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管弦楽のための協奏曲(Concerto for Orchestra)とは、考えてみれば挑戦的な名前である。特定の楽器を冠すれば、ピアノ協奏曲だったりヴァイオリン協奏曲だったりする。全体の体系や秩序を優先すれば、交響曲や交響詩というジャンルになる。そうではなく、管弦楽の様々な楽器がいわば折々に主役を交代しながら、全体がそれをバックアップしひとつの楽曲を形成する。
オーボエ、ファゴット、クラリネット、フルート、トランペットといった木管、金管楽器が次々にメイン音域で活躍する一方、複数のシンバル、トライアングル、(バス&スネア)ドラム、銅鑼などの打楽器がゲリラ的に登場し攪乱する。弦チェレ(打楽器とチェレスタのための音楽)の発展形であり、より複雑さと音響の広がりを増している。
デュトワ/モントリオール響の演奏は、そうした特性をすべて見切って、個々の楽器という「新手」を繰り出すことを楽しみながら、全体の融合感、統一感は揺らがない。いつもながら、角ばったところがなく、個々の楽器の攪乱的使用、突出感もセーブされている。鋭角的で斬新な演奏が好みの向きには、大人しく物足りなさがあるかも知れないが、聴き込むうちに、この抜群のバランス感覚の見事さには舌をまくことだろう。一聴、推奨したい。
→ Art of Charles Dutoit (Coll) も参照
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