土曜日, 9月 03, 2011

ライナーのベートーヴェン

  

   フリッツ・ライナー(Fritz Reiner, 18881219 - 19631115日)は、ハンガリー出身(ユダヤ系)の指揮者。

 ブタペスト出身でリスト音楽院で学ぶ。数多くのハンガリー出身者で米国で活躍した指揮者の第一人者。なぜ、ハンガリー出身者が台頭したのか?その謎は、ハプスブルク帝国にある。この帝国の最後の光芒あればこそ、時代を動かす多くの俊英の輩出があった。まずは、以下を参照。

ブルックナー/メモランダムⅥ②ー ハプスブルク帝国(1)
http://mituhirousui.wordpress.com/2006/07/09/%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%83%a1%e3%83%a2%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%a0%e2%85%a5%e2%91%a1%e3%83%bc%e3%80%80%e3%83%8f%e3%83%97%e3%82%b9%e3%83%96%e3%83%ab%e3%82%af/

ブルックナー/メモランダムⅥ③ー ハプスブルク帝国()
http://mituhirousui.wordpress.com/2006/07/14/%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%83%a1%e3%83%a2%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%a0%e2%85%a5%e2%91%a2%e3%83%bc%e3%80%80%e3%83%8f%e3%83%97%e3%82%b9%e3%83%96%e3%83%ab%e3%82%af/

ブルックナー/メモランダムⅥ④ー ハプスブルク帝国()
http://mituhirousui.wordpress.com/2006/07/15/%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%83%a1%e3%83%a2%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%a0%e2%85%a5%e2%91%a3%e3%83%bc%e3%80%80%e3%83%8f%e3%83%97%e3%82%b9%e3%83%96%e3%83%ab%e3%82%af/

ブルックナー/メモランダムⅥ⑤ー ハプスブルク帝国()
http://mituhirousui.wordpress.com/2006/07/15/%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%83%e3%82%af%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%83%a1%e3%83%a2%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%80%e3%83%a0%e2%85%a5%e2%91%a4%e3%83%bc%e3%80%80%e3%83%8f%e3%83%97%e3%82%b9%e3%83%96%e3%83%ab%e3%82%af/
 
 このうち、特に米国音楽界で大活躍した指揮者をハンガリアン・ファミリーと呼ぶ。その錚々たる顔ぶれは驚異的である。ハプスブルク帝国の滅亡、第二次大戦前のナチスの侵攻により、やむを得ない亡命があったゆえではあるが、ライナーはその中心人物の一人であった。次にハンガリアン・ファミリーに関して。
 
ハンガリアン・ファミリー1(総論)
http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-13.html

ハンガリアン・ファミリー2(特質)
http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-14.html

ハンガリアン・ファミリー3(バルトーク)
http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-15.html

ハンガリアン・ファミリー4(ライナー)
http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-16.html
 
いまからもう5年前になるが、Saturday, July 15, 2006に「ライナーのバルトーク」について以下のとおり書いた。ライナーの本当の「凄さ」を余すところなく示す演奏である。

 ・・・ライナーでバルトークを聴く。
◆管弦楽のための協奏曲 Sz116 1955年10月22日録音
◆弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 Sz106 1958年12月28、29日録音
   ◆5つのハンガリー・スケッチ op38 同上

どうしてこんなに自信にみちた演奏ができるのだろう。曖昧さが微塵もない。こうとしか演奏できない、といった「一意的」明確性の提示である。「聴覚」は一瞬も気のぬけない対応が求められる、ある種、締め付けられるような緊張感が漲る演奏である。

ライナーはバルトークに加えてベートーヴェン演奏で名をなした。当時、米国ではトスカニーニ/NBC交響楽団が最高位を占めていた。いまに至るまで、トスカニーニのベートーヴェンは他の追従を許さない規範的な名演であると思う。そして、トスカニーニ亡き後、全米で圧倒的な賛辞を得たのがライナーである。
トスカニーニ/規範的名演
以下は、ライナーのベートーヴェン/ラインナップである。シカゴ交響楽団の音はドイツ系のオケに比べて少し軽いが、そのテクニックの完成度は高い。今日は、5番、7番を聴いている。
【以下は引用】
ベートーヴェン:交響曲第1番(1961)、第3番「英雄」(1954、モノラル)、第5番(1959)、第6番「田園」(1961)、第7番(1955)、第9番「合唱付」(1961)、コリオラン序曲(1959)、フィデリオ序曲(1955)、ピアノ協奏曲第4番(ヴァン・クライバーン、1963)、同第5番「皇帝」(クライバーン、1961)、同第5番「皇帝」(ウラディミール・ホロヴィッツ、RCAビクター交響楽団、1952、モノラル) なお、ベートーヴェンの交響曲第2番(1954)はテレビ放送用の映像、同第4番(1958)と第8番(1958)はライヴ音源がそれぞれ残されており(いずれもモノラル)、それを併わせるとライナー指揮シカゴ交響楽団の演奏でベートーヴェン交響曲の全曲を聴くことができる。


