Horowitz: Complete Recordings [Box set, Import, from US]
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20世紀の音楽界は巨匠が覇を競った時代。ピアノ界で若き日から名声を欲しいままにし、かつ晩年も元気に輝いたその1人がホロヴィッツであり、本集は1985~87年(81~83才の時)に、ニューヨーク、モスクワ、ミラノ、ウイーン、ハンブルクで録音されたもの。
ホロヴィッツがながき沈黙を破って、1965年5月9日カーネギーホールに再デビューしたときの衝撃はいまも忘れていない。過去のピアニストと思っていた巨人がふたたび歩みだした鮮烈な印象だった。
さて本集では、まずは80才を超えて旺盛に活動する芸術家とは・・・といった「畏敬の念」がまずは必要。次にプログラムとの適合性に注目。下記のとおり、J.S.バッハからモシュコフスキまで10名の作曲家の作品が取り上げられているが、おそらく技巧、体力面から、そしてなによりもっとも共感し得意とする演目を慎重に選んでのことだろう。よって同じ曲がなんども重複して取り上げられている点は注意(【回数】で表示)。
ホロビッツファンにとっては垂涎のものだろうが、下記のリストはいまにいたるまで最高級の演奏として記憶されるべきものでもある。
<収録曲>
・J.S.バッハ(ブソーニ編):コラール前奏曲『いざ来たれ、異教徒の救い主よ』
・D.スカルラッティ:ソナタ ロ短調K.87、ホ長調K.135、ホ長調K.380
・モーツァルト:ピアノ・ソナタ第3,10【2回】,13番【2回】、ロンドニ長調K.485【2回】、アダージョ ロ短調K540
・ショパン:マズルカ(へ短調Op.7-3,イ短調Op.17-4, 嬰ハ短調Op.30-4, ロ短調Op.33-4)、スケルツォ第1番ロ短調Op.20、ポロネーズ第6番『英雄』【2回】
・シューベルト:即興曲(変イ長調D.899-4,変ロ長調D.935-3)、(タウジヒ編):軍隊行進曲変ニ長調D.733-1、(リスト編):ワルツ・カプリース第6番『ウィーンの夜会』【4回】、楽興の時~第3番ヘ短調D780-3【2回】、(リスト編):白鳥の歌~セレナードD957-4、ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D.960【3回】
・シューマン:ノヴェレッテ ヘ長調Op.21-1、クライスレリアーナOp.16、子供の情景Op.15~トロイメライ【3回】
・リスト:コンソレーション第3番変ニ長調、即興曲嬰へ長調、忘れられたワルツ第1番、巡礼の年第2年『イタリア』~ペトラルカのソネット第104番
・ラフマニノフ:前奏曲嬰ト短調Op.32、W.R.のポルカ
・スクリャービン:練習曲(嬰ハ短調Op.2-1【2回】、嬰ニ短調Op.8-2、嬰ニ短調Op.8-12)
・モシュコフスキ:練習曲ヘ長調Op.72-6 、花火Op.36-6【2回】
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