日曜日, 8月 25, 2013

いいですよ、コリン・デイヴィス (2) モーツァルト

モーツァルト:交響曲第39&第40番


以下は40番について。196111月の録音。デイヴィスの34才の青年期の収録だが、自然体で素直な解釈でよどみなく、大らかに歌い上げている。デイヴィスはモーツァルトを得意としており、ロンドン響のほかにも、イギリス室内管弦楽団、BBC響、シュターツカペレ・ドレスデンなどとの録音もあるが、 いずれもフレーズがながくつづき音楽がとても流麗に響く。 

オーケストラは伸び伸びとたくまずに奏し、指揮者の強圧的な緊張を少しも感じさせないが、その一方、ながいフレーズには適度の起伏とみずみずしさが充溢している。40番は明るさのなかにほのかな悲しみがブレンドされているような風情がポイントだが、この時期、デイヴィスは若手とは思えない落ち着いた演奏スタイルでこれを表現している。けれんみなき佳演である。 

デイヴィスの演奏は、指揮者の個性がですぎないところが特徴ともいえる。良い演奏でモーツァルトの音楽の素晴らしさをストレートに教えてくれるが、では「誰の演奏」だと思うとクイズで問われても、なかなか当たらないだろう。そこがいかにもデイヴィスらしさなのだが、没個性とも器用貧乏とも言われそうな要素でもある。でも、こうしたプロ技能者的一面、実は日本人好みではないかな、とも思う。

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