  HMV レビュー
ベートーヴェン:交響曲第3番《英雄》」
 ライナー/シカゴ交響楽団

厳格なトレーニングによって現在のシカゴ交響楽団の礎を築いたハンガリーの名指揮者、フリッツ・ライナー。シカゴ響との最初期の録音(着任2シーズン目)から、1953年に収録された2曲をカップリング。日本初発売となる「英雄」はライナーのベートーヴェン録音の中では最も知られていない演奏ですが、トスカニーニに匹敵する凝縮された強靭な響きが全曲を一貫する凄まじいもの。《アイネ・クライネ》は、日本では特典盤としてCD化されていただけで、市販盤としては初CD化となる貴重な演奏。

交響曲第5番『運命』、『コリオラン』序曲 ライナー&シカゴ交響楽団(XRCD)

  HMV レビュー

Ludwig van Beethoven(1770-1827) Symphony No.5 in C Minor,Op.67    

1 Allegro con brio 731

2 Andante con moto   1004

3 Allegro   527

4 Allegro

(Recorded May 4,1959)   759

5 Coriolan Overture,Op.62

(Recorded May 5,1959)   653

  

Chicago Symphony Orchestra

Fritz Reiner, conductor

(Recorded in Orchestra Hall, Chicago)



Reissue Produced by Jon Samuels

Digitally remastered in BMG/RCA Studio,New York City

Marian Conaty,Francis X.Pierce,engineers

Digitally remasterd at JVC Mastering Center, YOKOHAMA

Mastering Engineer Hiromichi Takiguchi (JVC)

Under Supervision Kazuie Sugimoto (JVC)

Art Direction Kazuhiko Takahashi (JVC)


HMV レビュー
 
Ludwig van Beethoven Symphony No.6 in F Op.68 "Pastoral"

1 I Allegro ma non troppo 10:16

2 II Andante molto mosso 14:06

3 III Scherzo:Allegro 3:20

4 IV Allegro 3:58

5 V Allegretto 8:59
  
Sidney Harth,Violin
 
Chicago Symphony Orchestra
 
Fritz Reiner, conductor

Recorded : April 8 & 10,1961 (Orchestra Hall,Chicago)
  Produced by Richard Mohr 
Recording Engineer : Lewis Layton
  First Release : LM-2614(MONO),LSC-2614(STEREO) (October 1963) Matrix Number : M2RY-1545/1546 
xrcd-Remasterd : June 21,2002(JVC Mastering center,YOKOHAMA)
  Mastering Engineer : Hiromichi Takiguchi (JVC) 
Under Supervision : Kazuie Sugimoto (JVC)
  Art Direction : Kunihisa Fujiwara 
Artist Photo : BMG Classics
  
Special Thanks to 
Jon Samuels (Producer, BMG Classics N.Y.)
   Robert Gordon (Director of Studio Oparation, BMG Classics N.Y.) 
Dennis Ferrante (BMG Engineer, BMG Classics N.Y.)
   Ryusuke Kozawa(BMG FUNHOUSE)
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ベートーヴェン:
・交響曲第7番イ長調Op.92
・歌劇『フィデリオ』序曲Op.72b
 シカゴ交響楽団
 フリッツ・ライナー(指揮)
 録音時期:1955年、(Op.921024日、(Op.72b1212日(ステレオ)
 録音場所:シカゴ、オーケストラ・ホール
 マスター:オリジナル2チャンネル・マスター使用
 オリジナル・プロデューサー:リチャード・モア
 オリジナル・レコーディング・エンジニア:ルイス・レイトン
 リマスタリング・エンジニア:瀧口博達
 LP初出:LSC-1991September 1956
 JVC K2 20 BIT REMASTERING/STEREO
 (P) 1955 Sony BMG Music Entertainment.
 Under license to Victor Company of Japan, Ltd
 
剛直でしかも繊細。細部まで緻密に配慮された巨匠ならではのベートーヴェン。ライナー=シカゴ響初期の充実を音として刻み込んだ名録音。
 ライナーがシカゴ響と残した6曲のベートーヴェン交響曲録音は、いずれも個性的な解釈が随所に光る名演ぞろい。1955年に録音されたこの第7番は、シュタルケルがチェロ首席として在籍していたころのライナー=シカゴ響の充実ぶりを物語るLP初期の名演盤。細部まで緻密にバランスが整えられた響きによる思い入れを排した剛直な解釈は、20世紀中葉のベートーヴェン演奏の模範といえるもの。実演よりも録音向きだった1950年代のシカゴ・オーケストラ・ホールの美しい響きも聴きものです。
 なおオーケストラは、コントラバスを舞台下手側(左チャンネル)に置き、左から第1、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラと並べた変則的な配置によっています。
(杉本一家による選定コメント):
シカゴのオーケストラ・ホールは、ボストン・シンフォニー・ホールよりも録音に向いていたようで、このホールで収録された1950年代・1960年代のライナー=シカゴ響の録音はいずれも高いクオリティに仕上がっており、オーケストラのトゥッティの響きと各パートのバランスの明晰さが両立した名録音が多いです。この1955年の録音の2曲は、ステレオで収録されたライナー初のベートーヴェン作品となったものですが、SHM-CD化によってホールの残響感が増し、低域を支えるコントラバス・パートの輪郭がさらにはっきりしました。交響曲第7番第1楽章コーダ部分の低域のオスティナートが、左チャンネルのコントラバスと右チャンネルのチェロとスピーカーの両方から強力に聴こえてくる録音は、このライナー盤以外にはあまりないと思います。(BMG)

