土曜日, 9月 11, 2021

アルゲリッチ 初期録音集


 

















2018年9月8日

今日、世界中のどこかでさまざまなコンクールが行われており、ピアニストは登竜門をもとめてエントリーしている。しかし、1950年代はその機会はきわめて限られていた。1957年、ブゾーニおよびジュネーブの国際ピアノコンクールであいついで優勝したアルゲリッチの登場はまさに「彗星のごとく」であったろうし、それ以前にアルゼンチン「国家」期待のミューズであり、その後も周到に研鑽を積んで1960年に満を持してのデビュー。小生はアルゲリッチいまだ20歳代、1970年の初来日でライヴに接して圧倒されて以来のファンだが、その強烈な個性と美貌をもって日本でもすでに大人気であった。

本集は、Profileレーベルがドイツの放送局のマスター音源から初CD化したもの。1965年第7回ショパン国際コンクールで優勝してスターダムに乗る前の音源。強固な打鍵、楽々とパッセージを弾ききる技巧よりも、曲毎に目くるめく変化する多彩な表現ぶりとそれを支える迸るような音楽的な直観力が魅力。但し音は良くない。若きアルゲリッチを知りたいファン向けと言えよう。

<収録情報>
【モーツァルト】
・ピアノ協奏曲第21番、ペーター・マーク/ケルン放送響(1960年9月5日/ケルン)
・ピアノ・ソナタ第8番(1960年4月26日/ミュンヘン)
・ピアノ・ソナタ第13番(同上)
・ピアノ・ソナタ第18番(1960年9月8日/ケルン)
【ベートーヴェン】
・ピアノ・ソナタ第7番(1960年9月8日/ケルン)
・ヴァイオリン・ソナタ第3番、ルッジェーロ・リッチ(Vn.)(1961年4月21日/レニングラードM)
【シューマン】
・トッカータ Op.7(1960年9月8日/ケルン)
【ブラームス】
・2つのラプソディOp.79(1960年7月4-8日/ハノーファー)
【リスト】
・ハンガリー狂詩曲第6番、①1957年9月/ジュネーヴ国際コンクール(ライヴM)、②1960年7月4-8日/ハノーファー
【ショパン】
・エチュード第1番(1955年/ブエノスアイレスM)
・バラード第4番(1960年1月23日/ケルン)
・舟歌 Op.60(1960年7月4-8日/ハノーファー)
・スケルツォ第3番(同上)
【プロコフィエフ】
・トッカータ Op.11(1960年3月16日/ハンブルク)
・ピアノ・ソナタ第3番(同上)
【ラヴェル】
・ピアノ協奏曲ト長調:エルネスト・ブール/南西ドイツ放送響(1960年2月4日/バーデン・バーデン)
・夜のガスパール(1960年3月16日/ハンブルク)
・水の戯れ(1960年7月4-8日/ハノーファー)
・ソナチネ(1960年9月8日/ケルン)
【バルトーク/ジェルトレル編】
・ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ、ルッジェーロ・リッチ(Vn.)(1961年4月21日/レニングラードM)
【サラサーテ】
・序奏とタランテラ Op.43、ルッジェーロ・リッチ(Vn.)(1961年4月21日/レニングラードM)

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