月曜日, 5月 02, 2022

悲歌のシンフォニー 注目5点  Gorecki : Symphony No.3 "Symphony of Sorrowful Songs"


 









ジンマン

純粋なヒーリング音楽としても魅力的 (amazon.co.jp)

1976年に作曲された、まぎれもない現代音楽にもかかわらず、その響きは中世の宗教音楽に接しているような形式的荘厳さをもっている。26分を越える第1楽章。ラヴェルのボレロ同様、執拗な反復、繰り返しをつうじて、徐々にエネルギーが蓄えられていく過程には、リスナーに一種じっくりと聴くべき気構えと安定感をあたえる。日本でいえば御詠歌を連想させるような第2楽章。ソプラノの歌詞は、ナチスドイツの秘密警察(ゲシュタポ)の本部があったザコバネの「パレス」(収容所)の第3独房第3壁に書かれた18歳の少女の言葉が引用されている。終楽章。ふたたび執拗な反復、繰り返しがはじまり、ソプラノは息子を喪った母の嘆きを語るがこれはポーランドの古謡から採られているとのことである(ライナーノートより)。

全体として弦楽器によるパイプオルガンのような重層的で低い音階が支配し、これに暗闇に明かりが点じられるように、音量を絞った木管、金管、打楽器による高音部を強調した美しい和音が加わる。
作曲の経緯や歌詞の内容に立ち入らなくとも、純粋にヒーリング音楽として耳を傾けても充足感のある良き音楽である。


コルト

カジミェシュ・コルト/Gorecki: Symphony No.3 "Symphony of Sorrowful Songs" (tower.jp)

ヴィット

アントニー・ヴィット/Antoni Wit Conducts Henryk Gorecki (tower.jp)

湯浅卓雄

湯浅卓雄/Gorecki: Symphony No 3 (tower.jp)

グレツキ

へンリク・ミコワイ・グレツキ/Gorecki : Symphony No.3 "Symphony of Sorrowful Songs" (tower.jp)


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