 
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ベートーヴェン:交響曲第9番『合唱』、『コリオラン』序曲
ライナー&シカゴ交響楽団
フリッツ・ライナーとシカゴ交響楽団によるベートーヴェンの交響曲の録音は、第1番、第5番、第6番、第7番、第9番の5曲がステレオで、第3番がモノラルで残されています。この第9番は遅めのテンポで作品を雄大に描き上げ、特に、随所で独自のアゴーギクを聴かせる第1楽章や、創設間もないシカゴ・シンフォニー・コーラスが花を添える壮麗な第4楽章は、ライナーのもとで全盛期をむかえていたシカゴ響の充実した響きを堪能できます。レコード芸術推薦。(BMG)
 
・交響曲第9番ニ短調Op.125『合唱』
 フィリス・カーティン(ソプラノ)
 フローレンス・コレプフ(コントラルト)
 ジョン・マッカラム(テノール)
 ドナルド・グラム(バス)
 シカゴ・シンフォニー・コーラス(合唱指揮:マーガレット・ヒリス)
 シカゴ交響楽団
 フリッツ・ライナー(指揮)
  録音時期:195955日(序曲)、196151-2日(合唱)
 録音場所:シカゴ、オーケストラ・ホール
 ステレオ
 

 
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クライバーン/ベートーヴェン:『皇帝』
 
録音当時アメリカの「期待の星」だったヴァン・クライバーンと、巨匠フリッツ・ライナー指揮する絶頂期のシカゴ交響楽団とが組んだ名コンチェルト2曲をカップリング。若きクライバーンの伸びやかで開放的なソロを包み込むように、ライナーがシカゴ響から包容力のある響きを引き出しています。2人はこのほかにブラームスやラフマニノフでも共演し、いずれも名盤として知られています。リビング・ステレオのCDシリーズでは、シューマンはプロコフィエフの協奏曲第3番と、『皇帝』はラフマニノフの協奏曲第2番とカップリングされていたので、今回のSACDシリーズは新カップリングとなります。(BMGジャパン)
 
・シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
 録音:1960416日 シカゴ、オーケストラ・ホール(3トラック録音)
・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調『皇帝』
 録音:196154,12日 シカゴ、オーケストラ・ホール(3トラック録音)
 
 ヴァン・クライバーン(p
 シカゴ交響楽団
 フリッツ・ライナー(指揮)


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ホロヴィッツは長い演奏家人生の中で、あまりベートーヴェンの音楽の公演は開きませんでしたが、LPレコード草創期の1950年代には、ライナー指揮RCAビクター交響楽団と「皇帝」を録音する機会に恵まれました。ホロヴィッツの弾く「皇帝」は、明晰でバランスが整った美しさと多彩な音色を誇る傑出した演奏芸術となっています。英国の評論家ジョアン・チッセルは1990年にこう書きました。「ここ数年聴いたホロヴィッツのレコードの中でも、この録音以上にホロヴィッツが伝説的な存在となったということを実感させたものは無い。」ラフマニノフの「第3」ピアノ協奏曲はホロヴィッツの代名詞のようなものであり、目くるめくような超絶技巧が発揮されています。この1951年録音は、三度の公式録音中二回目にあたるものです。 8.110787

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ライナー&シカゴ交響楽団の黄金時代 1954-57年(3CD)
 
・ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 op.55『英雄』(1954124日)
・ベートーヴェン:『フィデリオ』序曲(19551212日)
・ヨハン・シュトラウスⅡ世:『美しき青きドナウ』 op.3141957415/16日)
・ヨハン・シュトラウスⅡ世:『皇帝円舞曲』 op.4371957415/16日)
・ヨーゼフ・シュトラウス:『オーストリアの村つばめ』op.1641957415/16日)
・ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 op.9219551024日)
・ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 op.95『新世界より』(1957119日)
・ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』(1957127日)
・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 op.2319551029日)
 シカゴ交響楽団
 エミール・ギレリス(ピアノ):チャイコフスキー
 フリッツ・ライナー(指揮)
 24-BIT REMASTERING

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