土曜日, 4月 02, 2016

ブーレーズ Pierre Boulez

管弦楽曲集、ピアノ協奏曲 ブーレーズ(5CD)
Ravel: Pierre Boulez Conducts

ブーレーズのラヴェル集5枚組。ただし、ベルリン・フィル盤 ラヴェル:ボレロ、スペイン狂詩曲、他 などもありこれは旧録音である。

ラヴェルの音楽は、誇り高き本場フランスのオケで・・・といった先入主も(一部には)あるが、早くから米国などで受容された事実が示すように、本来、現代性、コスモポリタン性に富む。しかし、管弦楽曲に関する限り、超一流のオケであることは必須要件だろう。本集の太宗をしめるクリーヴランド管、ニューヨーク・フィルはその点では申し分のない技量である。

また、ラヴェルの魅力は、管と弦の<完全融合>のえもいわれぬ<愉悦感>にあると思うが、ブーレーズは実にブレンダー能力の高いシェフである。音量よりも特有の柔らかなリズムと研ぎ澄まされた絶妙な音質に耳を傾ける見事な成果である。

ブーレーズ・コンダクツ・シェーンベルク(11CD)
Pierre Boulez Conducts Schoenberg

ブーレーズ壮年期から円熟期の1974~86年にかけてセッション録音されたシェーンベルク集。この価格でほとんどの作品をカヴァーでき、かつ多くの演奏は首席指揮者を務めたBBC交響楽団との共演。小生は1970年大阪万博で『モーゼとアロン』を見て衝撃をうけ、また1975年来日時にこの組み合わせで、ブーレーズ「リチュエルーマデルナの追悼の為に」ほかを聴いたが、その前日演奏された5つの管弦楽曲も絶賛されたもの。ブーレーズはのちにシェーンベルクから距離をおくが残された本録音の質の高さはいまだに最高峰のもの。

【収録内容】

・歌劇『モーゼとアロン』 
ギュンター・ライヒ(Br/モーゼ)、リチャード・キャシリー(T/アロン)、フェリシティ・パーマー(Sp/少女)、ジリアン・ナイト(Ms/病める女)、ジョン・ウィンフィールド(T/若い男、裸の若者)、ジョン・ノーブル(Br/もう一人の男)、ローランド・ヘルマン(Br/エフライムの徒)、リチャード・アンガス(Bs/祭司)ほか オルフェウス少年合唱団
 
・『グレの歌』 
ジェス・トーマス(T/ヴァルデマール)、マリタ・ネイピアー(Sp/トーヴェ)、イヴォンヌ・ミントン(Ms/山鳩)、ジークムント・ニムスゲルン(Bs/農民)、ケネス・ボウエン(T/道化クラウス)、ギュンター・ライヒ(語り) BBCコーラル・ソサイエティ ゴールドスミス・コーラル・ユノン ロンドン・フィル合唱団の男声メンバー
 
・オラトリオ『ヤコブの梯子』 
ジークムント・ニムスゲルン(ガブリエル)、ケネス・ボウエン、イアン・パトリッジ、ポール・ハドソン、ジョン・シャーリー=カーク、アンソニー・ロルフ・ジョンソン、オルトルン・ヴェンケル、マディ・メスプレ

・『月に憑かれたピエロ』Op.21 
イヴォンヌ・ミントン(シュプレシシュティンメ)、ダニエル・バレンボイム(P)、ピンカス・ズッカーマン(Vn)、リン・ハレル(Vc)、ミシェル・デボスト(Fl)、アンソニー・ペイ(CL)

・モノドラマ『期待』 Op.17  ジャニス・マーティン(Sp)
・音楽劇『幸福の手』 Op.18  ジークムント・ニムスゲルン(Bs)
・4つの歌曲 Op.22  イヴォンヌ・ミントン(Ms)
・ワルシャワの生き残り Op.46 ジョン・シャーリー=カーク ギュンター・ライヒ(語り) ロンドン・シンフォニエッタのメンバー  BBCコーラス
・混声合唱のために編曲した3つのドイツ民謡  ジョン・シャーリー=カーク(語り)
・『地には平和を』 Op.13
・5つの管弦楽曲 Op.16
・4つの混声合唱曲 Op.27
・3つの諷刺 Op.28
・管弦楽のための変奏曲 Op.31
・『映画の一場面への伴奏音楽』 Op.34
・6つの無伴奏男声合唱曲 Op.35
・『コル・ニドライ』 Op.39
・3つのドイツ民謡 Op.49
・千年を三たび Op.50a
・詩篇第130番『深き淵より』 Op.50b
・現代詩篇 Op.50c
・2つのカノン
 
 (演奏)BBC交響楽団 BBCシンガーズ

・『浄められた夜』Op.4(六重奏版)
・室内交響曲第1番ホ長調 Op.9
・室内交響曲第2番変ホ短調 Op.38
・室内管弦楽のための3つの小品
・組曲 Op.29
・セレナーデ Op.24 ジョン・シャーリー=カーク(Bs-Br)
・『ナポレオンへの頌歌』 Op.41  デイヴィド・ウィルソン=ジョンソン(語り)
・『山鳩の歌』  ジェシー・ノーマン(Sp)
 
