火曜日, 4月 13, 2010

カラヤン エクセレンス!

 












晩年、カラヤンはベルリン・フィルと決別して、ウィーン・フィルに回帰した。ブルックナーの第7,8番などを残したが、ぼくは残念ながら、いまひとつ乗れない。しかし、下記の壮年期の演奏は別である。これは、驚くべき記録であり、その音楽の<純度>、爽快な<迫力>には得難い魅力がある。
 
帝王カラヤンのもっとも充実した時期の記録であり、ウィーン・フィルは、このカリスマとの邂逅に、持てる力を出し切っている。それに遡ってのエンジェル・レーベルのフィルハーモニー管弦楽団との演奏は一世を風靡した。録音の良さもあって販売は好調だった。そのモメンタムはウィーン・フィルにもあったろう。帝王カラヤンとの共演は、なにより世界に売れる得難い価値がある。選曲もよし、カラヤン・ライヴラリーでもこれを超える演奏は稀、1960~70年代のベルリン・フィルと双璧といった充実ぶりである。短く濃厚で緊張感があった時代ゆえかも・・・。その後のベルリン・フィルとの関係が<結婚>だったとすれば、5年ー束の間のウィーン・フィルとの関係は熱き<恋愛>関係にも似たり、とでもいえようか。 

<以下は全てHMVからの引用>
 CD 1
 ・ブラームス:交響曲第1番ハ短調作品68 (1960年) 
・ハイドン:交響曲第103番変ホ長調『太鼓連打』 (1963年) 
 →カラヤンといえばベルリン・フィルが最も結びつきが強いオーケストラですが、名門ウィーン・フィルとも生涯深い関係を築きました。しかし、1950年代から60年代にかけて、そのウィーン・フィルはイギリス・デッカの専属であったため、カラヤンはこの愛すべきオーケストラとの録音をドイツ・グラモフォンではなく、イギリス・デッカと行いました。結果残されたものは、どれもが名盤と呼ぶにふさわしいもので、LP発売以来、長らくファンに愛され続けてきました。 

 CD 2 
・ハイドン:交響曲第104番ニ長調『ロンドン』 (1960年) 
・ブラームス:悲劇的序曲作品81 (1962年) 
・ブラームス:交響曲第3番ヘ長調作品90 (1962年)

 CD 3 
・モーツァルト:交響曲第40番ト短調K550 (1960年) 
・モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K551『ジュピター』 (1963年)
 ・チャイコフスキー:幻想序曲『ロミオとジュリエット』 (1961年) 

 CD 4 
・ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92 (1960年) 
・ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調作品88 (1965年) 
 →ベートーヴェンは、デッカとの最初期の録音。ウィーン・フィルと最初にして最後の来日を果たす直前のもので、若きカルショーが録音を担当している。51歳のカラヤンによる生気に満ちた勢いのある演奏が味わえる。(CDジャーナル データベースより) 

 CD 5 
・チャイコフスキー:『白鳥の湖』組曲(1965年)
 ・チャイコフスキー:『胡桃割り人形』組曲 (1962年) 
・チャイコフスキー:『眠れる森の美女』組曲 (1965年) 

 CD 6 
・アダン:『ジゼル』 (1962年)

 CD 7 
・グリーグ:『ペール・ギュント』作品23より (1962年) 
・ホルスト:組曲『惑星』作品32 (1962年) 
 →この大曲を現在のメジャーな地位に押し上げた名盤。早くから最新の録音技術に関心を向けていたカラヤンならではの、挑戦的録音です。演奏の方も、どんどん前のめって行くような切迫感がもの凄く、当時のDeccaらしいギラギラとしたサウンドもあいまって、音の一大スペクタクルを形作っています。 

CD 8 
 ・J.シュトラウス2世:喜歌劇『こうもり』序曲 
・J.シュトラウス2世:喜歌劇『こうもり』よりバレエ音楽 
・J.シュトラウス2世:『アンネン・ポルカ』作品117 
・J.シュトラウス2世:喜歌劇『ジプシー男爵』より序曲 
・J.シュトラウス2世:『狩にて』作品373 
・J.シュトラウス2世:『ウィーンの森の物語』作品325 
・ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ『うわごと』作品212 (以上1960年) 
・R.シュトラウス:『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯』作品28 (1961年) 
・R.シュトラウス:『サロメ』より7つのヴェールの踊り(1961年)
 →カラヤンがデッカと契約して録音した最初期のもののひとつ。古き良き時代のウィーン・フィルの“色”がまだ十分に残っていたころで、彼らにしか出せないウィンナ・ワルツの雰囲気とカラヤン美学が融合した美演となっている。(CDジャーナル データベースより) 

 CD 9 
・R.シュトラウス:交響詩『ドン・ファン』作品20 (1961年) 
・R.シュトラウス:交響詩『死と変容』作品24 (1961年) 
・R.シュトラウス:交響詩『ツァラトゥストラはかく語りき』作品30 (1959年)

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