日曜日, 9月 05, 2021

クーレンカンプ ブラームス【廉価盤BOXセットの魅力】


 










2021年9月4日

ゲオルク・クーレンカンプ(1898~1948年)は戦前、もっとも注目された大ヴァイオリニスト。しかし、その旺盛な録音活動には驚くばかりである。1930年代からイッセルシュテット/ベルリンとメンデルスゾーン、ベートーヴェン、ブラームス、シューマンなど、ローター/ベルリン・ドイツ・オペラ管と、チャイコフスキー、モーツァルトの第5番の協奏曲を収録。1940年代に入ると、ドヴォルザーク、ブルッフ、シベリウス、モーツァルトの第7番などの協奏曲を続いて収録。晩年まで一気に駆け抜けたような記録である。さらに、新進気鋭のピアニスト時代のゲオルク・ショルティと、モーツァルト、ベートーヴェンのほかブラームスではソナタ全曲を収録している。録音は残念ながら時代相応であり、選択はあくまでも好事家向けだろうが、ハイフェッツ以前、戦前~戦後の大混乱期に成し遂げたこれらの成果を振りかえる意味は大きいだろう。
<収録情報>
[1930年代]
・ベートーヴェン: Vn協奏曲 イッセルシュテット/ベルリン・フィル1936
・メンデルスゾーン: Vn協奏曲 同上1935
・シューマン: Vn協奏曲 同上1937
・シュポア: Vn協奏曲第8番「劇唱の形式で」同上1935
・ブラームス: Vn協奏曲 同上1936
・ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 エンリコ・マイナルディ(Vc)シューリヒト/スイス・ロマンド管1935 
・チャイコフスキー: Vn協奏曲 ローター/ベルリン・ドイツ・オペラ管1939
・モーツァルト: Vn協奏曲第5番 同上1939
・ベートーヴェン:ロマンス第1番 同上1939
・ベートーヴェン:ロマンス第2番 クレツキ/ベルリン・フィル1932
・J.S.バッハ(ウィルヘルミ編):G線上のアリア 同上1935
・モーツァルト:アダージョK.261 1936
・レーガー:無伴奏VnソナタOp.91-1 1936
・シューマン:12の連弾曲集より「夕べの歌」フランツ・ルップ(pf)1935
[1940年代]
・ドヴォルザーク: Vn協奏曲 ヨッフム/ベルリン・フィル1941
・ブルッフ: Vn協奏曲第1番 (1)カイルベルト/ベルリン・フィル1941、(2)シューリヒト/チューリッヒ・トーンハレ管1947
・シベリウス: Vn協奏曲 フルトヴェングラー/ベルリン・フィル1943
・モーツァルト: Vn協奏曲第7番 ローター/ベルリン放送響1943
・リヒャルト・フルーリー(1896~1967年、クーレンカンプの同時代人): Vn協奏曲第3番
クルト・ローテンビューラー/ベルン・スタジオ管1946
・モーツァルト: VnソナタK.454 1947
・ベートーヴェン: Vnソナタ第9番「クロイツェル」1948
・ブラームス: Vnソナタ全曲1947~48 (以上、ゲオルク・ショルティ(pf))

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