(演奏)アンサンブル・アンテルコンタンポランのメンバー

・『浄められた夜』Op.4(弦楽合奏版)

(演奏)ニューヨーク・フィルハーモニック

『ペトルーシュカ』(1911年版)、『春の祭典』 ブーレーズ&クリーヴランド管弦楽団
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカ 春の祭典            

春の祭典とペトルーシュカなどストラヴィンスキー解釈について、ブーレーズ「以前」と「以降」では指揮者に再考を促したともいわれる音源。ブーレーズにはほかの録音もあるが、クリーブランドを振った本盤が規準版といっていいと思う。初演以来、スキャンダルさをもって登場した「春の祭典」では、それに引きずられ演奏も過度にアクセントをつけたものも多いが、ブーレーズは、緻密な構成と音楽の純度を高め、冷静に劇的な叙事詩としてこれを表現しているように感じる。一方、「ペトルーシュカ」も同様なアプローチだが、細部をゆるがせにせず、リズムとメロディの最適バランスをもって、管弦楽の精華とでもいうべき高みに達している。いまだベスト盤の一角を占める名演である。

Various: Un Siecle De Musique
Various: Un Siecle De Musique

<ブーレーズ>

・ドビュッシー:交響詩『海』、夜想曲、交響組曲『春』、牧神の午後への前奏曲、バレエ音楽『遊戯』、ニュー・フィルハーモニア管(1966年、1968年)

・同:管弦楽のための『映像』、神聖な舞曲と世俗的な舞曲、クリーヴランド管(1967年)

・ラヴェル:『シェエラザード』序曲、高雅で感傷的なワルツ、バレエ音楽『マ・メール・ロワ』、『ジャンヌの扇』~ファンファーレ、組曲『クープランの墓』、 海上の小舟、ボレロ、ニューヨーク・フィル(1971-1976年)

・同:スペイン狂詩曲、道化師の朝の歌、亡き王女のためのパヴァーヌ、クリーヴランド管(1969-1970年)

・ブーレーズ:『ル・マルトー・サン・メートル(主のない槌)』、イヴォンヌ・ミントン(メゾ・ソプラノ)、アンサンブル・ミュジーク・ヴィヴァント(1966年)

・同:弦楽のための書、ニュー・フィルハーモニア管弦楽アンサンブル(1972年)

・デュカス:『ラ・ペリ』、ニューヨーク・フィル(1975年)
 
エラート名演コレクション(50CD)
 
【Disc6】
 
ブーレーズ
・婚礼の顔
・水の太陽
・フィギュール=ドゥーブル=プリズム

ピエール・ブーレーズ(指揮)BBC交響楽団
 
【Disc24】

メシアン:
・天国の色彩
・われ死者の復活を待ち望む
イヴォンヌ・ロリオ(ピアノ)
ストラスブール・パーカッション・グループ
アンサンブル・ドメーヌ・ミュジカル
ピエール・ブーレーズ(指揮)
 
【Disc42】

・ストラヴィンスキー:『プルチネッラ』全曲
アン・マレイ(メゾ・ソプラノ)
アントニー・ロルフ・ジョンソン(テノール)
サイモン・エステス(バス)
アンサンブル・アンテルコンタンポラン
ピエール・ブーレーズ(指揮)

・ストラヴィンスキー:交響詩『うぐいすの歌』

ピエール・ブーレーズ(指揮) フランス国立管弦楽団

録音時期:1980~1981年(ステレオ)

 
『パルジファル』全曲 ブーレーズ&バイロイト、キング、ジョーンズ、他(1970 ステレオ)(4CD)
 

マーラー:交響曲第3番


ブルックナー:交響曲第8番
ブルックナー:交響曲第8番

ブルックナー没後100年記念として1996年9月、ザンクト・フローリアン教会でのウィーン・フィルとのライヴ録音。ハース版による演奏。それまでブーレーズがブルックナーを振った音源が一般に知られておらず、この記念すべきコンサートにブーレーズが起用されたこと自体、その話題性は十分だった。

 ブーレーズは周到に準備をしたと思う。驚くべき解析力であり、さすがにスコアを読み尽くし音楽を再構成するという、自身も現代音楽の代表的な作曲家であるブーレーズならではアプローチの演奏である。

 残響効果も巧みに計算に入れて全体構成を考えており、ウィーン・フィルの持ち前の木管楽器の世界最高水準の美しさは絶品。その分、金管の咆哮はかなり抑え気味で(実際の臨場感は別、こちらは録音テクニックかも知れないが)、全体のバランス感が見事に統御されている。

 アゴーギクなどは抑制されほとんど感じないレベル、いわゆる「激情型」とは無縁の理知的な運行ながら、しかしクールな計算だけでない、音楽へのブーレーズ流の渾身の「入れ込み」は確実に伝わってくる。特に、テンポの微妙な変化、フレーズの絶妙な融合、両者のシンクロナイズ化によって、長い楽章も休止や転調を区切りとする「局所変化」が多様でまったく飽きさせない。好悪はあろうが、ブルックナーでもこうした「知的」演奏スタイルは実に有効といった見本のような演奏。

 

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