ストラヴィンスキーの「兵士の物語」の決定版の一つ。その理由は全体の語り手が最晩年のフランスの詩人コクトーであり、彼がいわば全体を監修し、いまも使用されるコクトー版として世に送った、その貴重な音源だからである。
マルケヴィッチは全ての音を明確に表現しており、その音楽の息づきは至芸とでもいうべきもの。
本作は、現代音楽(バレエ音楽的な要素もある)と演劇の融合とでもいうべき作品で、音楽と独白(一部はレチタティーヴォ風)が「入れ子状」に展開する。場合によれば、一人芝居も可能な演目ながら、本作では、悪魔(ピーター・ユスティノフ)と主人公の兵士(ジャン・マリー=フェルテ)、そして王女(アンヌ・トニエッテ)の三人が登場し巧みな掛け合いをする。管弦楽のアンサンブル・ド・ソリスト(ヴァイオリン、コントラバス、ファゴット、クラリネット、コルネット、トロンボーンおよび打楽器の七重奏)は、フィルハーモニア管やスイス・ロマンド管の首席奏者などが務めている。
ストラヴィンスキー作曲によるいわば「ファウスト」物語の中身(荒唐無稽ながら風刺と諧謔に満ちている)は省略するが、あらかじめ各曲の内容とセリフを一定程度は理解しておかないと、アリアを楽しめるオペラとは違い70分を越える長丁場を聴き通すには、ちょっと忍耐がいるかも知れない(その難を補う意味で別に組曲もある)。
録音にはなかなか恵まれなったマルケヴィッチだが、本作は1962年10月、スイスでのセッション収録であり、音は極めてクリアである。
本作は、現代音楽(バレエ音楽的な要素もある)と演劇の融合とでもいうべき作品で、音楽と独白(一部はレチタティーヴォ風)が「入れ子状」に展開する。場合によれば、一人芝居も可能な演目ながら、本作では、悪魔(ピーター・ユスティノフ)と主人公の兵士(ジャン・マリー=フェルテ)、そして王女(アンヌ・トニエッテ)の三人が登場し巧みな掛け合いをする。管弦楽のアンサンブル・ド・ソリスト(ヴァイオリン、コントラバス、ファゴット、クラリネット、コルネット、トロンボーンおよび打楽器の七重奏)は、フィルハーモニア管やスイス・ロマンド管の首席奏者などが務めている。
ストラヴィンスキー作曲によるいわば「ファウスト」物語の中身(荒唐無稽ながら風刺と諧謔に満ちている)は省略するが、あらかじめ各曲の内容とセリフを一定程度は理解しておかないと、アリアを楽しめるオペラとは違い70分を越える長丁場を聴き通すには、ちょっと忍耐がいるかも知れない(その難を補う意味で別に組曲もある)。
録音にはなかなか恵まれなったマルケヴィッチだが、本作は1962年10月、スイスでのセッション収録であり、音は極めてクリアである。
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