土曜日, 1月 26, 2008

ブルックナー 7~9番 ムラヴィンスキー

・ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 [ハース版] 1967年2月25日モノラル録音
・ブルックナー:交響曲第8番ハ短調 [ハース版] 1959年6月30日モノラル録音
・ブルックナー:交響曲第9番ニ短調 [原典版] 1980年1月30日ステレオ録音 
レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 エフゲニー・ムラヴィンスキー(指揮)

 昨日から上記を聴く。ムラヴィンスキーのブルックナーは知る人ぞ知るといった感じではないかと思う。かって吉田秀和の8番に関するコラムを読んだ。
ブルックナー/メモランダム③ームラヴィンスキー
http://shokkou.spaces.live.com/?_c11_BlogPart_BlogPart=blogview&_c=BlogPart&partqs=amonth%3d3%26ayear%3d2006

 8番はなんとも「凄まじい」演奏である。その極度の濃密さはライヴによる「一回性」のモノとは異なり、この指揮者とオーケストラの伝説的な、と言ってよい日頃の厳しい鍛錬による驚嘆すべき演奏水準に負っているのだろう。
 カラヤンの57年録音盤については下記にしるしたが、まずは似た印象がある。音が重くて全体の色調が暗い。この7番ではなぜか管楽器がキンキンと耳障りに響くが、8番は録音こそ古いがその感はない。レニングラード・フィルの管楽器とティンパニーなどの打楽器の大音量はかつてライヴで聴いてほんとうに圧倒されたが、本8番ではむしろ低弦の分厚い威力を前面に感じる。
 強音のエネルギーと、そののち変調したあとの、ときにクールにも感じる弱音の微妙な音調の交互に織りなす世界は、このオーケストラ特有の漆黒のような暗い響きとあいまって独特のブルックナー・サウンドを奏している。
 うまい言葉がないと、いつも「集中力」という安易な言い方に頼ってしまうけれど、この演奏に感じるのはクールさは決して喪わない、しかし猛烈な「集中力」である。細部の処理の見事さでも57年カラヤン盤を連想させるが、空中にぐるぐると、とぐろをまいて渦巻き上昇していくような意志的な音の拡散は、こちらの方がはるかに「凄まじい」。休止の処理も歯切れがよく鋭角的、スケールの巨大な見事なブルックナー世界の構築である。

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