金曜日, 9月 27, 2013

バーンスタイン ベートーヴェン 交響曲全集


Leonard Bernstein-Beethoven Symphonies
 
最近、ベートーヴェンの全集がこれでもかといった勢いでマーケットにでている。交響曲に関しても、3000円位を基準に前後で実に多様な選択肢が用意されており、今日リスナーはまことに贅沢な悩みをかかえていると言えよう。

 

交響曲に関して小生は、一貫してトスカニーニの新盤を座右の友としている。
 
【Beethoven: The 9 Symphonies [Box set, CD, Import]】 http://www.amazon.co.jp/Beethoven-The-Symphonies-Ludwig-van/dp/B0000CNTLU/ref=sr_1_1?s=music&ie=UTF8&qid=1380347425&sr=1-1&keywords=%E3%83%88%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%8B+%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3 

 

しかし、自分が親しんできたのは、フルトヴェングラーを別格とすれば、やはりカラヤン/ベルリン・フィルであり、ベーム/ウィーン・フィルであった。
 
【Symphony Edition [Box set, Import]】
 
 
【Collectors Edition: Symphonies Nos. 1-9/5 Overture [Box set, CD, Collector's Edition, Import]
 
 この組み合わせでベートーヴェンを、カラヤンは1970年に大阪で、ベームは1975年に東京でいずれもライヴで聞くことができた。さて、196070年代の3大巨匠といえば、これにバーンスタイン/ニューヨーク・フィルが加わっていた。バーンスタインも1970年の来日ライヴに接することができたが、演目はマーラーの9番だった。

 

 さて、そのバーンスタインの交響曲全集を以下のボックス・セットで入手した。
 
【Scoprire Beethoven-I Capolavori [Import]】

 

これはコストパーフォーマンスからみて「掘り出し物」といってよい充実したラインナップで、協奏曲集も弦楽四重奏曲集もピアノ・ソナタ集もいずれも大いに楽しめるが、改めてバーンスタインを聴いて、やはり3大巨匠の名にふさわしいと今更ながらに思った。
 

 カラヤンには、多くのリスナーを説き伏せるような「カラヤン流儀」といったものがあり、ベームにはメトロノームを内在したような堂々としたテンポ設定で、リスナーはじっくりと安心して身を委ねられるような安定感がある。 
 対して、バーンスタインのベートーヴェンの特色は、ダイナミックながらすっきりとした解釈にあり、意外にも過不足なく標準的な印象もある。しかし、全体を通じて解釈の一貫性があり、どの曲を聴いても爽やかな聴後感があるのはやはり只者ではない。けれんみなく素直な解釈によって、ベートーヴェンの素材をもっとも生(き)のままに味わうことができるように思う。良い意味で機能主義的なニューヨーク・フィルもいい。ここには、ベルリン・フィルにみるドイツ本流の、とかウィーン・フィルにみる伝統の誇り高きといったブランドイメージはなく、かわってベートーヴェンという名の偉大なコスモポリタニズムを感じさせる。これこそ、意図してバーンスタインが念頭においていたことであり、かつそのお手本は、トスカニーニにあり!ということかも知れない。
 
【Leonard Bernstein-Beethoven Symphonies [Box set, CD, Import]】

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