「アーブル美術館」プレゼンツ「クラシック音楽の或る棚」名曲シリーズ 2 オペラ・アリア集~「ドン・ジョヴァンニ」、「ばらの騎士」、「魔笛」他より
オペラ名アリア集のなかでも、1950年代から2015年まで、かなりバラついており一貫性には欠けるが、後半でグノー『ロミオとジュリエット』、『ホフマン物語』、『ばらの騎士』を取り上げていることと人気のナタリー・デセイの所収が売りだろう。逆にそれ以外では、他の選集のほうが、歌手、指揮者、オケの“三位一体”では充実している。比較的新しい音源を取り上げていることから、演目によっては録音を気にする向きには良いかも知れない。
<収録情報>
・『魔笛』~地獄の復讐が私の心臓の中で:ナタリー・デセイ、ルイ・ラングレ/ジ・エイジ・オブ・エンライトゥンメント管(2000)
・『ドン・ジョヴァンニ』第1幕~さあ!危険にさらされているお父様をお助けしましょう:カルメラ・レミージョ、マーク・パドモア/ダニエル・ハーディング/マーラー室内管(2000)
・同 第1幕~奥様!うちの旦那が手掛けた美人の記録帳とは:ジル・カシュマイユ、同上
・『椿姫』第1幕~不思議だわ!不思議だわ! 第1幕~私はいつも、快楽から快楽へと:ディアナ・ダムラウ、ジャナンドレア・ノセダ/トリノ王立歌劇場管(2015)
・『トスカ』第2幕~歌に生き、愛に生き:マリア・カラス、サバータ/ミラノ・スカラ座管 (1953)
・同 第3幕~星は光りぬ:ジュゼッペ・ディ・ステファノ、同上
・『トゥーランドット』第3幕~誰も寝てはならぬ:ホセ・カレーラス、ロンバール/ストラスブール・フィル(1978)
・『ジャンニ・スキッキ』~私のお父さん:ディアナ・ダムラウ、ダン・エッティンガー/ミュンヘン放送管
(2009)
・グノー『ロミオとジュリエット』~ああ、私は夢に生きたい:ロランド・ヴィリャソン、
ミシェル・プラッソン/ミュンヘン放送管
(2006)
・『ホフマン物語』~アイゼナッハのお屋敷で:同上
・『ばらの騎士』~第2幕の二重唱 けだかくも美しき花嫁に
~第3幕の三重唱 マリー・テレーズ、あなたはなんというよい人だ
~第3幕の二重唱 夢なのでしょう・・・あなだたけを感じている
ナタリー・デセイ、フェリシティ・ロット、アンゲリカ・キルヒシュラーガー、トーマス・アレン、アントニオ・パッパーノ/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管 (2004)
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オペラ名アリア集のなかでも、1980~90年代、一世を風靡した名歌手の実力を存分に味わう趣向。収録されている曲目は、ヴェルディ、プッチーニを中心に、指揮者もカラヤン、バーンスタイン、レヴァインにくわえてアバド、シノーポリなどイタリア出身者のものも織り交ぜている。本盤は、歌手、指揮者、オケの“三位一体”では、このように歌手にフォーカスしているが、指揮者、オケの豪華さでも群を抜いている。
<収録情報>
・『リゴレット』~女心の歌:マルセロ・アルバレス、アバド/ベルリン・フィル(1998ライヴ)
・同~慕わしい人の名は:クリスティーネ・シェーファー(ソプラノ)、同上
・『椿姫』~乾杯の歌:シェリル・スチューダー(ソプラノ)、 ルチアーノ・パヴァロッティ、レヴァイン/メトロポリタン歌劇場管&合唱団(1991)
・『アイーダ』~清きアイーダ:プラシド・ドミンゴ(テノール)、カーティア・リッチャレッリ(ソプラノ)、アバド/ミラノ・スカラ座管(1981)
・同~勝ちて帰れ: 同上
・『愛の妙薬』~人知れぬ涙:パヴァロッティ、レヴァイン/メトロポリタン歌劇場管(1989)
・『セビリャの理髪師』~私は町の何でも屋:ドミトリー・ホロストフスキー、イオン・マリン/フィルハーモニア管(1992)
