金曜日, 2月 01, 2019

ドホナーニ ブルックナー Dohnanyi Bruckner


ブルックナー:交響曲第3-9番 他

【以下は引用(商品の説明)】
                                     
ドホナーニの隠れた傑作ブルックナー。
発売当時はそれほど評価が高くなかったものでも、現在においてはその流通量の少なさと再評価により過去の発売盤がレア盤となるケースが最近多くなっています。もちろん、時代の遥か先を行く解釈故のケースもあれば、単なる珍しさもありますが、ドホナーニに至っては明らかに前者でしょう。特にこれら一連のクリーヴランド管との録音は、全集にならなかったことと、その後DECCAとの録音が途絶えてしまったこと、そして当時の日本ではその評価が一定していなかったことにより、昨今これらの盤は非常にレアとなっておりました。単売での発売以外でも輸入盤の2枚組で一時発売されておりましたが(6番のみ漏れる)、それらも最近では見かけなくなっておりました。
演奏自体は、ドホナーニの解釈はブルックナーの響きをマスで捉える鳴らし方ではなく、細部にまで耳が行き届いた、まるでスコアの深部まで抉るような演奏であったことから一部の方々には当時は受け入れられなかったのでしょうか、あまりCDが流通しなかったことは確かです。しかし、現在においては近似した解釈がより増加し、かえってドホナーニの解釈が注目を集める(回顧する?)事態となってきました。
マーラーにおいても斬新な解釈を試み、ブルックナーにおいてもその試みを貫いたドホナーニの演奏は、今でこそ輝きを放つかもしれません。今回の発売で、初めてドホナーニのDECCAに残したブルックナー録音を集成しました。この盤の価値は、図り知れないものがあります。

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☛ 商品の説明としては、正直ながら控えめすぎる、斜に構えたような解説である。以下を順次聴く。

【収録情報】
・ 第3番 ニ短調《ワーグナー》(1877年エーザー版) 1993年6月1日
・ 第4番 変ホ長調《ロマンティック》(1878/80年ハース版)1989年10月
・ 第5番 変ロ長調(ノーヴァク版)1991年1月
・ 第6番 イ長調(ノーヴァク版)1991年10月
・ 第7番 ホ長調(ノーヴァク版)1990年8月
・ 第8番 ハ短調 (1890年ハース版)1994年2月6-7日
・ 第9番 ニ短調1988年10月

・ヨハン・セバスティアン・バッハ(1685-1750)(ウェーベルン編):6声のフーガ(リチェルカーレ)-《音楽の捧げ物》から1993年6月

クリストフ・フォン・ドホナーニ(指揮)クリーヴランド管弦楽団
クリーヴランド、マソニック・オーディトリム、セヴェランス・ホールにて収録

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☛ クリーヴランド管の録音以降、フィルハーモニア管とも収録を行っている。

【以下は引用(商品の説明)】

ブルックナー交響曲第4番
ドホナーニ&フィルハーモニア管弦楽団
シグナム・クラシックスの「フィルハーモニア管弦楽団シリーズ」から注目のリリース。同楽団の首席指揮者を長く務め、現在は終身名誉指揮者となっているドイツの指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニ[1929ベルリン- ]が、首席指揮者退任の年に指揮したブルックナー交響曲第4番『ロマンティック』の登場です。
 ドホナーニとフィルハーモニア管弦楽団の相性は非常に良く、ブラームスの交響曲全集とR.シュトラウスの英雄の生涯でも、各パートの存在感を克明に示しながらも重厚でスケールの大きい巨匠的な演奏を繰り広げていたのが印象的でした。
 今回のブルックナーはそれらとほぼ同じ時期である2008年10月にライヴ・レコーディングされたもので、会場はいつものロイヤル・フェスティヴァル・ホールということで、いつもながらのライヴ離れした高水準な音質も期待できそうです。(HMV)

【収録情報】
・ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調 WAB.104『ロマンティック』[ハース版]

 フィルハーモニア管弦楽団
 クリストフ・フォン・ドホナーニ(指揮)

 録音時期:2008年10月30日
 録音場所:ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
 録音方式:デジタル(ライヴ)
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シグナム・クラシックス(Signum Classics)とフィルハーモニア管弦楽団のコラボレーション・シリーズの最新作は、終身名誉指揮者クリストフ・フォン・ドホナーニが振るアントン・ブルックナーの「交響曲第9番」、2014年ザルツブルク音楽祭ライヴ!
1988年に当時の手兵クリーヴランド管弦楽団を振り、ブルックナーの「交響曲第9番」をレコーディングしているドホナーニ。ドホナーニにとって85歳のバースデー・シーズンの幕開けとなった2014年のザルツブルク音楽祭のライヴ・レコーディングでは、約25年
という歳月を経て、円熟の境地に達した巨匠の至芸と解釈に大きな注目が集まることだろう!
(東京エムプラス)

