土曜日, 8月 11, 2012

トスカニーニ 集大成的コレクション

Toscanini Collection
http://www.amazon.co.jp/Toscanini-Collection-Arturo/dp/B006VKKAWQ/ref=sr_1_11?s=music&ie=UTF8&qid=1344702233&sr=1-11

(参考)以下はベートーヴェン交響曲全集のレビュー

 トスカニーニのベートーヴェン、指揮者にとってはいまも一種の教則本的な演奏といわれる。初期のカラヤンがこの演奏を強く意識していたことは有名だが、とりわけアメリカで活躍した指揮者にとっては(1950年代以降、否応なく比較の対象になっていたわけだから)、トスカニーニ/NBCの演奏はひとつの「規範」であった。ライナーやセル、バーンスタインらに、殿堂カーネギーホールでの本録音が与えた影響は計り知れない。

 最近、ベートーヴェンの交響曲全集がとても安い価格で市場にでるようになった。有名指揮者の全集を2~3千円で入手できるのだからオールド・ファンには隔世の感があるが、その中にあっても本全集は、その高質さから抜きんでた「買い物」といえる。194953年の録音であることは明記しておかねばならないが、はじめて聴くリスナーにとって、演奏そのものには、古さを感じるよりもおそらく新鮮な驚きがあるだろう。堅牢な楽曲アプローチ、明快かつ曖昧さのない解釈、専用オケたるNBCの忠誠と集中力ーそこから導かれる完璧なハーモニー、独特のダイナミズムと軽快なリズム・速度感。数多あるベートーヴェン交響曲全集中、今日でも最高峰の記録といえる。

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