日曜日, 3月 02, 2008

テンシュテット ブルックナー 4番 

ブルックナー: 交響曲 第4番 変ホ長調 「ロマンティック」 [ハース版]
【演奏】クラウス・テンシュテット(指揮)、ベルリン・フィル
【録音】1981年12月13,15,16日 フィルハーモニー,ベルリン
(”Cento Classics”シリーズの1枚)
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=770389&GOODS_SORT_CD=102

 久しぶりに聴く。第4楽章に顕著だが、ピアニッシモで慎重に奏でられる弦楽器の幽玄の響きにリスナーの神経は引きつけられ自然にそばだつ。その直後に、管楽器の光輝ある分厚い強奏が襲ってくるーその<コントラスト>の妙がこの演奏ほど見事に展開される例はあまりないのではないか。
 フルトヴェングラー的ともいっていい<技法>だが、テンシュテットでは、その演奏に<技法>という言葉は似つかわしくない。「それこそがブルックナーの企図したことなのだ」という強い信念が背景にあるような気がする。
 テンポはフルトヴェングラーのようには動かさず、振幅は大きく感じないが、繰り返されるこの<コントラスト>は累積するに及んで、じわじわと感動の原質になっていく。
 レントラー風と言われる素朴なメロディ形成の部分では、本当に親しみのこもった暖かみのある明るい響きが満載されるところも魅了される点だ。以前から小生にとって4番のベスト盤との評価だが、今日聴き直しても全く同じ感想である。

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