ハンガリアン・ファミリーという一団がいる。バルトークはその泰斗だが、多くはアメリカでオーケストラ・ビルダーとして大活躍した。フリッチャイはドイツにとどまったが、若くして惜しまれて世を去った。ハンガリアン・ファミリーに共通するのは、曲目を選ばず”何でもござれ”のレパートリーの広さとその演奏の均一な質の高さにある。ベートーヴェンしかり。そして第8番ももちろん例外ではない。
●フリッツ・ライナー:1888年ブダペスト生まれ。リスト音楽院に学ぶ。 1965年逝去
1938ー48年 ピッツバーグ交響楽団
1953年ー シカゴ交響楽団常任指揮者
●ジョージ・セル:1897年ブダペスト生まれ。ウイーン音楽院に学ぶ。 1970年逝去
1946ー70年 クリーヴランド管弦楽団常任指揮者
●ユージン・オーマンディ:1899年ブダペスト生まれ。 ブダペスト王立音楽院に学ぶ。 1985年逝去
1931ー37年 ミネアポリス交響楽団
1938ー80年 フィラデルフィア管弦楽団常任指揮者
●アンタール・ドラティ:1906年ブダペスト生まれ。リスト音楽院に学ぶ。 1988年逝去
1945-48年 ダラス交響楽団
1949-60年 ミネアポリス交響楽団
1970-77年 ワシントン・ナショナル交響楽団
1975-79年 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
1977-81年 デトロイト交響楽団
●ゲオルグ・ショルティ:1912年ブダペスト生まれ。リスト音楽院に学ぶ。 1997年逝去
1961ー コヴェント・ガーデン王立歌劇場音楽監督
1972ー74年 パリ音楽院管弦楽団総監督
1979ー83年 ロンドン・フィル首席指揮者
1969ー91年 シカゴ交響楽団常任指揮者・音楽監督
●フェレンツ・フリッチャイ:1914年ブダペスト生まれ。 1963年逝去
1952ー60年 ベルリン市立歌劇場常任指揮者
1961ー63年 ベルリン・ドイツ・オペラ総監督
●イシュトヴァン・ケルテス:1929年ブダペスト生まれ。 1973年逝去
1958-63年 アウグスブルグ歌劇場首席指揮者就任
1965-68年 ロンドン交響楽団首席指揮者
1973- バンベルグ交響楽団首席指揮者
ベートーヴェンの9曲の交響曲はすべて卓越した作品だが、第3番「英雄」、第5番「運命」、第6番「田園」、第7番、第9番「合唱」は俗称をふくめ有名な一方、初期の第1番、第2番、中期の第4番や後期の第8番はいささか地味な存在に映る。しかし、優れた構想力をもって作曲された各曲はそれぞれの魅力をたたえている。
第8番、ハンガリアン・ファミリーなら誰でも水準以上だろうが、ここではドイツに残った名匠、フリッチャイにフォーカスしたい。
交響曲第8番
「ハンガリー出身のフリッチャイが、フルトヴェングラーの存命中に、ベルリン・フィルを指揮したディスク。名門楽団のアンサンブルをしっかりと整えつつ、明快でありながら、力強さに富んだベートーヴェン像が打ち立てられている。」(下記から引用。但し第8番はRIAS交響楽団の演奏)
ベートーヴェン:交響曲第1、8番 フリッチャイ/ベルリン・フィル : ベートーヴェン(1770-1827) | HMV&BOOKS online - UCCG-3717
・ベートーヴェン:交響曲第1番
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1953年録音
・ベートーヴェン:交響曲第8番
RIAS交響楽団
1954年録音
(参考)
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