、深く味わってみたい、耳を傾けてみたい巨匠も多くいる。


金曜日, 7月 08, 2022

猛暑 クラシック音楽でマッチョに乗りきる! 









暑い!熱中症にならないように涼をもとめて巣ごもり。でも、ときには暑いからこそ、外で戦うために”熱つ熱”の中華をかっこむこともある。同じ体で、ここはクールダウンではなく、あえてマッチョに乗りきろうと、わが耳に熱き音楽を注入する一手かも。まずは、著名な5曲の交響曲から。

【交響曲】

ベートーヴェン 第7番

第7番、ショルティ 最右翼の名演 (amazon.co.jp)

シューベルト 第9番

『グレート』 テンシュテットらしい名演 (amazon.co.jp)

ブルックナー 第8番

クレンペラーの真骨頂 (amazon.co.jp)

ショスタコーヴィッチ 第5番

大胆にして明解、バーンスタインの代表盤 (amazon.co.jp)

革命 ~バーンスタイン 名盤5点  Shostakovich: Symphony No.5

ニールセン 第4番

不滅 名盤5点  Det Uudslukkelige (The Inextinguisha


力強い声楽が入っていたほうがインパクトが大きいという向きもあろう。管弦楽のみならず合唱の迫力からもパワーをもらえる。ここは夏向き、冬向きがあるわけではないが、あえて作曲家も分散させて、同じく特色ある5点を選んでみた。


【声楽編】

ワーグナー マイスタージンガー

颯爽として立つマイスタージンガー (amazon.co.jp)

ヴェルディ レクイエム

トスカニーニ ヴェルディ レクイエム 渾身の一撃 (amazon.co.jp)

プーランク グローリア、スターバト・マーテル

小澤征爾/ボストン響、所縁の演目 (amazon.co.jp)

オルフ カルミナ・ブラーナ

ティーレマン、恐れ入り (amazon.co.jp)

シェーンベルク モーゼとアロン

モーゼとアロン 名盤5点   Moses und Aron (shokkou3.blogspot.com)


クール(冷涼)なクラシック音楽をもとめて 名盤5点 (shokkou3.blogspot.com)

夏の名曲 5点 (shokkou3.blogspot.com)

👉 名盤5点 シリーズ (shokkou3.blogspot.com)