月曜日, 4月 25, 2011

ミケランジェリ


 アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(1920~95年)の選集。10枚でこの廉価である。かつてドビュッシー集(CD7)などは1枚で実に高価であったことを思うと隔世の感がある。高校生の頃、チェリビダッケとミケランジェリの協演がFMで流れ、伝説と幻の両巨匠の邂逅ということで大きな話題になったことを思い出す。録音は1941~90年と戦前・戦後の分水嶺をへて半世紀に跨っている。

 その演奏は、ドビュッシー、ショパン、シューマンなどにその特質がよく出ているが、パッショネイトな集中力と一音一音がキラキラと輝くような磨きぬいた独特なピアニズムに特色がある。ルビンシュタイン、フランソワ、ホロビッツ、ケンプなど、いずれも20世紀中後半にはこうした巨匠が犇(ひしめ)き各人、甲乙つけがたい名演を残した。ミケランジェリもまぎれもなくその一角を占める強烈な個性の完全主義者であり、本選集はその歴史的記録である。

<収録内容>
◆CD1:モーツァルト/ピアノ協奏曲第15番(1974年)、ピアノ四重奏曲変ホ長調(1972年)
◆CD2:ショパン/スケルツォ第2番(1985年)、バラード第1番(同左)、アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ(同左)、子守歌 変ニ長調(1962年)、ピアノ・ソナタ第2番(1968年)、マズルカop.59-3(1969年)、ワルツ 変ホ長調(遺作) (1962年)
◆CD3:シューマン/謝肉祭 op.9(1968年)、ウィーンの謝肉祭の道化 op.26(1973年)
◆CD4:ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第11番(1981年)、同第12番(1981年)、同第32番(1990年)
◆CD5:ブラームス/バラード op.10(1973年)、パガニーニの主題による変奏曲 op.35(1973年)
◆CD6:ドビュッシー/子供の領分(1968年)、『映像』第1集、第2集(1987年)、前奏曲集 第1巻から9曲(1977年)
◆CD7:バッハ/シャコンヌ[ブゾーニ編曲](1973年)、イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV 971(1943年)、スカルラッティ/7つのソナタ[K.96,29,11,159,322,9,27](1943,69年)、ガルッピ/プレスト 変ロ長調(1941年)、ソナタ第5番 ハ長調(1962年)
◆CD8:ショパン/スケルツォ第1番op.20(1990年)、幻想曲 op.49(1985年)、ワルツ op.34-2(1988年)、同op.34-1(1962年)、同op.69-1(同左)、マズルカop.68-2(1962年)、同op.69-4(1967年)、同op.41-4(1967年)、同op.33-1(同左)、同op.30-2(同左)、同op.67-2(1985年)、同op.33-4(1990年)
◆CD9:【ヴァチカン・ライヴ 1962年4月28日】シューマン/ピアノ協奏曲イ短調 op.54、リスト/死の舞踏 S.126、ベートーヴェン/『荘厳ミサ曲』から「グローリア」
◆CD10:シューマン/ピアノ協奏曲 op. 54、ニューヨーク・フィル、ミトロプーロス(指揮)(1948年)、フランク/交響的変奏曲(1949年)、グリーグ/ピアノ協奏曲イ短調 op.16(1942年)
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