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トスカニーニによるヴェルディ「レクイエム」の録音は5種類あるようだが、一般的なのは1950年盤 ヴェルディ:レクイエム&テ・デウム であろう。本演奏は録音状況ははるかに劣る1940年盤である。
しかし、この籠りに籠もって、それが放出される寸前のエネルギーの圧力はなんとも凄い。それを解き放つような「渾身の一撃」をここに加えるといった激しき演奏で、また、マイク・セッティングのためだろうが、独唱が前面にですぎるぐらいに強調される。さらに、その表現ぶりはオペラばりに抑揚がついており濃厚な詠唱である。テンポは可変的だが、全体はキリリと引き締まっており、最後の一音の「追い込み」まで一切の弛緩がない。美しきメロディが蠱惑的に現世をたたえる一方で、神の世界への敬虔な架け橋のような神々しき響きも折々に交差する。聴きおわる頃には録音の悪い痩せた音は気にならなくなり、純正な音楽空間をそこに意識させるような神聖な気持ちに導いてくれる。
◆ヴェルディ:「レクィエム」「テ・デウム」
ジンカ・ミラノフ - Zinka Milanov (ソプラノ)
ブルーナ・カスターニャ - Bruna Castagna (メゾ・ソプラノ)
ユッシ・ビョルリング - Jussi Bjorling (テノール)
ニコラ・モスコーナ - Nicola Mascona (バス)
ウェストミンスター合唱団 - Westminster Choir
NBC交響楽団 - NBC Symphony Orchestra
アルトゥーロ・トスカニーニ - Arturo Toscanini (指揮者)
録音時期:1940年11月23日
録音場所:ニューヨーク、カーネギー・ホール
録音方式:モノラル(ライヴ)
2012年新リマスター、エンジニア:キット・ヒギンソン
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