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・交響曲第8番について
優しく語りかけるように始まる第1楽章冒頭のト短調の序奏から、目の前に懐かしい田園風景が広がるイメージがある。ノイマンの特色である弦楽器と木管楽器の絶妙なバランス感覚が、この曲の運行には欠かせない。
第2楽章のフルートとオーボエの掛け合いは子供が<なぞなぞ>遊びをしているような面白さがあるが、柔らかく、ほのぼのとした表現ぶりである。中間部でキュッと引き締めたあと、ふたたびコミカルなメロディに回帰する。
第3楽章はドヴォルザークのもつ豊かな抒情性がもっとも美しく結実した作品だが、ノイマンは安易なセンチメンタリズムに陥ることなく、節度ある冷静な、そして高貴な演奏である。
終楽章、印象的で短いトランペットによるファンファーレののち、主題が変奏曲風に登場する。その後は力感をもって、快活に展開されるが、全体にオーヴァードライブ感がなく、弦楽器を前面に管楽器は後衛から援護し、その中間をチェコ・フィルの強み、しなやかして美音の木管楽器が縦横に埋めていく。セル ドヴォルザーク:交響曲第8番 他 と双璧、聴いていて常に快感を得ることができるという意味においては本曲筆頭の名演。
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