水曜日, 12月 11, 2024

グールドのシェーンベルク ピアノ協奏曲










グールドといえば、バッハやべートーヴェン、ブラームスなどいわゆる”3B”がただちに連想されるが、シェーンベルクも主要な演目だった。


ピアノ協奏曲 Op.42(1942年)は、ロバート・クラフト/CBC響(1961年1月21日)との共演。グールドは比較的短いこの曲から多面的な表情を引きだしており、十二音技法による斬新さよりもダイナミックなピアノの妙技にリスナーの関心は向かおう。管弦楽のバックは意図的にか、目立たせず相当音量を抑えた対応を感じさせる(トロント、マッシー・ホールで収録)。

初期の「3つのピアノ曲」Op.11(1909年)では強い高音がなにか現状に抗するようなレジスタンスを感じさせる。あるいはグールド自身の思いの投影かもしれないが意欲的な演奏。
それが「ピアノ組曲」 op.25(1923年)やピアノ曲 op.33a&b(1931年)になると無調傾向ながらも曲想ははるかに豊かになり変化をむしろ楽しんでいるかのような演奏。グールドは、伸び伸びと表情豊かに弾き込んでいる。曲の性格を見切ってのグールドのシェーンベルクは明確で愉悦的ともいえる成果。

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