金曜日, 9月 03, 2021

セル ドヴォルザーク【廉価盤BOXセットの魅力】


 



ドヴォルザーク:交響曲第7番~第9番、スメタナ:モルダウ他

2014年10月26日

故国ハンガリーのフォークロアに近いメロディが埋め込まれているからかも知れないが、ドヴォルザークの後期交響曲(7~9番)のセルの演奏は、他の作曲家の作品にくらべて、めずらしくも叙情的な表出をときに感じる。

7番は端正な仕上がり、9番も集中力にあふれた秀でた演奏だが、8番は出色で各楽章の表現ぶりにメリハリをつけ、特に第4楽章では、冒頭のトランペットのファンファーレから見事なフィナーレまで、光沢ある磨かれた音の美しさ、抑制されつつも精妙な表現力には一瞬の弛みもない。8番は小生にとっていまだに本曲のベスト盤。録音も1950年代とは思えぬ鮮度。

<収録情報(録音時期)>
・交響曲第7番二短調作品70(1960年3月18日&19日)
・交響曲第8番ト長調作品88(1958年10月31日&11月1日)
・交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」(1959年3月20日&21日)

・ドヴォルザーク/序曲「謝肉祭」作品92(1958年3月15日)
・スメタナ/交響詩「モルダウ」(1963年1月4日&5日)
・スメタナ/歌劇「売られた花嫁」より、(1)序曲(1958年3月15日)、(2)ポルカ、(3)フリアント、(4)道化師の踊り(1963年1月4日&5日)

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2021年8月28日

ジョージ・セルは、ドヴォルザーク、スメタナを大得意にしていた。一見クールな演奏スタイルのセルだが、実はこの2人の作曲家には心震えるような共感をもっていたからかも知れない。録音は古く同一曲の複数演奏も多いのでセルのファン向けながら、一方、ドヴォルザーク、スメタナを愛するリスナーにとっても、この端正ながら内燃する演奏には新鮮な魅力があると思う。

<収録情報>
【ドヴォルザーク】
・交響曲第7番 C 1960年3月
・交響曲第8番 C 1958年10~11月
・交響曲第9番「新世界より」(1)1952年1月、ニューヨーク・フィル(2)C 1959年3月
・ピアノ協奏曲ト短調Op.33  C 1954年4月
・スラヴ舞曲集
Op.46(全8曲) (1)C 1956年2月、(2)C 1962年7月~1964年10月
Op.72(全8曲) (1)C  1956年3月(2) C 1962年7月~1964年10月
(ほかに1947年4月の古い音源も一部所収)
・「謝肉祭」序曲 C 1962年7月、1963年1月
【スメタナ】
・歌劇「売られた花嫁」より(1)序曲 C 1958年3月、3つの舞曲 C 1962年8月、1963年1月
・『わが祖国』より(1)「モルダウ」ニューヨーク・フィル 1951年1月、
(2)「ボヘミアの森と草原から」ニューヨーク・フィル 1951年1月
・弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」(ジョージ・セルによる管弦楽版)
C 1947年4月
(注)Cはクリーヴランド管弦楽団

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