・『カルメン』~ハバネラ:アグネス・バルツァ、カラヤン/パリ・オペラ座合唱団、ベルリン・フィル(1982)
・同~花の歌:ホセ・カレーラス(テノール)(9)、同上
・『ボエーム』~冷たい手を:ジェリー・ハドリー、バーンスタイン/サ ンタ・チェチーチア国立アカデミー管(1987)
・同~私の名はミミ:ミレッラ・フレーニ、シノーポリ/フィルハーモニア管(1988)
・『トスカ』~歌に生き、恋に生き:同上(1990)
13. 同~星は光りぬ:ドミンゴ、同上
・『蝶々夫人』~ある晴れた日に:フレーニ、同上(1987)
・『ジャンニ・スキッキ』~私のお父さん:フレーニ、バルトレッティ/)フィレンツェ五月音楽祭管(1991)
・『トゥーランドット』~誰も寝てはならぬ:ドミンゴ、カラヤン/ウィーン国立歌劇場合唱団、
ウィーン・フィル(1981)
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誰も寝てはならぬ/珠玉のオペラ・アリア集
この手のオペラ名アリア集では出色のもの。録音は1960年代から90年までばらけるが、歌手を主体に考えるとこれは当然で、むしろ1曲1曲の質が問われよう。本盤は、歌手、指揮者、オケの“三位一体”につき往年の第1級のメンバーを揃えた名演集となっている。選曲の妙、演奏の質の高さにくわえて、ここまで“三位一体”の多様性に配慮しているのも特徴。これを切っ掛けに全曲盤への誘いが狙いだろうが、充実の1枚。
<収録情報>
【モーツァルト】
・『フィガロの結婚』から-恋とはどんなものかしら:タティアーナ・トロヤノス、ベーム/ベルリン・ドイツ・オペラ管(1968)
・『ドン・ジョヴァンニ』から-奥さん、これが恋人のカタログ〔カタログの歌〕:ヴァルター・ベリー、ベーム/ウィーン・フィル(1977)
・『魔笛』から-復讐の心は地獄のように胸に燃え:ロバータ・ピータース、ベーム/ベルリン・フィル(1964)
・同-俺は鳥刺し:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、同上
【ロッシーニ】
・『セビリャの理髪師』から-今の歌声は:テレサ・ベルガンサ、アバド/ロンドン響(1971)
【ヴェルディ】
・『アイーダ』から-清きアイーダ:ジュゼッペ・ディ・ステファノ、ブルーノ・バルトレッティ/フィレンツェ五月音楽祭管(1962)
・『椿姫』から-ああ、そはかの人か レナータ・スコット、ジャンニ・ライモンディ、アントニーノ・ヴォット/ミラノ・スカラ座(1962)
・同-プロヴァンスの海と陸 エットレ・バスティアニーニ、ヴォット/ミラノ・スカラ座管(1962)
・『リゴレット』から-風の中の羽のように〔女心の歌〕:カルロ・ベルゴンツィ、クーベリック/ミラノ・スカラ座管(1964)
【プッチーニ】
・『ボエーム』から-冷たい手を:シャンドール・コーンヤ、ヴォット/フィレンツェ五月音楽祭管(1962)
・『トスカ』から-歌に生き、恋に生き:ミレッラ・フレーニ/シノーポリ/フィルハーモニア管(1990)
・同-星は光りぬ:コーンヤ、ヴォット/フィレンツェ五月音楽祭管(1962)
・『トゥーランドット』から-誰も寝てはならぬ:同上
【ジョルダーノ】
・『アンドレア・シェニエ』から-亡くなった母を:アントニエッタ・ステッラ、バルトレッティ/フィレンツェ五月音楽祭管(1961)
【ビゼー】
・『カルメン』から-恋は野の鳥〔ハバネラ〕:グレース・バンブリー、ヤーノシュ・クルカ/ベルリン放送響(1962)
・同-諸君の乾杯を喜んで受けよう〔闘牛士の歌〕:フィッシャー=ディースカウ、フリッチャイ/ベルリン放送響(1961)
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