【収録曲】
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調(ノヴァーク版)
【演奏】
クリストフ・フォン・ドホナーニ(指揮)
フィルハーモニア管弦楽団
【録音】
2014年8月7日 オーストリア、ザルツブルク 祝祭大劇場

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☛ ドホナーニはルーツからみていわゆるハンガリアン・ファミリーの一員(ただし音楽修行はドイツ)。その系譜からは、ブルックナー全集を録音したショルティ/シカゴ響が先行成果。また、クリーヴランド管では、これもハンガリアン・ファミリーの大家、セルもブルックナーを取り上げている。
http://shokkou.blog53.fc2.com/blog-entry-13.html

☛ 以下は、ドホナーニ/クリーヴランド管のBOXから各番ごとに若干のコメントを・・・

第3番(1877年エーザー版) から聴きはじめる。この版ではクーベリックの名盤があるが、これを採用する指揮者は多くはない。録音のせいか金管がややきつく響き、気になるが弦楽器のアンサンブルはさすがに表情豊か。手慣れた印象で全体にクセのないオーソドックスな演奏。最終楽章のダイナミクスの起伏は十分。

第4番 (1878/80年ハース版)に移る。はじめは穏当な演奏という言葉が浮かび上がってくる。テンポは動かさず、弦楽器の上質な響きの伸びやかさ、きびきびとしたリズム感が心地よい。しかし、聴きすすむうちに、そこに不思議な深さの感覚が芽生えてくる。たとえれば、水の透明度が高いので、コバルトブルーの海底まで光が通っていくような感じ。こうした独特の”音”がだせるためには大変な技量がいると思う。第7番とも共通するが、ブロムシュテット/ドレスデンの演奏との共有点を感じる。

 第5番(ノーヴァク版)については以下を参照
https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R31QCJO5GFD4MF/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B00000E4X1

第6番 (ノーヴァク版)も実に良き演奏である。この曲の面白さは冒頭楽章において、いつもの”構え”をはずしたような天真爛漫さにあると思う。ブルックナーにおいて、いつもの”原始霧”からの立ち上がりではなく、あっけらかんとした、活動的な第1楽章。通例のブルックナーの交響曲だと第3楽章に置かれても収まるような明快さがある。ドホナーニの演奏は、それを考慮し思い切り明るく、健康的にこの第1楽章を演じてみせ、聴きどころの第2楽章へ繋いでいく。一方、後半2楽章は、クレンペラーのように速度をあげてスッキリと仕上げていく。内容の密度ではクレンペラーに比肩する出来栄えといえようが、個性的ではない。むしろ、あくまでも自然体で本曲の良さを十分に表現しようという意欲が伝わってくる。

 第7番 (ノーヴァク版)は、第4番同様、オーソドックスな解釈。テンポは速めでやや可変的。ときに管楽器のアタックが強く響く。弦楽のアンサンブルの見事さともに、録音については第3番と同様な感想をもつが、これは収録ホールの残響のせいかも知れない。重要な第2楽章、テンポを落とした表現には奥行があり、ドホナーニが自らのブルックナー像の提示に注力する姿が見えるようだ。クールな印象のあるドホナーニだが、彼の内なる”ブルックナー”はときに温かな鼓動とともにある。そして、もっとも大切なのは、途切れぬ緊張感を維持すること、そこを意識した演奏と思う。

 第9番を聴く。録音は1988年10月。このチクルスの初録音であり、その後、  第4番は1989年10月、 第7番は1990年8月、  第5番は1991年1月、 第6番は1991年10月、少し間をおいて、第3番は1993年6月1日、最後に第8番は1994年2月6-7日の収録である。初録音のせいか録音態度も慎重。全体的な傾向としても通底はするが、後年の演奏に比しても、とくに個々の楽器の音が実にクリアに録れている。それは神経質なほどのクリアさである。楽譜と見比べて聴くにはこれほど良い録音はめずらしいのではないかと思わせる。また、ドホナーニにしては、かなり気負った演奏という気もする。最後の作品といったセンティメントは感じない。第1楽章はダイナミクスが大きく、終楽章の表現も濃厚である。

第8番 (1890年ハース版)を最後に聴く。amazonなどで調べても第8番は、現在、廃盤で単発ではリリースされていないようだ。しかし、上記のとおりクリーヴランド管とのチクルスの最後の成果であり、熱気をはらんだ良い演奏である。

ブルックナーの交響曲演奏で重要なのは、内在する一定の”波動”をコンスタントに維持することである。ドホナーニも当然、意識しているが、細部の彫琢に関心が寄せられるとき、ふっとそれが消えるような気もする。ベイヌムでは、どの演奏でも早くその”波動”に乗り、オーケストラもリスナーも最後までウエーブのうえでもっていかれる。ドホナーニと分析型アプローチの似ているシノーポリもこの”波動”は一定で崩れない印象。そのあたりは、もう少し聴き込んで検証してみたい気がする。

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