土曜日, 11月 30, 2013

ベイヌムを聴く 2 

ブラームス:交響曲全集


ベイヌム、コンセルトヘボウ管弦楽団によるブラームス交響曲全集。各録音時点は、第1番(1958106,7日)、 2番(1954517-19日)、 3番(1956924,25日)、 4番(195851-3日)で、1、4番はステレオ収録で単発でも比較的入手しやすいが、23番を聴きたければ本集選択がよいだろう。

一気に4曲を聴く。全体の感想は、「力押し」の部分のない自然体の構え。コンセルトヘボウの音色は、そのブラームス像にほの明るさを点じており、実の聴きやすく落ち着きのある心地よき響きである。

ゆえに、チェリビダッケのような情念の渦巻きを感じることもなければ、フルトヴェングラー流「渾身の一撃」のリズミックさなど「エッジの立った」アプローチとは明らかに異なる。全体に自由度をもったオーケストラ操舵を感じさせ、ベームの如き厳しい緊張感、統制力はない。

感情移入の奥深さこそベイヌムの魅力であり、統制の緩さは、独特のほのぼの感を滲ませ、力押しはなくともコンセルトヘボウの内燃度は高く、各番ともに、ここぞという楽想でのダイナミズムに不足はない。

4曲を通しで聴いて、格調あるブラームスの世界に浸れるという意味では、ケンペとともに佳き演奏であり、ベイヌム・ファンにははずせないアイテムだろう。
 
(参考)
 

【チェリビダッケ】

http://www.amazon.co.jp/Conducts-Brahms-Sym-1-4-Sergiu-Celibidache/dp/B000023Y19/ref=cm_cr_dp_asin_lnk 

  【フルトヴェングラー】

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC4%E7%95%AA-%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%BC-%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A0/dp/B00069BOEQ/ref=cm_cr_dp_asin_lnk 

   【ベーム】

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC1%E7%95%AA-%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%A0-%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/B000CSUWHG/ref=cm_cr_dp_asin_lnk

  【ケンペ】

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E5%85%A8%E9%9B%86-%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%83%9A-%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95/dp/B00005FHQU/ref=cm_cr_dp_asin_lnk

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