日曜日, 10月 10, 2021

モーツァルト:ヴァイオリン曲集 名盤探訪


 









まず、ワルター・バリリについて。弦楽四重奏曲集でも掲げたがモーツァルト演奏の第一人者。

MR.ウィーン・フィルの記録

ワルター・バリリは往時、MR.ウィーン・フィルとの異名をとったヴァイオリンの名手でコンマス、バリリ弦楽四重奏団でも活躍した(1966~1969年ウィーン・フィル楽団長)。パウル・パドゥラ=スコダとのモーツァルトのヴァイオリン・ソナタでは馥郁たる演奏でリスナーを魅了した。
<曲目>
【モーツァルト】
・ヴァイオリン・ソナタ第20 番(1952)、第24 番(1952)、第25番(1952)、第28番(1952)、第29番(1952)、第32番(1954)、第33番(1952)、 第35番(1951)、第37 番(1954)、第40 番(1951)、第41番(1954)パウル・パドゥラ=スコダ(ピアノ)
・協奏交響曲 変ホ長調 パウル・ドクトール(ヴィオラ)フェリックス・プロハスカ/ウィーン国立歌劇場管(1951, Vienna)

・歌劇「羊飼いの王様」からアリア(1952,Vienna)
ヒルデ・ギューデン(ソプラノ) エレーデ/ウィーン・フィル
【J.S.バッハ】
・ヴァイオリン協奏曲第1 番、第2番 パウル・ドクトール(ヴィオラ)、シェルヘン/ウィーン国立歌劇場管(1954, Vienna)
【ブラームス】
・ホルン・トリオ 変ホ長調, Op.40フランツ・コッホ(ホルン) フランツ・ホレチェック(ピアノ) (1952, Vienna)
【ヤナーチェク】
・ヴァイオリン・ソナタ フランツ・ホレチェック(ピアノ)
【ドゥムカ】
・ヴァイオリンとピアノのための [1880] 同上
【チャイコフスキー】
・カンツォネッタ オットー・A・グラーフ(ピアノ)
【パガニーニ】
11 ロッシーニ歌劇「エジプトのモーゼ」の主題による序奏と変奏曲 同上(1936, Berlin)
【フォスター(ロイター、クラーフ編曲)】
・スワニー河 同上
【ショパン(サラサーテ編曲)】
・夜想曲変ホ長調, 同上
【ヴィエニャフスキ】
・スケルツォ・タランテラ, 同上
【ドヴォルザーク】
・ユモレスク第7番, 同上
【マスネ】
・タイスの瞑想曲 同上(1938?)

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次にジノ・フランチェスカッティ。この人は器用すぎて損をしているようなところもあるが、その実力は晩年のワルターも認めたところ。

👉 名盤探訪 Francescatti  モーツァルト : ヴァイオリン協奏曲 第3番 & 第4番  Wolfgang Amadeus Mozart : Violon Concerto No.3 in G major, K.216 | Violon Concerto No.4 in D major, K.218

名匠フランチェスカッティ 1950年代の旧盤中心の廉価盤

ハイフェッツと同時代にアメリカで活躍した名ヴァイオリニストが、ジノ・フランチェスカッティである。正統派ハイフェッツに対して、小品集などで紹介されることが多く、当時の日本では故なき格下の印象もあったかも知れないが、以下のラインナップをみて、アメリカでは実力、人気とも大変な名匠であることがわかる。卓抜な技巧もさることながら、甘美な表現でも品の良さを失わない磨かれたセンスが光る演奏スタイルに特色。
本集は1940年代から50年代の演奏が中心で、その後のステレオ録音  
チャイコフスキー、メンデルズゾーン、ブルッフ、ラロ、シベリウス:ヴァイオリン協奏曲集  などもあり、一般には、そちらを先に聴くべきかと思う。
その一方、ワルター、ミトロプーロスらの巨匠との共演には魅力があり、またカサドシュのピアノも秀逸。但し、これも別の廉価盤もあり選択の幅は広い。

<収録情報>
【モーツァルト】
ヴァイオリン・ソナタ第41番:カサドシュ(ピアノ)(1950年)
ヴァイオリン協奏曲第3番、第4番:ワルター/コロンビア響(1958年)

➡  
Conductor of Humanitiy

【J.S.バッハ】

無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番、第3番(1950年、1952年)

ヴァイオリン協奏曲第2番:セル/クリーヴランド管(1953年)

【ベートーヴェン】
ヴァイオリン・ソナタ第7番、第8番:カサドシュ(P)(1953年)
ヴァイオリン・ソナタ第9番『クロイツェル』:カサドシュ(P)(1949年)
ヴァイオリン協奏曲:オーマンディ/フィラデルフィア管(1950年)
ロマンス第1番、第2番:モレル/コロンビア響(1952年)

【ブラームス】
ヴァイオリン協奏曲:オーマンディ/フィラデルフィア管(1956年)
【パガニーニ】
ヴァイオリン協奏曲第1番:オーマンディ/フィラデルフィア管(1950年)
ーーーーーーーーーーー
【メンデルスゾーン】
ヴァイオリン協奏曲:ミトロプーロス/ニューヨーク・フィル(1954年)
【ブルッフ】
ヴァイオリン協奏曲第1番:ミトロプーロス/ニューヨーク・フィル(1952年)
【サン=サーンス】
ヴァイオリン協奏曲第3番:ミトロプーロス/ニューヨーク・フィル(1950年)
【チャイコフスキー】
ヴァイオリン協奏曲:ミトロプーロス/ニューヨーク・フィル(1954年)
【プロコフィエフ】
ヴァイオリン協奏曲第2番:ミトロプーロス/ニューヨーク・フィル(1952年)
【ショーソン】
詩曲:オーマンディ/フィラデルフィア管(1950年)
➡以上、 
Materworks Heritage  も参照

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グリュミオーはハスキルのところで述べることとして、ここでは、ミルシテインのアスコーナ・ライブ音源からのモーツァルトを。

ミルシテイン/アスコーナ・リサイタル

ミルシテイン、得意の曲の古きライヴ盤。ミルシテインのライヴは1986年にブラームスを聴いたことがあるが、彼の固有の魅力、繊細で澄んだ響きは心を清浄にしてくれるような作用がある。本集はどれも楽しめるが、バッハのパルティータが特筆すべきか。ここでは美しさよりも強き響きが際立ち、鋭き陽光が深き透き通った水底に直線的に到達していくような独特の感覚がある。迫力ある名演。

(収録情報)
・モーツァルト:アダージョ K.261
・モーツァルト:ロンド K.373

・J.S.バッハ:パルティータ BWV1004〜シャコンヌ
・ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番『春』
・パガニーニ:奇想曲より(op 1-5,11)
・ストラヴィンスキー:ロシアの歌
・フランツ・リース:無窮動

 ナタン・ミルシテイン(ヴァイオリン)
 アルトゥール・バルサム(ピアノ)
 録音:1957年10月11日 アスコーナ(ライヴ)

→  
Great Chamber Music  にて聴取

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最後にムターについて若干。

👉 ムターは女王だろうか?  Anne-Sophie Mutter

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